昨日から党の経済再生プランを届け、懇談にとまわっています。道民医連は社会保障、北商連では経済や税、北海学園大学・川村雅則教授とは雇用問題で、「失われた30年」による困難をどう打開するか、率直な意見を交わしました。
コロナ禍に物価高騰と、くらしも経済も打撃を受けています。そもそも新自由主義の経済政策のもとで「失われた30年」--雇用が壊され賃金は上がらず、重税のうえに貧しい社会保障・教育、下がり続けた食料・エネルギーの自給率--が続いたなかでの、コロナ禍と物価高騰でした。
くらしも経済も「良くなる」との見通しが、まったく見えない行きづまり。北海道は人口減少のもとで地域が成り立つかと、瀬戸際の状況もあります。新自由主義の経済政策とは、大企業の利益を最優先に、規制緩和や税の優遇を進めたこと。この大元に切り込むことが、どうしても必要です。道民医連の小内浩事務局長は、録画していたニュース番組を紹介されました。入院時の食事療養費は医療保険から給付されるのですが、消費税の引き上げ以外は、30年近く据え置かれているのです。物価高騰などに襲われながら節約を重ねてきた、釧路協立病院の実態を報じたものでした。
医師不足も顕著な北海道で、どう地域医療を守るのか。賃上げを進めることで地方部から人口流出となれば、さらにケア労働の担い手不足が深刻になる心配もあります。社会保障分野の位置づけを、国が思い切って高めることなしに解決できないと痛感です。介護保険も開始から23年、あらためて大元からの議論が必要と確認しました。
北商連・岡田義輝会長からは「いまや五公五民。かつてなら自民党政権はもたなかったし、もっと怒りの声をあげないと」。「失われた30年」は、消費税導入(1989年)からの歴史に重なります。重税に加え、強引な税務調査があることや、税務相談停止命令制度も話題になりました。国際的には納税者権利憲章が制定されているのに、日本は「税はお上が決めるもの」という徴税姿勢がありありです。一方で大企業には税の優遇措置が続けられ、富の偏在が著しくなりました。財界の利益最優先で、庶民や業者には搾り取るように厳しい政治を変えようと、私からも話しました。
北海学園大学・川村教授からは非正規雇用について、「有期雇用と待遇改善はそれぞれ法整備などがされてきましたが、このプランのようにまとめていく方向は良いのでは」。なるほど、このような位置づけで考えればいいのかと私のほうが学ばされました。雇用や賃金でのジェンダー平等、過労死や長時間労働の根絶にも話が及び、「この30年は、雇用の岩盤規制が壊されてきた30年でした。ここからの転換が必要ではないでしょうか」との話に、私も心から同意。川村教授からは、会計年度職員問題について日本共産党地方議員のネットワークをいかしてもらえれば、との要望もいただきました。
どの分野も30年分の歴史を振り返っての話ですので、とても内容が深い。明日も各団体をまわります。
【今日の句】これ以上 搾り取るなと 声にして