私立高校2年生髙橋勁至さんが、校風・ルールとして、体調不良でも登校を強要。体育祭練習に腹痛が理由で遅刻したことを体育教諭と担任に吊し上げられた上、学校説明会の案内役を務めることになった際に「自分が行きたくない学校を中学生に勧めるのは嫌だ」と悩み、翌朝の2018年11月24日自ら命を絶たれました。
ご両親は、小池知事にも手紙を書き、東京都生活文化局(現生活文化スポーツ局)に徹底調査を求めて働きかけ続けるも「生徒間のいじめでない場合、私立学校の指導内容を調査する権限は都にはない」の一点張りで事実上放置されていました。再調査を都に求める親御様の悲痛な声がお姐の元に届き、2023年2月27日痛ましいこの高校生の「指導死」記者会見に立ち合わせて頂きました。
▲右から教育評論家武田さち子先生、朝妻理恵子弁護士、ご両親の髙橋貴子様、和之様、杉浦ひとみ弁護士
都内の私立高の生徒 5年前に自殺 遺族が都に再調査求める NHK
「両親によりますと、高橋さんは教員の威圧的な指導などで精神的に追い詰められ、自殺したとしています。一方、学校が設置した弁護士などによる第三者委員会は調査の結果、「自殺と指導に因果関係があると断定できない」と結論づけています。」(お姐注:なわけない!)
担任から「裏切り者」と呼ばれた息子…「死の真実を知りたい」男子高生の遺族が東京都に再調査を要望 東京新聞
「勁至さんは中高一貫校に高校から入学。小テストに合格しないと、担任から「裏切り者」と呼ばれた。腹痛で体育祭に遅れた時は、約300人の前で「おまえのせいで全員の雰囲気が悪くなった」と叱責されたこともあり、学校説明会の案内役を務めることになった時は「自分が行きたくない学校を中学生に勧めるのは嫌だ」と悩んでいたという。」
記者会見では、生徒を恫喝する教員の音声も流され、あってはならない壮絶な教育現場の実態に記者会見場がシーンと静まり返りました。
ご両親の快諾をえまして、“チルドレンファースト”を高らかに掲げる小池知事に提出されたご両親の思いが詰まった嘆願書を一挙公開させていただきます。【髙橋勁至に関する 第三者委員会の再調査の嘆願】
髙橋和之 父 2023年2月27日
◆第三者委員会の再設置の嘆願に至る経緯◆
本日はお忙しい中、報道関係者の方々・会場準備をして頂きました都議の上田先生本当にありがとうございます。
2018年11月24日、大人たちに大きな課題を残し自殺した当時高校2年生16歳、髙橋勁至の父親でございます。
息子は、東京都の私立高等学校に在学、柔道部に所属していました。
亡くなった当日は、高校入学希望者の学校説明会がある日で、息子は学校を勧誘説明する担当でした。「自分が行きたくない学校を勧めるのは嫌だ」と亡くなる前夜に息子は家内に言っておりました。
◆届かない調査報告◆
息子の死後、2018年12月17日、学校長から基本調査の報告がありました。
「生徒の人格を否定する様な我々の言葉遣い、態度そういったものをなくす、反省、改善する」と口頭で報告されましたが、この調査では息子の死の原因は不明であり、第三者委員会を設置すると説明を受けました。
その後、学校及び学校設置者から第三者委員会の人選、調査の趣旨、手法、組織構成、期間、資料の取扱い等の説明はありませんでした。
2019年2月6日に第三者委員会から直接、三名の就任と第三者委員会設置の報告があり「登校とは利害関係はない」と伝えられました。また、第三者委員会からは明確な調査対象者、アンケートの内容等の事前説明はなく調査を開始されました。
私と家内からの第三者委員会、聞き取り申し入れ面談は、2019年3月と6月の二回だけでした。
同年12月に報告書(仮)の説明を受け、一カ月程度で完成すると伝えられました。
しかし、連絡がきたのは息子の同級生が卒業した2020年3月7日の2日後、3月9日でした。この時に報告書・最終案のFAXが届きました。第三者委員の連絡事項として
「3月12日に学校側に最終案の説明を行います。そのなかで、学校としても意見等はあるでしょうが、よほどの誤りがない限り正式な書面として学校に提出します」
とありました。最終的に学校側により加筆、修正され、報告書が完成するとも受け取れる連絡でした。
◆伝えていた事実を看過、調査不十分を指摘するも◆
2020年3月18日、こちらから第三者委員会宛に報告書の調査不十分を指摘する意見を送りました。
①全容解明が第三者委員会の責務であると言いながらも「合理的に推察できる範囲に限定して調査・検討の実施している」としており、全容解明を行おうという意思をそもそも欠いていること。
②指摘した個別の事実の、有無の認定をしただけで、私たちが訴えた事実はそれ以外にもあり、全ての調査をしていない。
③個々の事実認定の根拠とした事実関係や資料が示されておらず、どの様に事実認定したかという説明がない。
④本件事案の評価検討の上で、最も重要とされる自死直前の期間について、何らかの事実認定もなく、背景調査についての検討がなされず、明らかに第三者委員会の調査が不十分であること
を訴えました。
同級生の在籍が終わった2020年4月1日に第三者委員会からFAXが届きました。
私達が送った3月18日の
「意見を踏まえて報告書の一部加筆等の修正をしました。
学校側の意見から修正等をした部分もある、報告書を学校に提出したので第三委員会は解散しました。なお、最終的な報告書の公開、供覧は設置者の判断となります。詳細につきましては設置者に問い合わせて下さい。」
と一方的な連絡が来ました。
◆“身内”で構成された第三者委員会◆
同年4月22日、学校から最終報告書が送られて来ました。
教員らが息子に対してどのような対応をしていたのか、第三者委員会の提言が記された重要な説明部分の、”学校の対応についてと再発防止策に向けた提言”は「自死の原因調査とは無関係の部分である」と黒塗りの報告書でした。
▲黒塗り報告書を掲げるお母さま
3月18日に私達が送った、調査不十分を指摘する意見は全く反映されず、自死直前の調査はされておりませんでした。
第三者委員会の最終報告書には
「自死直前までの登校の継続についての理由は断定できず、学校による指導が、息子に対して、メンタルヘルスに影響与えるストレッサーになっていた、自死にも何らかの影響を及ぼした可能性は否定できないが、今回の調査で断定することはできない」
と書かれておりました。
驚くことに、家族関係等も影響を与えた可能性と、突然組み込まれた内容に変わり記されてありました。
学校からは「第三者委員会の報告書において言及されている通り、担任に法的責任はない」と連絡を受けました。
第三者委員会は、こちらが依頼した、私たちが体罰だと思っている「皆勤の強要」などを調べておらず、息子の死の原因は断定できないと言われました。
その後、第三者委員の構成メンバーが学校弁護士と同じ協会に所属し、同じ法人にも所属している人たちだと分かり、公平中立にかけるものと知りました。息子の死の原因の真実が知りたく裁判に至りました。
◆放置し続けた小池知事と生活文化局私学行政課◆
その事を踏まえ、家内が生活文化局私学部私学行政課に度重なるメールと電話、小池都知事に手紙を出し再調査の依頼をしました。
2021年12月1日、私学行政課(東京都生活文化局)の方と家内が話をし、最後に連絡をすると言われましたが、その後どなたからも連絡は来ていません。
第三者委員会は、亡くなる直前や遺族の私たちが依頼した事の調査をしていません。
皆勤の強要がどれだけ息子の負担になっていたのか?
進路について、担任から「アンタの頭でそんなところに入れるの?」「お前の成績じゃ無理」と息子が否定されたことが、どれだけ息子の精神に影響があったのか?
担任が独自で決めた連帯責任。
朝テストの結果が、クラスの全員が満点ではないと、連帯責任のペナルティーとして、クラス全員、毎日の課題、7時30分登校。
また間違えた者はクラスの皆んなの居る前で、担任から「裏切り者」と呼ばれる。
その様なことを、日常的に見たり聞いたり言われたりしていた息子の心の負担感、罪悪感がどれだけあったのか?
◆息子の遺した思い、真実が知りたい◆
先程お聞かせしました音声は、息子がこっそりとスマホで録音した一部です。
スマホは学校に着くと、全員すぐに回収されていました。
ですから、所持が見つかり隠し録音が発覚したら、想像を絶する、罵倒や叱責を受けることはわかっていたはずです。
それでも、息子は覚悟の上で音声を残していきました。
事実を訴えたかった、その時の息子の思いを想像すると、今でも胸が押しつぶされそうです。
若い頃は全てに対して大人とは感じ方が違います、残された遺族は、ただ真実を知りたいだけです。
以上の経緯により、未だ解明されていない息子の死の原因を、公平中立に再調査をして頂きたく、この場を借りお願いにあがりました。
よろしくお願い致します。ありがとうございました。
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参考資料
2021.12お母さまが送られた小池知事への手紙
会見に参加された武田さち子先生が取りまとめられた胸がかきむしられる「指導死」一覧←必読です。
▲髙橋勁至さん該当部分
【お姐総括!】
素直で優しく柔道部で活躍していた髙橋勁至さん享年僅か16歳。
同校はメディアにも度々登場。著名スポーツ選手も卒業をし柔道部にはオリンピック選手も指導に来て、勁至さんも手合わせをしてもらい意欲をもって柔道に取組んでいました。
イジメ・パワハラ・恫喝・体罰でどれほどの児童・生徒の命が「指導」の名のもとにが奪われてきたでしょうか。
このような理不尽な死を「指導死」といつしか言われるようになりました。
命輝く青春時代、その命を育む学校現場が原因となって自死をされた子どもの親御さんの思いは想像を絶するものがあります。
何より勁至さん本人の無念はいかばかりであったでしょうか…
しかしながら都の対応は惨憺たるものでした。
2018年11月24日 髙橋勁至さん死亡
2018年12月15日 私学行政課にメール
2018年12月17日 私学行政課にメール
2018年12月26日 私学行政課から返信メールが届く
2019年1月15日 私学行政課にメール
2021年11月24日 私学行政課にメール
2021年12月1日 私学行政課に電話(録音あり)とメール
2021年12月 小池都知事に手紙を送る(都民の声)、事務所に電話、LINE送る。
→シカト・放置のすえ2023年2月27日記者会見に至る
学校の理不尽な対応も大問題ですが、『チルドレンファースト』を掲げつづけてきた小池知事も、東京都生活文化局私学行政課も、この悲痛な訴えを放置し続けてきたことは、絶対に許されてはなりません。
先の戦争で教育に軍国主義が介入した深い反省があったのは承知しております。
しかし、私学に公が立ち入らないという前提はこういう事案になじみません。
子どもの命や人権においては法の精神においても公立も私立も同等に行政は対応すべきです。
「政府より先んじてパフォーマンス」が大好きな小池知事は「政府に先んじて」私学への再調査を実現すべきです!
この件も、保護者様に寄り添い私は徹底追及してまいりますので、皆様も是非再調査実現にむけて熱血応援して頂きたく、またそうした場も作りたく引き続き奔走してまいります!
改めて、髙橋勁至さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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