関根ジローが所属する政策実現フォーラムは、松戸市新年度予算案に対して重大な問題があるため反対しました。反対理由は本会議最終日の討論の場で表明しました。討論は下記の通りです(未定稿)。***************議案第63号 令和2年度松戸市一般会計予算 及び 議案第70号 令和2年度松戸市都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算 には「反対」の立場で会派を代表して討論を行います。なお、第70号を除いた議案第64号 令和2年度松戸市国民健康保険特別会計予算から、議案第73号、令和2年度松戸市下水道事業会計予算につきましては、各事業の重要性を鑑み「賛成」とする旨を申し添えます。1.新年度における市税収入の見通しと、コロナによる減収のリスクについてそれでは、反対の令和2度松戸市一般会計予算と新松戸土地区画整理事業特別会計についてです。まず、コロナウィルス感染拡大による影響が心配される歳入について。さて、本市歳入の根幹をなす市税は、今回の予算で、前年比約5000万円増の690億円とほぼ前年通りの収入を見込んでいます。しかし、予算編成時、おそらく1月前後と思いますが、その時期から急速に世界的に新型コロナウイルス感染が拡大いたしました。そして現在でも歯止めがかかっていない状況であり、まさに世の中が一変したようにも感じております。こうした状況下、経済への影響について経済再生担当大臣は3月19日に記者会見を行い、「経済への影響は非常に大きなものがあり、リーマンショック並みか、それ以上になるかもしれない」と相当な危機感を表明しております。こうした先行き、景況悪化が見込まれることから、審議のなかで、2008年に発生したリーマンショックの際、市税に対しどのような影響があったかについて質問いたしました。答弁では、リーマンショックの市税影響額として、2009年の決算額と比較し、2010年はマイナス6.3億円、2011年はマイナス18.5億円の影響があったとし、かなりの悪影響があったことが明らかにされました。こうした過去の経験から、今回の影響が、リーマンショック以上となれば、2年間だけでも24.8億円以上の減収見込まれることになり、そもそも近隣他市に比べ担税力に劣る本市にとってはさらなる大きな痛手となることが予想されます。 こうした市税収の見通しが暗い中、気になるのは、ここ10年で、増え続ける本市の借金、市債残高と市から新拠点ゾーン開発などさまざまに提案されている大型事業についてです。増え続ける借金の中、大型事業を行えば、借金はさらに増えるのは当然です。こうしたことを憂慮した議会からの「どこまでなら市は借金ができるのか?」の問いに対し「本市市債残高限界値の目安は、これまでの一般会計市債残高のピーク額、約1436億円」との答えが当局から示されているのはご案内の通りです。しかし、直近の30年度決算値でも明らかなように、本市のプライマリーバランスはマイナスであり大型事業を行っていない現在でも借金は増え続けている状況であり、大型事業を行えば本市財政はどうなるのか?と不安は尽きません。昨年の予算審査において、我会派から「市は『市役所建て替え』『新焼却炉建設』『新松戸東口区画整理』といった大型の3事業を推進するとしているが、目安内でできるのか」と質問したところ、答弁として「3事業については、現段階ではできるものとみている」との答弁がありました。しかし、今回の代表質問において、再び同趣旨の質問をしましたが、市のお答えは「必要があれば、目安を超えてもおこなってまいりたい」との答弁で、昨年の予算委員会での答弁を修正したかたちとなりました。しかしながら、先ほど申し上げた通り、新型コロナウイルス感染症拡大により世界経済への打撃が深刻化する中では、本市財政もマイナス影響が見込まれ、今後、そのリスクはさらに増大していくと思われます。こうした現在の厳しい情勢下、「必要があれば市債残高の目安を超えても問題ない」と安易に目安突破に転じようとする市の姿勢はいかがなものかと、強く思っております。2.修正案についてこうした今後の税収減の可能性や現段階では市債残高の目安を守ろうとする姿勢は必要との考えから、我会派は令和2度松戸市一般会計予算の委員会での採決にあたり、修正案を提出しました。修正案の内容は、第1条歳出予算のうち、第8款土木費第4項都市計画費における「松戸駅周辺地域活性化事業の新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他2021万円」、「土地区画整理関係業務3390万円」、「松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計繰り出し金2億2587万円」の大型事業に関連する予算を削除したものです。残念ながら修正案は委員会採決において賛成少数で否決されてしまいました。我会派としては修正案で削除提案した事業以外は賛成と考えていたものの、削除提案した大型事業関連予算が本市にとっては重大な問題であると判断したため、苦渋の決断ではありましたが、予算全体に「反対」をすることとなりました。全体の予算に対する考え方を述べさせていただきましたが、ここからは、修正しようとした事業の問題点、認めがたい理由の詳細についてそれぞれ申し上げます。3.松戸駅周辺地域活性化事業の新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他についてまず、一つ目、松戸駅周辺活性化事業、新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託料他についてです。2点の観点から問題を指摘させていただきます。まず「事業費」の観点からです。昨年の代表質問で明らかとなったように、約460億円という巨額な事業費がこの新拠点ゾーン開発には見込まれています。まさに市の将来を左右するような大きな大きな事業です。また、災害時、本部が置かれ司令塔の役割を担う現市庁舎は耐震不足であり、市民、職員の命を守るためにも早急な改善は待ったなしの状況です。なので、市役所の移転候補地の一つでもある新拠点ゾーン開発を進めるのか否かの判断は急がなければなりません。そのためにも事業費の詳細、とりわけ市の負担額、市債発行額の見込みを早く明らかにしなければならないと考えております。こうした思い考えから委員会質疑においてこの点をあらためて様々な角度からお聞きしましたが、「現段階でお示しすることはできません」との一点張りの答弁、ならばと、「基本計画では記載されるのか?」とお聞きしましたが、「記載できない」とのお答えでした。しかし、なぜなのでしょうか?市役所の耐震不足は喫緊の問題であるのは執行部も当然そう認識しているはずです。昨年におおよその事業費が明らかになり、そして一年が経ちました。なのに、新拠点ゾーン開発の一番の課題、問題である「市の負担額と市債発行額の見込み」は今なお明らかになりません。なぜなのでしょうか?この一年間、市は一体何をしてきたのでしょうか?それとも多額の費用が明らかになれば、新松戸区画整理事業など他の大型事業に影響が出るのではとそんなことをもしかしたら恐れているのでしょうか? 何べんも申し上げますが、市役所の耐震不足の問題は大きな費用が掛かろうと必ず解決しなくてはいけないものと我々は考えます。なぜなら、それは人の命に係わる問題だからです。今回は、新市庁舎整備基本計画に係る予算も出されておりますが、早く事業費の詳細、市負担額を明らかにすべきと申し上げるとともに、市の負担額、市債発行額の見込みを隠したままで、強引に事業を推し進めようとする市の姿勢には看過できないと強く指摘をさせていただきます。次に2点目として、「市民との合意形成」に関する観点から問題を指摘します。市民と若手市職員がメンバーになっているワークショップ「MATSUDOING 2050」が、昨年8月から全6回の予定で開催されており、これまでに5回開催されています。このワークショップでは、「30年後を見据えて新拠点ゾーンを含めた松戸駅周辺で必要とされる公共空間について議論し考える場」とされています。今後の予定として、インターネットを活用した意見募集を5月にかけて行い、その後、5月17日に「まちづくりデザインマップ最新案」を策定・公表するとしています。しかしながら、この成果物を待たずに市が新拠点ゾーンに市役所を移転させることを前提した本予算を計上していることについて、複数の参加者に情報共有したところ、「ワークショップのなかで新拠点ゾーンに市役所を移転させようという意見集約に至っていなし、そもそも新拠点ゾーンに市役所を移転させる案があることをワークショップのなかで説明を受けていない」とおっしゃっていました。加えて、「市民の意見を聞くと言っておきながら、市は裏で着々と新拠点ゾーンに市役所を移転させる計画を進めていたとすれば、一体、何のためのワークショップだったのか、大変に残念な気持ちだ」ともおっしゃっていました。今回のように予算建てをし、基本計画策定を進めようとするのであれば、全6回にわたるワークショップのなかで正々堂々と「新拠点ゾーンに市役所を移転すること」についても議題にあげて、市民と市職員が一緒になって議論し考えるべきだったのではないでしょうか。それが市としてのあるべき姿勢だったのではないでしょうか?今回、市民と行ったワークショップをもって新拠点ゾーン開発での市民合意を図ったと仮に、するならば、それは単に「市による市民合意形成のアリバイ作り」とされてもしかたないものと考えます。よって、本予算を計上することは認められないと申し上げます。4.土地区画整理関係業務について次に土地区画整理事業のうち常磐線快速列車新松戸駅停車調査業務2822万円について問題点を申し上げます。さて、この予算は新松戸駅東側地区土地区画整理事業とあわせて常磐線快速列車の新松戸駅停車に係る調査等を行うものであり、新松戸駅に快速電車を停車させることは、多くの市民の願いであり、我会派としても方向性を同じくするものです。しかしながら、本事業は、「不透明な事業費」「調査を進めようとする市の姿勢」「地権者の強い抗議」という3つの重大な問題を抱えていると考えています。まず1つめの「不透明な事業費の問題」です。市として新松戸駅に快速電車の停車が可能かを判断するため、これまで過去3年間で6000万円を超える市税を投入し、市で調査してきました。その結果、「技術的に可能」という結論付けを行い、新年度にはJR東日本に対して更に調査を依頼しようと2882万円を計上されました。本来であれば「技術的に可能」と結論付けた今、JR東日本にさらなる調査依頼をする前に、実際に新松戸駅に快速列車を停車させる場合の概算事業費の見込みや市負担額の見込みを示すべきと考えます。快速列車を停車させるためには「駅改修工事費用」や「JR東日本のシステム改修費」や「全国の駅や電車内に掲示されている路線図の更新費用」「ホーム増設に伴う線路用地の確保」など多額の費用が必要なのではと思われます。しかしながら委員会質疑では「市負担が生じる」ことについてはじめて言及があったものの、肝心の「市負担額の見込み」はどうなるのかわからないとのことでした。一体、新松戸駅に快速電車の停車させるために市はいくら負担するのでしょうか、逆にいくらまでであれば市は支出可能なのでしょうか。また、なぜこれまで市の負担が生じるということを明らかにしてこなかったのでし続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』