合理的な新型コロナ対策のために

 新型コロナウイルスの全国的な拡大は深刻であり、早急に合理的な対策を講じなければ、さらに多くの人的被害や経済的損失が生じてしまうことは明白です。もちろん状況に対応するために病床や収容施設の確保、現金給付や休業補償、ロックダウンなど人出の抑制策、検査拡充といった様々な対策が議論されています。しかしそうした対策の前提として見落とせないものがあることを指摘しなければなりません。

 様々な対策の土台となるのは政治への信頼です。けれども新型コロナが日本に持ち込まれてから一年半を経て、現在はその信頼が著しく損なわれた状態となっています。また今の日本には、新型コロナをめぐる間違った情報があまりに多く出回りすぎています。そうしたものを正していかなければ、市民の協力を得て十全な対策を講じることは実現しないでしょう。実際にとられる対策が申し訳程度のものに終わったり、掛け声程度の協力の呼びかけに終始するという結果にもなりかねないわけです。


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