我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
引き続き、我が会派の代表質問について、お伝えしていきます。
私が今回の代表質問で特に力を入れた分野が防災・減災対策と外来水生植物対策、児童生徒の熱中症対策であり、今日のブログでは防災・減災対策について共有します。
今回は以下の通りです。
(1)賃貸住宅の耐震化を推進(須永議員担当)
(2)視覚障がい者・弱視・識字困難者等へのハザードマップ等の災害対策情報の伝達手段の確保(水野担当)
(3)市町村が設置する遺体収容所等の運営(水野担当)
【賃貸住宅の耐震化を推進】
阪神・淡路大震災では、特に10代や20代の若者の犠牲者が多かったことが注目されました。
その主な原因は、安価な古い木造アパートに住んでいた大学生や若い社会人が、建物の倒壊や火災で命を落としたためです。当時、耐震性が不十分な建物の賃貸は大きな問題とされ、須永議員が行政としても賃貸住宅の耐震化を推進すべきであり、県としてもという視点で質問を行いました。
県からの答弁は
●耐震相談会の開催やSNSで所有者への普及・啓発
●耐震化を推進するためには、耐震診断を行うことが必要であることから、千葉県では市町村が賃貸住宅の耐震診断に対する支援を行う場合に、その経費の一部を補助している。
今後、未活用の市町村に対し、担当者会議 などの場で、当該補助制度の活用を促す。
という答弁にとどまりました。
【視覚障がい者・弱視・識字困難者等へのハザードマップ等 の災害対策情報の伝達手段の確立】
私は従前より、視覚障がい者の方々と連携させていただいていることは様々な媒体でお伝えしているところです。
人間が受け取る情報のうち、8割は視覚からの情報ということからも、災害時には視覚障がい者は周囲の状況も確認できず、大きな影響を受けます。東日本大震災で亡くなった障害者の死亡率は住民全体の死亡率の2.5倍と言われており、日頃から本人、行政等周囲がいつ発生するかわからない災害対して備えておくことが重要です。
自助による対策が困難な視覚障がい者にはハザードマップ等の地図の災害対策情報が伝わりにくい現状があり、当事者から不安の声があがっています。
課題解決の手段として、「耳で聴くハザードマップ」を導入している自治体が増加しており、来年度予算に向けて、複数の自治体が前向きに捉えていることが各議会の答弁でも明らかになっています。
『耳で聴くハザードマップ』レクチャー
質問:ハザードマップ等の災害対策状情報が伝わりにくい視覚障がい者・弱視・識字困難者等に対し、今後、千葉県はどのように対応して行くのか。
熊谷知事からの答弁は以下の通りです。
●市町村向けの手引きにおいて、避難行動要支援者等の個別の事情に配慮した情報伝達手段の確保を求めるとともに、視覚障がい者への伝達手段として、音声対応のハザードマップ作成や防災行政無線の個別受信機導入などへの財政支援を行っている。
●スマートフォン等で閲覧できる国のハザードマップには、災害リスクや発災時に取るべき行動などの情報が掲載されていることから、文字から音声に変換して読み上げるソフトを併せて利用することにより、これらの情報を耳で聴き取ることが可能となることを県としても周知している。
●今後、研修会などの機会を通じ、先進的な取組事例を市町村と共有するなど、視覚障がい者を含め、誰もが防災情報を入手しやすい環境づくりに努める。
いつ発生するかわからない災害に対し、障がいのある方々の不安を少しでも払拭できるよう、各団体と協議をしながら、行政ができる支援を促していきたいと思います。
【市町村が設置する遺体収容所等の運営】
大規模災害発生時には、県内各自治体の地域防災計画に基づいて、遺体収容所の迅速な設置と適切な運営が求められています。
しかし、遺体収容所の指定・公表は義務付けられているわけではありません。
そのため、遺体収容所について市町村が選定していなかったり、地域防災計画に掲載をしていない場合もあります。
質問:市町村が設置する遺体収容所等の運営について、県としてどのように取り組んでいるのか。また、今後市町村に対してどのように支援していくのか。
答弁:
●県では、遺体収容所等設営に関するガイドラインの作成や警察や医療機関などと連携した訓練を実施してきたほか、関係部署で構成するワーキンググループを設置し、市町村の遺体収容所等の選定状況を把握するとともに、その課題等について検討しているところ。
●遺体収容所等の選定がなされていない市町村もあることから、災害時に円滑に遺体収容所等の運営ができるようガイドラインの見直しを含め、市町村の取組を支援していく。
答弁によると選定をしていない市町村もあるとのこと。
我々が調査した限りでも、市町村のこの課題意識の差は大きなものがありました。
例えば、香取市はきめ細かく選定し、公表しています。
しかし、選定すらしていない市町村もあります。
大規模災害発生時は臨機応変に対応しなくてはならず、平時にできることは行っておくべきです。
遺体収容所等を選定していない市町村に対し、その選定を促すとともに運営訓練等の実施を勧めていくべき、という再質問を行いました。
県からは、遺体収容所等の運営を担う市町村に対して、その選定 や運営訓練の実施などの取組を促していく、との答弁がありました。
昨年の九都県市合同防災訓練では、千葉県と我孫子市が主催し、我孫子市民体育館で多数遺体取扱訓練が行われました。
この訓練について、代表質問でも言及しましたが、大変重要な訓練のひとつであると思います。
ご遺体が運ばれてきた際に、死者・ご遺族に礼を欠くようなことがあってはならず、遺体収容所等については選定する際の考慮条件やご遺族への対応、手続き等について十分な配慮が必要であることから、千葉県としても市町村との連携が重要であることを強調しました。