通常国会は会期末まであと2か月となり、限られた時間内での法案・コロナ対策・経済対策の審議が山場を迎えています。
◆文書交通費問題
今国会の大きなテーマであり、国対が中心となって取り組んできた文書交通費問題は、15日に改正法が成立しました。この問題については与野党間で協議を重ね、まずは文書通信交通滞在費を調査研究広報滞在費と改め、日割りで在職日数分だけ支給する改正を成立させました。これは、4月24日に石川県で参議院補欠選挙が実施され、それまでに月割りではなく日割り支給へ変更するため、改正を急ぐ必要があったためです。もちろんこれは暫定的な改正であって、使途の公開や未使用分の国庫返納についての改正も必要という立場は変わっていません。残る課題については今国会中に結論を出すべく、さらなる与野党協議を重ねて参ります。
◆下げ止まるコロナ感染対策
4月に入り、全国的に感染者数が下げ止まるばかりか、地域によっては過去最高の感染者数が確認されており、まん延防止等重点措置が解除された中で、どのように感染防止と医療確保を行うかが課題です。オミクロン株による第6波はそれまでより遥かに多い感染者を出し、やむなく自宅療養が中心となりましたが、自宅で病状が悪化し亡くなった方も多くおられました。オミクロン変異株により感染増加が予想される「第7波」以降に備えるためには、保健所を中心とした仕組みではなく、高齢者等がかかりつけ医を登録して自宅療養中の医療アクセスを確保すること、国主導で有用な治療薬を迅速に確保し、提供することなどが重要です。これらについて、法案を提出するとともに政府への申し入れも行っており、集中審議を含め、コロナに常に対応した国会対策を心がけています。
◆経済政策の対案で勝負
そして後半国会の焦点となるのが、急激な物価上昇を受けての生活難に対する緊急経済対策と補正予算の編成です。今のところ、政府はコロナ対策で用意した予備費を使って経済対策を行う姿勢ですが予備費はあくまでコロナ対策として国会審議を行い可決成立したものであり、広範な経済対策を行うのであれば、新たに補正予算を組み直して国会審議を経るのが筋です。与野党からの突き上げもあり、ゴールデンウィークまでに一通りの法案が可決した後、5月半ばあたりに政府から補正予算案が提出される可能性が十分あり、その審議が後半国会の山場となるであろうと考えています。
政府の経済対策は2兆円との報道もあり、規模が小さいばかりか、ガソリンのトリガー条項凍結解除はうやむや、年金生活者への5000円給付案を出しては撤回するなど、腰が定まっていません。まして、消費税減税のような抜本的な生活支援策には何ら踏み込めていません。
わが党の立場は明確で、暮らしと事業を守り抜くため、消費税5%への時限減税やガソリン減税、中小企業の債務減免等で総額21兆円に及ぶ経済政策パッケージを発表しています。後半国会、そして参院選の大きな争点としての経済政策の違いを、補正予算審議でも際立たせていくのが、国対としての大きな仕事と考えています。
スタッフ日記「吉野巡り」
古くは日本書紀にも詠われ、平安時代に編まれた古今和歌集には、既に桜の名所として詠われている、奈良県吉野。その後長い文化がはぐくまれる中で、西行法師や、松尾芭蕉など数多くの歴史人たちが愛した名称でもあります。日本国民が桜の花を愛するのと同じように、この場所を訪れた偉人たちも吉野の花をこよなく愛し、この山深い吉野に足を運んだとされています。
先日、初めて吉野へ桜を見にいきました。道沿いの各所に鎮座する歴史的な史跡を横目に、信仰の聖地ともされる寺社仏閣の神聖な雰囲気に心躍らせながら、三万本もの桜木が、手前から順に山全体を染める絶景にはただただ圧倒させられるばかりでした。
山間をしばらく抜けると現れる参道には、ここが1700メートルを超える山頂であることが嘘であるかのような、そんな賑わいを見せていました。
現在、全国各地のほとんどの桜の名所には、ソメイヨシノといわれる桜が植えられています。私も幼い頃に、東大寺の大仏よりもこのソメイヨシノという言葉に初めて「奈良」を感じたのを覚えています。このソメイヨシノ、所説あるものの、江戸は染井町の植木屋さんが最初に作り出したとされる品種です。この命名は、染井町で産まれた吉野の桜のように美しい桜という意味を込めて名付けられたそうで、日本人としての心の故郷を思い起こさせます。
コロナの影響のありながらも昨年よりは、花見客も戻りつつあるとのことで、金峯山寺の沿道で草団子を楽しむ観光客も多いように感じ、また一つ奈良の歴史と文化を感じることができました。(特命係長)
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