我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
敬老の日にちなみ、我孫子市から百歳以上のご高齢者数の資料をいただきました。
我孫子市では100歳以上の高齢者数は80名(男性8名、女性72名)とのことです。
最高齢は男性・女性ともに109歳。
末永くいつまでもご健康でお過ごし下さるよう、私も出来る限りのお手伝いをしていきたいと思っています。
さて、往復通勤時間が毎日約3時間半~4時間かかるため、毎日本を読んでいます。
今日はブログではこちらの本をご紹介します。
「こどもホスピスの奇跡」石井光太さん著
日本初の民間こどもホスピスの「TSURUMIこどもホスピス」(大阪市鶴見緑地)ができるまでの実話です。
日本には小児がんなど難病の子どもが15万人おり、そのうちの2万人が命を脅かされています。
私が大好きな作家・山崎豊子さんの「白い巨塔」のモデルにもなった権威主義が行き過ぎたことで批判された阪大病院の小児科の医師、母子保健総合医療センターのNICUで働いていた医師らが、延命のために苦しい治療だけを無理強いすることが正しいのか、短くても充実した人生を送らせてあげることが重要なのではないか、と子どもたちの死に直面し、両親などとのやり取りを通して、もがき、小児医療の先端をいくイギリスのホスピスをモデルとした民間にこだわったホスピスを作り上げていきます。
特に心に残ったのは医学部を目指す高校生の久保田鈴之介さんの行動。
悪性腫瘍で入院していた久保田さんは病院内で勉強できる仕組みがないことから、当時の大阪市長であった橋下徹さんに市役所のホームページの「市民の声」から連絡しました。
すると橋下さんから直接返事が来て、すぐに橋下さんが当時の府知事の松井一郎さんに連絡し、大阪府教育委員会で長期入院をしている難病の高校に対する支援策の検討を求め、病院に非常勤講師を派遣する学習支援制度を年内にまとめ、4月から開始となった、というエピソードです。(※府立高校なので府教委所管)
その後、実際に久保田さんがこの制度を利用してみると、講師派遣の日が必ずしも副作用などにより体調が良いわけでもないことから、病院内に院内学級を求め、ネット活用した学習支援が導入されました。
久保田さんはセンター試験の10日後に亡くなりました。
しかし、彼の行動は同じ状況で不安を感じている多くの患者を救いました。
このホスピスが民間にこだわったのは、あまりにも病院は縛りが厳しく、子どもが伸び伸びとできないことにあります。
建設費用についてはユニクロが多額の寄付をしています。
ユニバーサルスタジオジャパンはチャリティーイベントで集めたお金で大阪市総合医療センターに子どものための緩和ケア病室をつくり、難病の子どもたちをユニバーサルスタジオに招待するといった活動をしています。
民間企業の活動もよく知ることができました。
そして、初めてだらけのホスピス運営の中、亡くなる子どもの連絡を受けたスタッフの方々の心の葛藤には胸を締め付けられました。
私がこの本を県議会図書館で手に取ったのは理由があります。
昨年、千葉県のライオンズクラブで「子どもの未来応援委員会」にて役職をいただき、まさに県内高校に籍があって難病などで長期入院をせざるを得ない生徒へロボットを活用した学習支援を県教委に提案し、当時の千葉県のライオンズの三役とともに熊谷知事に要望し、昨年9月定例千葉県議会で取り上げ、実現したことがきっかけです。
令和5年度9月定例千葉県議会 代表質問
この本を読んで改めて思いました。
やはり、政治はこういうことの為にあるんだと。
最後にお伝えしたいのは、ホスピスは必ずしも死を看取る場所ではないということ。
利用者の中には余命宣告されている患者をもいますが、一生寝たきりの子どもや、入退院を繰り返している子ども、様々な病状の子どもがいます。
ホスピスはあくまで子どもが子どもとして幸せになれる空間を目指しているのです。