我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
現在も2月議会継続中ですが、この連休は地元・我孫子市に戻り、市民団体の勉強会に参加をさせていただいたり、我孫子市の様々なイベント等に出席しております。
また、同時に市民の皆様方からご相談いただいている現場確認等を行っております。
前回のブログで千葉県におけるナガエツルノゲイトウの分布状況をお伝えしましたが、大変大きな反響がありました。
また、多くの方にブログやHPを見ていただいたようで、なかなか票に直結しないとされている環境問題に積極的に取り組んでいるということで、多くの励ましのお言葉を頂戴しました。
私は全人類に影響を与える環境問題については24年前の大学時代から取り組んでいまして、県議会でも気候変動について積極的に質問をしています。
ちなみに大学の卒業論文も環境問題です。
ということで、地域で環境活動を中心に活動されている団体の皆様とは連携しながら、活動させていただいています。
特に私の住む我孫子市には手賀沼があり、外来水生植物対策や自然環境の保全について千葉県議会では必ずと言って良いほど、質疑を行っています。
現在、会期中の2月定例県議会における手賀沼関連の代表質問のやり取りは以下に掲載しています。⇓
この3連休もすでに次の議会に向けた勉強会・研究調査に入っておりまして、お誘いいただきました【美しい手賀沼を愛する市民の連合会】の自然環境保全対策と観光振興政策の両立勉強会に出席いたしました。
神奈川大学の諸坂佐利先生による3時間を超える講義とディスカッションで、非常に勉強になりました。
私が所属しているアルバトロスヨットクラブをはじめ、手賀沼に関わる多くの団体の代表の皆様、我孫子市や松戸市の職員、そして私(県議)と我孫子市議など地元議員、それぞれの立場の方々が一堂に会して手賀沼のあり方を共有し、大変有意義な勉強会にお招きをいただいたことに改めて感謝申し上げます。
今回の勉強会で強調されていた重要なことは『自然環境』あっての『観光振興』であるということです。
例えば手賀沼も、現在千葉県では水質改善や外来水生植物対策に大変力を入れていただいているところですが、せめて今の自然環境が保持された上で観光と両立させていくべきということです。
私も県議会で全体的な課題点として今議会の代表質問でも指摘をしましたが、行政の縦割り組織がひとつの弊害となっているのではないか、というお話しを勉強会でさせていただきました。
例えば、千葉県の担当部署で申し上げると、手賀沼の環境問題は『環境生活部』ですが、駆除活動や水面利用のルールなどとなると『県土整備部』、観光となれば『商工労働部』など、総合的に手賀沼のことを考えていかなくてはならない時に、それぞれの状況や目指す形が各部署で共有されているのか、整合性がとれているのか、ということです。
今議会でも私の質問に対し、「手賀沼の在来種が減少している」という明確な答弁が副知事からありましたが、『自然環境に配慮した』水面ルールや観光政策にしていかなくてはならないはずなのに、「連結されていない」=「両立していない」という問題です。
この課題は令和5年9月定例会の代表質問でも取り上げました⇓
水野発言
『次に、縦割り行政による弊害について質問をさせていただきます。熊谷知事就任から2年が経過いたしましたが、県のこの大きな組織を変えていくのは多大な時間と労力がかかりますし、何よりも、管轄意識を強く持つ職員の意識改革が肝になるであろうと推測いたします。時代の流れとともに、県政の課題は複雑化、かつ多様化しており、1つの部局だけで解決できない事案も多く存在します。本日、我が会派がこれから質問させていただく盛土問題や外来水生植物対策、生理用品の無償提供等も、複数の部局にまたがる課題です。民間では数分で解決するようなことであっても、協議に大変な時間を要し、それぞれの部局が入れ替わり立ち替わり自分の所管外であることを主張され、過剰な縦割り意識と押しつけ合いを目の当たりにし、県民へのサービス低下を大変懸念しているところです。
また、最初は1つの部局で完結していた事案であっても、外来水生植物のように、環境問題にとどまらず、後々河川の排水や農業への影響などに発展することもあり、平時より部局横断的に情報交換を行い、スピード感を持って、それぞれが協力し合いながら解決に導くことが求められるはずです。組織の中でセクショナリズムが横行すると、他部門へ非協力的となり、さらには組織全体を見渡せなくなり、目的を見失いがちとなります。』
令和5年9月定例会代表質問
会期中の今議会では私のどのように部局間連携をするようになったのか、という質問に対し、熊谷知事から以下の答弁をいただいています。
【熊谷知事答弁要旨】
●多様化する行政課題への対応に当たっては関係所属間の連携が必要であることから、研修等によりチームマネジメントや連携意識の醸成を図っている。
●部局間にまたがる事案が新たに発生した場合、初動時においてはビジネスチャットも活用し、関係所属間で情報共有や対応を協議しているほか、各部の次長等により政策調整を行っている。
●全庁的な連携を図りながら、他部署への貢献意識を持って職務に従事し、新たな行政課題に対して迅速かつ的確に対応 していく。
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今回の手賀沼の勉強会においても、観光という側面から千葉県で導入を目指している『宿泊税』についてもご紹介させていただきました。
千葉県では1人1泊あたり150円の宿泊税を導入する方針を決め、年間40億円余りが見込まれる税収を観光業に活用することとし、税収として見込まれる約42億円のうち約11億円を市町村に配分し、地域のにぎわいづくりなどに活用してもらう想定をしていますが、反対もまだまだあります。
私も反対されている宿泊業者の皆様からたくさんのお声を頂戴しており、県内の一部市議会でも問題視されている状況です。
私の今議会での宿泊税に関するやり取りをお伝えします。
水野質問:
先の12月議会で熊谷知事は、千葉県に宿泊税を導入する方針を明らかにしました。宿泊税は観光振興目的にそのまま活用される法定外目的税であり、 観光振興予算を直接増加させるものとなります。
千葉県が提示している基本的な内容としては県内統一の1人1泊150円の一律定額制とし、免税など課税条件は原則設けず、各市町村が独自に上乗せをすることができるというもので、想定される税収は、年間40億円余りに上るとのことです。
一方でこの「千葉モデル」に対し、宿泊事業者向け説明会参加者アンケートでは「反対」もしくは「どちらかと言えば反対」が32.8%となっており、県内の複数の民宿組合などは連名で県へ要望書を提出するなど、それぞれがそれぞれの立場で見直しを求めており、今後、宿泊税を導入する意義について十分な説明と意見交換等が必要であることは間違いありません。
県はなぜ宿泊税を導入することとしたのか。
副知事答弁:
感染症の拡大により観光ニーズが多様化するなど、観光・宿泊業界を取り巻く環境が大きく変化しました。 そのような中で、人材の確保・育成・定着やインバウンドの受入環境の整備、デジタル技術の活用など課題が山積しており、それらを迅速に解決する施策を展開していくためには、多額の安定した財源を確保していくことが必要です。
また、半島という特殊性を抱える本県の場合、 全県的な観光振興を図っていくためには、個々の地域だけでなく、広域的な取組を促進していく必要があります。
このことから、広域自治体である県が主体となって、宿泊税を導入することとしました。
水野質問:2点目は、観光地以外の地域にこの宿泊税の税収をどのように波及させていくのかについてです。
ビジネス客が中心の宿泊事業者や、いわゆる観光地ではない地域のメリットについてどう考えるのか。
副知事答弁:宿泊税を導入して広域的な観光振興を図って いくことは、特定の地域・施設だけではなく、広く県全体に様々な効果が生じるものと考えております。
例えば、ビジネス客が中心の宿泊施設においても、インバウンド対応の強化やデジタル技術の活用により、集客増や生産性の向上を図ることができます。
また、これまで観光地としての魅力の乏しかった地域でも、新たなコンテンツの造成や観光地との周遊ルートの開発などにより地域経済の活性化につなげることができると考えております。
こうした取組が促進されるよう、宿泊税の使途については、十分な検討を行ってまいります。
水野質問:3点目として、市町村との連携についてです。県は先週1月23日に宿泊税制度の詳細の検討にあたり市町村等の意見を聴取するため、市町村向け意見交換会を開催しました。より市町村や宿泊事業者の立場に立った丁寧な説明と制度設計の再考が必要であると感じます。
今後、市町村との意見交換をどのように行っていくのか。
副知事答弁:県では、これまで有識者による検討会議での議 論の状況を随時公表するとともに、会議の検討結果について説明会を開催するなど市町村への情報提供を行ってきたところです。
また先週、市町村向け意見交換会を開催し、改めて県が宿泊税を導入する意義について説明するとともに、御質問や御意見の多かった事項である市町村等への支援方法について、宿泊者数や観光客数に応じて交付金を配分することなど、基本的な考え方をお示ししたところです。
意見交換では交付金について、算定方法が明確であり安定財源として見込みやすいという点を評価いただいたほか、上乗せ課税を検討する市町村に配慮し、導入までに十分な時間を確保してほしいとの御意見などがありました。
こうした意見も踏まえ、引き続き、市町村等に丁寧に説明し、適宜意見交換を行いながら制度の詳細を詰めてまいります。
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つまり、本日のブログで何が言いたいかというと、皆さんそれぞれの立場があり、一方を進めれば他の分野が蔑ろにされる可能性も含み、それぞれの立場の方々が目指すべき大きな目的や問題を共有して最適解を見出していくことがいかに大切であるかということです。
それが自然や環境問題となれば、懸念する声があがるのは至極当然のことであると認識しています。
宿泊税についても、観光地でない地域やビジネスホテルにとっては意味を見出せない、観光に特化された目的税を市町村に配分された場合、どのように活用していくのかなど、まだまだ議論していかなくてはなりません。
あらゆる場面で開発や企業誘致、観光政策が進んでいく中で、第一義的に優先されるべき地域住民と歩調を合わせながら、それぞれの想いを「連結」させて、政策を前に進めていくことが何よりも肝要です。
諸坂先生から市民団体の皆様へさすがのご提案がありました。
「日本の市民団体は行政に要望するだけ。それでは住民自治とは言えない。要望書も確固たるエビデンスを付随させ、あらゆる団体を巻き込み、行政が動かざるを得ないところまで住民が動かないといけない。」
自然環境保全対策と観光振興政策の両立の勉強会/観光政策『宿泊税』を考える~水野代表質問より~
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