2021年12月30日:パート4 午前1時過ぎ。就寝前に、このシリーズを終わらせておきたい。明日(大晦日)は、違う話を取り上げたいからだ。眠い目をこすりながら、再びパソコンの前に座った。 世の中に完璧な人間はいない。完全な組織も存在しない。当然、(国であろうと地方であろうと)行政の判断が、常に正しいとは限らない。だからこそ、権力をチェックするメディアの役割が重要なのだ。 万一、県の政策の方向性が間違っていたり、もっと効果的な方策があると気づいたり、政策を進めていく上で、県民への説明が不足していたと思った時は、そうした問題点を率直に認め、反省し、改善の努力をする。これが、政治のあるべき姿だと考えている。 今回の豚熱ワクチン接種に関するシリーズ連載で取り上げた地元紙(上毛新聞)の12月2日付の豚熱に関する記事のお陰で、県の方針に不安や不満を抱いている農家の方々がいることを、改めて再認識した。そのことは、良かったと思っている。 ただし、この記事のニュアンスだと、まるで「7月の時点で、農水省から『子豚のワクチン接種を一律に早めるべきだ』という明確な統一見解が示された。にもかかわらず、群馬県は(他県は皆、そうしていたのに)、この重要な政府の方針を(サボって)農家に文書で通知しなかった」という印象を与える。実際、記事を読んだ支持者の中にも、そうした誤解をしていた人がいた。 これまでの5つのブログで解説して来たように、そのストーリーは事実と違う。 過去のブログでも触れたが、上記の記事の中では、次のような養豚農家の声が紹介されている。 「桐生市の養豚農家の男性は11月30日の取材に対し、『(接種の適期について)行政から何も知らされていない。早めるべきなのか、ずっと分からないまま』と困惑していた。」 「前橋市の養豚農家の男性は2日、県の方針転換に『県はもっと明確に「接種時期を早めた方がいい」とアナウンスすべきだった。あまりにも対応が遅すぎる。行政の責任放棄だ』続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』