訴 状
令和3年3月31日
東京地方裁判所民事部 御中
住所
〒273-0005
千葉県船橋市本町1丁目11番29-101号
原告 NHK受信料を支払わない方法を教える党
上記代表者 立花孝志
(送達場所)
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-1-1
参議院議員会館403号
立花 孝志
電 話 080-2508-9347
FAX 03-3591-2300
〒104-0054
東京都中央区〇〇
被告 上杉 隆
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 2,640,000円
貼用印紙額 19,000円
請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金264万円及びこれに対する令和3年3月31日から支払い済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決並びに仮執行の宣言を求める。
請求の原因
第1 当事者
1 原告は、国会議員2名の他、地方議員を複数名擁する政治団体であり、「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律」の第3条2号に該当する政党であり、毎年約1億6千万円の政党交付金を国から受領しているいわゆる国政政党である。
2 一方被告は、原告の幹事長である。
第2 本件提訴に至る事情
1 本年3月2日に株式会社光文社が発行した週刊FLASH(以下「本件週刊誌記事」という。)(甲1)に被告の名誉を棄損する誹謗中傷記事が掲載された。
2 被告は、原告に対し、本件週刊誌記事が事実無根だと主張したので、原告は本件週刊誌記事が発売された翌日の本年3月3日に参議院会館内で記者を集めて緊急の釈明記者会見(以下「記者会見」という。)を開催した。
3 ところが、被告は釈明記者会見に出席しなかった。
4 被告が釈明記者会見に出席しなかった理由として、「釈明記者会見の時間帯が弁護士と週刊誌の発行元である株式会社光文社を提訴する為の打合せと重なったとか、弁護士に株式会社光文社を提訴するまで記者会見はしないように言われているとか、株式会社光文社を提訴した時に記者会見を行う。」という事だった。
5 結局被告は、株式会社光文社を提訴しないまま、原告に辞任届を提出した上で本年3月9日に記者会見を開いた。その記者会見で被告は、株式会社光文社を提訴します。と発言しているが、未だに株式会社光文社を提訴していない。
第3 原告の幹事長は公人として扱われる
1 原告(国政政党)の幹事長は、国会内を自由に出入りできる資格を持ち、戦没者追悼式や東日本大震災追悼式といった、いわゆる皇室行事にも出席するような職務も多数あるので、場合によっては国会議員より重要な職務を遂行しなければならない立場である。また、原告から被告が経営している会社に毎月264万円の費用が支払われていることから、被告は公人とは言えないものの、その立場は公人として扱われなくてはならない。
第4 損害等
1 本件週刊誌記事は、現在被告に配偶者がいるにも関わらず、「奥さん以外の女性と不倫関係」にある。とか、「被告が同居している母親を恫喝している」など、本件週刊誌記事の内容が事実でなければ、被告に対する名誉棄損が認められる内容である。
2 被告が、原告の幹事長であることから、本件週刊誌記事は被告のみならず間接的に原告の名誉を棄損する内容となっている。
3 もちろん、被告も原告も公人として扱われるため(公共性と公益性がある)、本件週刊誌記事の内容が概ね事実に反しないもの(真実性や真実相当性があるもの)であるならば、名誉棄損の免責要件に該当する為、被告や原告が株式会社光文社を提訴しても損害賠償の請求は認められない事は理解している。
4 つまり、原告としては、本件週刊誌記事に対して①被告が記事の事実を認めて有権者に謝罪するか、或いは②被告が本件週刊誌記事を争って被告の正当性を証明するかのどちらかの対応をしてくれないと、原告の国民に対する説明責任が果たせない状態が続いてしまう事になる。
5 原告は国政選挙によって選出された政党であり、政党交付金を主な活動原資にしているため、不倫や恫喝といった疑いに対しては、逃げることなく国民に説明しなければならない責務がある。
6 よって、被告が株式会社光文社を提訴しないまま放置する行為は、原告の信用を棄損する行為となり不法行為を形成することから、民法第709条に基づき、被告は原告に対し損害を賠償する責任を負う。
第5 結語
以上のとおりであるから、原告は請求の趣旨記載の判決を求める。
証拠方法
甲第1号証 本件週刊誌記事
付属書類
1 訴状副本 1通
2 甲号証 各1通
3 資格証明書 1通