松戸市のコロナ禍対策に関する予算に対しての賛成討論

6月18日、松戸市6月議会の最終日で、松戸市一般会計補正予算(第5回)の採決を行いました。関根ジローは所属する会派「政策実現フォーラム」を代表して下記の通り賛成討論を行いました。一連の松戸市のコロナ禍対策を評価しつつ、更なる支援策を講じるべきと要望しました。討論原稿を転載します。 ↓↓↓ 政策実現フォーラムの関根ジローです。議案第12号 令和2年度松戸市一般会計補正予算(5回)に対して会派を代表して賛成討論致します。 討論に先立ちまして、コロナ禍以降、市民や中小企業の皆様から頂いた声をうけて、我が会派から質問書3本・要望書15本を市長に提出させて頂きましたが、市にご尽力頂き実現して頂いた施策が多数あり、感謝を申し上げます。松戸市の取り組みがより良いものとなるように、これからも建設的で前向きな政策提言を続けてまいりますので、よろしくお願いします。 1.補正予算の概要について 補正予算の概要について申し上げます。令和2年度松戸市一般会計補正予算(5回)は、規定の歳入歳出の総額に歳入歳出それぞれ18億8397万円を追加し、歳入支出の総額を歳入歳出それぞれ2101億561万円とするものです。 2.歳入について 次に、歳入について申し上げます。新型コロナウイルス感染症対策として本6月議会に上程された令和2年度4・5・6月補正予算うち、財政調整基金からの繰出金は約25億円です。一方で、感染症対策や地域経済の活性化などのために国が設けた「地方創生臨時交付金」は、第1次補正予算において9億2千万円が確定していますが、第2次補正予算において不確定要素はあるものの追加で約20億円配分される見込みであり、合計30億円近くが本市に交付される見込みです。このことから、結果的に、4・5・6月の松戸市のコロナ禍への財政支出は「地方創生臨時交付の範囲内」で行われた可能性が高いことを指摘します。東京都や市川市などでは、「地方創生臨時交付金」に留まらず、「財政調整基金」を活用し積極的なコロナ禍に対する各施策の展開をしています。「非常事態に備えて積んできた財政調整基金は、非常事態である今こそ使われるべき」とのスタンスに、共感するものです。 さて松戸市にも約101億円の財政調整基金があります。「来年度以降の税収減」や「病院事業の経営悪化によるさらなる一般会計からの基準外繰入金増額」や「コロナの第2波をはじめとした更なる災害に備える」という観点から、約101億円の一部は蓄え続ける必要があります。一方で、財政調整基金の一部を活用して、コロナ禍という非常事態である今こそ、大きな影響を受けている市民や中小企業に対して更なる支援を講じるべき、と申し上げます。 3.歳出について 続いて、歳出について、それぞれの事業に対して要望を申し上げます。 〇民間宿泊施設借上げ事業について まず「民間宿泊施設借上げ事業」についてです。この事業は医師・看護師等の医療従事者や、介護従事者等の方々が、同居するご家族等への感染リスクへの不安から一時的に別居を希望される場合に、市が借り上げた宿泊施設へ無償で宿泊できるものです。全国に先駆けて本市が導入したことを評価します。一方で、現在においては借り上げている9部屋のうち、2部屋の活用に留まっているとのことでした。先例のなかった事業ですので、需要の見込みは難しかったと思われますが、空き室をいくつも抱えていることは改善されるべきと思います。「現在の民泊宿泊施設借上げ方式」に加え、「ホテルの宿泊費用を助成する方式」についても検討して頂き、「医療従事者等が利用しやすく」且つ「空き室を出来る限り生じさせない」制度設計になるよう、改善のご検討を要望します。 〇学校関係について 次に学校関係の歳出について要望を申し上げていきます。 まず「休校中における課題の郵送」です。質疑を通して4月郵送分の課題は「復習」、5月郵送分の課題は「予習」だったと確認できました。文部科学省が「学習内容の一部繰り越しを容認する」旨の通知を出していますが、本市として「今年度予定していた学習範囲を複数年で修了する」とした場合、5月郵送分についても「復習」で良かったことになります。このことについて、本市として、文科省の通知に対する見解をお伺いしましたが、答弁として「今年度予定していた学習範囲は今年度中に修了させる」というものでした。「夏季・冬季休暇の短縮や、土曜授業を行い授業時間を確保する工夫を行う」としても、それでもなお、授業が駆け足になることは確実で、子どもたちには大きな負担となります。授業についていけなくなる子どもが出てきはしないか大変に心配です。また、教職員の働き方についても心配です。前提として、コロナ禍以前から、教職員の長時間労働が問題となっていました。具体的には、千葉県教育委員会が2019年6月に公立学校教員の出退勤時刻実態調査を行ったところ「中学校の教諭では残業が月80時間(過労死ライン)を超える割合が約80%に上り、過去の調査に比べて悪化してきている」ことが明らかになっています。そしてコロナ禍以降の対応として「消毒作業」「トイレ清掃」「生徒の検温管理」などが「新たな業務」もしくは「従来は生徒が行っていたものを教職員が特化して行う業務」として追加され、教職員の大きな負担となっています。これに加えて、土曜授業のための出勤、夏季冬季休暇短縮による出勤することにより、負担が著しく増大しています。また、先ほども申し上げた通り、かなりの駆け足の授業になることで、授業についていけない生徒がでてくると思われますが、これらの子どもたちへの学習のフォローもしなければなりません。また「児童生徒に症状がないが自宅待機や欠席するケース」にも教職員は対応しなければなりません。加えて、保護者から「オンライン授業を導入してほしい」という声の高まりを受けて、オンライン授業についても研究をしていくことが求められています。以上のように教育委員会が「今年度予定していた範囲は今年度中に修了させる」としたことで、生徒・教職員への負担は確実に増大します。教育委員会におかれましては、文科省の通知を受けて「今年度予定していた学習範囲を複数年で修了する」ことを改めて検討すべき、と強く要望します。仮に「今年度予定していた範囲は今年度中に修了させる」ことに変わりがないのであれば、「トイレをはじめとした清掃を外部委託」したり「理科支援員やICT支援などの各スタッフを全校に早期に導入する」など、「教職員の負担軽減」につながり、且つ「子どもたちにとっても学習の理解が深まることにつながる」各施策の実現にむけて、ご尽力頂きますよう要望します。 また郵送した課題に対する評価についても要望申し上げます。京都市の小中学校では、新型コロナウイルス感染防止に伴う臨時休校の影響で、総合的に評価するだけの授業数が確保できないため、「1学期の通知表は作成しない」ということを、京都市教育委員会が決めたと報道がありました。学年末に通知表をだすので問題はないとのことです。通知表を作成すること自体が教職員にとっては時間が費やされ負担となりますが、1学期の通知表をなくすことで、その浮いた時間を子どもたちへの指導に当てることができます。また、年度末のみに通知表を作成ということは、年間通しての学習に対して総合的に成績の評価することになりますので、「休校中に家庭で行った課題への評価」のウェートが薄まる効果もあります。両親ともエッセンシャルワーカーで子どもの学習を子どもで見られない場合や、障害などがあるお子さんの場合など、様々な実情の家庭があるなかで、課題が終わらなかったり、課題への理解が十分でない場合もありえるなかで、そもそも家庭学習を評価対象とすることに疑問の声が挙がっていました。休校中に家庭で行った課題への評価のウェートが薄まることに「ほっとする家庭」は少なくないと思います。ひるがえって、本市において1学期の通知表をどうするのか、と委員会で質問しましたところ、「各学校長の判断で通知表を作成しない場合もありえる」との答弁でした。この点、各学校任せにするのではなく教育委員会として、全市的に1学期の通知表作成を取りやめる決断をするよう、要望します。 また、本市では「PCやインターネット環境がない家庭に対して、電子端末やモバイルwi-fiルーターを貸与すること」を明らかにしていますが、その環境整備が完了した以降に、第2波等による休校や分散登校が生じた場合、課題を郵送ではなくて、オンラインで児童生徒とやりとりする、つまり担任教諭がオンラインで課題を児童に提供し、その課題を児童が取り組み、児童もオンラインで担任教諭に提出するという仕組みを導入するべきと要望します。加えて、電話連絡による学習把握についても、電子端末やモバイルwi-fiルーターを貸与以降は、電話連絡による学習把握ではなく、オンラインによるテレビ会議システムを活用して学習把握をするよう要望します。オンラインで、課題の提供をしたり、学習把握をすることにより、郵送費や電話代の費用が発生しませんし、課題を印刷して郵送するという教職員の負担も軽減することができますので、前向きにご検討ください。 続いてGIGAスクール構想についてです。 ネットワーク環境整備について、本市が導入する方式は、各学校個別方式とのことでした。各学校個別方式はセンター集約方式に比べて、安定した高速通信を確保できる方式なので評価します。一方で各学校個別方式は「セキュリティ」や「端末管理」について、各学校が一定の作業を行う必要がある可能性が指摘されています。この点、教育委員会として各学校の負担軽減にむけて配慮や工夫を行うとのことですので、よろしくお願いします。 また、GIGAスクール構想の予算には「緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備」として「Wi-Fi環境が整っていない家庭に対する貸与等を目的として自治体が行う、LTE通信環境の整備を支援(いわゆるモバイルWi-Fiルーターの整備)」に係る予算も盛り込まれていることがわかりました。具体的には「2,600台分のモバイルWi-Fiルーターの整備費用」や「5ギガバイトを上限とした月額定額の通信料金」が含まれております。インターネット環境がない家庭に配慮するためにモバイルWi-Fiルーター続きをみる

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