増えない生活保護受理件数

経済的に困窮する市民の皆さまに対して、国や自治体が、健康で文化的な最低限度の生活を保障する公的扶助制度である「生活保護」。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、生活保護受理件数が昨年度に比しあまり増えない想定外の状況となっている。

■ 生活保護制度について
世帯の人数や年齢等をもとに、厚生労働大臣が定めた方法により計算した月毎の費用(最低生活費)と世帯の収入・資産とを比べて、世帯の収入・資産が最低生活費より少ない場合に、足りない費用について給付を行う制度

■ 令和2年名古屋市生活保護受理件数の推移(昨年との比較)
3月 646件 (561件) 増加
4月 652件 (513件) 増加
5月 584件 (582件) 維持
6月 631件 (546件) 増加
7月 581件 (680件) 減少
※ 生活保護面接件数もほぼ同様の推移

リーマンショックの際には区役所の保護窓口に行列ができるなど、生活保護制度のあり方が社会問題になるほど混乱したが、新型コロナウイルス感染症感染拡大時においては、景気がよかった昨年度と比べ生活保護受理件数に大きな変化は生まれていない。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業や失業した人向けの各種生活支援資金制度が周知されたこともあるだろうと思われる。

一方、愛知県労働局が企業から聞き取った「業種別にみた解雇等見込み労働者数、雇用調整の可能性がある事業所数(8月28日集計分)」をみると、愛知・名古屋の産業を支える根幹である「製造業」で7,918人の解雇等見込み労働者数が報告されている。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に一定のめどが立たない限り、秋口以降、製造業を中心に、宿泊業、飲食業、小売業等などで雇用への多大な影響の出る可能性があり、一層の景気対策を進める必要性とともに、解雇された方々に対する生活支援制度の拡充が急務となりそうだ。
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横井利明
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