第1152号 103万の壁・130万の壁

 総選挙後初の本格論戦となる臨時国会は12月初旬に召集が見込まれています。そこで大きな争点となるのが、税制改正、とりわけ「103万円の壁」の問題です。

◆現役世代の手取りが増える
 収入が103万円未満なら所得税がかからないため、節税目的で就業調整しようという労働者が多数いることは、女性の社会進出の遅れや人手不足に拍車をかけていると言われてきました。

 また、人的資源を有効活用できていないため、経済成長にとってもマイナスになっているとも指摘されてきました。

 この問題に対して、税の基礎控除を引き上げることで、時間を調整せずに働いてもらうことを可能にしようという案が、話し合われます。また、基礎控除を引き上げると、普通の収入の労働者にとっても手取りが増えるという恩恵が生じます。

 今までの103万円の壁は、もともと、専業主婦世帯が多数であった時代にパートタイムによる年収を想定した制度であり、物価や最低時給も大幅に上がった今、壁を引き上げるのは当然だと考えています。

 さらに、103万円の壁を引き上げるだけでは足りません。社会保険料負担が生じる「130万円の壁」の是正を同時に行わなければ就業調整は改善されませんし、むしろこちらが本丸です。 立憲民主党は、当面の緊急経済対策として、社会保険料負担の発生による収入の減少分を補填する形で給付を行う制度を提案しています。

◆財務省の反発
 実質減税となる壁の見直しについて、少数与党となった石破政権も歩み寄る姿勢を示していますが、財務省を始めとした財政規律重視派には根強い反対論があります。

 仮に所得税と住民税の基礎控除を現行より75万円引き上げた場合、国と地方の合計で年約7.6兆円の税収減になる見通しで、財政の悪化が懸念される、基礎控除を引き上げると、高所得層の減税幅が大きくなる、といった反論が政府や財務省に近い筋から盛んに流されており、減税や給付に対する警戒感が強く見られます。

 しかし、こういった慎重論は、結局今までの税制を神格化し、大衆増税を繰り返すことで、既得権益を温存したい勢力のたわ言に過ぎません。

 労働者の賃金は伸び悩み、負担が増すばかりで、国民所得における負担の割合を示す国民負担率は、すでに50%に迫っています。いくら働いても使えるお金が増えない状況を変えなければ、国民生活は向上しません。大衆増税を止め、逆に減税や給付で負担軽減を行い、経済を活性化させて賃金上昇につなげることで、労働者の手取りを増やすことが必要なのです。

◆代替財源案
 財務省は財政悪化を強調しますが、代替財源案は多数あります。

 例えば2022年度の税収は当初見込みより約6兆円増えており、23年度は約2.5兆円増える見込みです。税収の当初見込みからの増加分と、減税による経済活性化効果で、壁見直しによる減収分は一定程度相殺することが可能だと考えられます。

 また、日本の税制は富裕層に有利な制度となっており、年収1億円を超えると所得税の負担率が実質的に下がる「1億円の壁」の問題があります。税収減を問題とするならば、庶民を痛めつけるのではなく、富裕層へ負担をお願いすることを検討すべきです。

 そして、法人税での代替財源確保も検討の段階にあります。段階的に引き下げられてきた法人税率を23.2%から引き上げ、最終的には 30%台にすることと、様々な租税特別措置を見直すことで、5兆円程度の増収は十分可能です。

 自民党歴代政権や財務省のように、出来ない理由ばかりを挙げて改革案をつぶすのではなく、智恵を絞って新しい代替案を示し、着実に実行する。それが今回の総選挙で示された民意だと考えます。

 

スタッフ日記「トローリング」

 久しぶりの休日、何をしようかと考えていると和歌山の姪からラインで「旦那が新しいクルーザーを買ったから明日トローリングに行こ!」という連絡がありました。

 半年ぶりのトローリング、前回はマダイ、ビンタ(キハダ)ばかりで狙っていたカジキはダメだったので、今回こそ2m級100㎏以上を釣るぞ!と前日から気合満々でその夜はあまり眠れませんでした。

 朝の2時に出発して4時半に港に着きましたが、そこからが大変でした。天気は良かったものの海が荒れていてトローリングポイント迄の3時間、船酔いでダウンしてしまいました。

 ようやく到着して、いよいよカジキとの戦いです。

 釣り始めて40分。1本目に釣れたのはマダイ。普段は60センチ級のマダイなら喜ぶところですが、今回の狙いはカジキです。2本目、3本目、4本目…。今日もダメかと5本目、ヒットしました!

 2年ぶりのカジキとの再会ですが、釣り上げるまでは気が抜けません。悪戦苦闘で約2時間、最後は2人がかりで上げました。サイズは約2m、135kg!やりました!!

 すぐに港で待つ家族や友人に連絡して海鮮BBQの用意を依頼し、急いで帰港。その夜の宴会料理は海鮮尽くし、伊勢海老、アワビ、サザエ、ウニ、クエ、マダイ、ヒラマサ、もちろんカジキも!10種類以上の海の恵みと仲間たちと呑む酒は最高の贅沢で幸せな時間でした。

 翌日は和歌山の従妹が経営する寿司店で仲間たち15人で昼から集まり寿司三昧。夕方には帰路に着く予定でしたが今年88歳になる叔母に引き留められ2泊3日のプチ旅行になりました。  (ブースカ)

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