選挙のセオリーからするに、このままだと斎藤元彦が勝ちかねない状況に追い込まれています。これは明確に、稲村和美選対の選挙戦略が間違えているからで、後半の1週間でどれだけ戦い方を変えられるかが勝負となってまいります。
なぜ斎藤元彦が応援されるのかと言えば、「マスコミと戦う」「批判と戦う」「利権と戦う」という姿勢を打ち出すことができているからで、実際にはマスコミはちゃんと報じているし、県職員がお亡くなりになっているという結果だけをもってしても批判されて当然ですし、「利権と戦う」に至っては、阪神の優勝パレードや大阪万博の対応などを見ても、むしろ「現職として利権を作り出してきた側」にもかかわらず、「自分の改革に反対する県議たちのクーデターだ」と表現し、こうしたことと戦っているような姿を見せることで、「#斎藤元彦がんばれ」のアホを大量発生させています。
一方、稲村和美陣営は何をしているかと言うと、相手候補の批判をせずに堂々と戦うという選択をしています。これは一見、最も票を取れそうな気がするのですが、実際は、そうとは限りません。こちらが現職であれば、あえての「横綱相撲」という戦い方もあるかもしれませんが、今回は横綱相撲では勝てません。理由は明確で、今回の相手は「勝つためなら立花孝志を利用してデマを拡散してでも勝とうとしている」からです。
そして、これが成功してしまうと、立花孝志は「相手の誹謗中傷を撒き散らすモンスターマシーン」として、今後もさまざまな選挙に立候補して、同じことを繰り返すようになるのではないかと思います。これを食い止めるためにも、稲村和美陣営には「相手を垂直に批判する」ことに全振りをしていただきたいのです。
僕の頭の中でイメージしている選挙戦術というのは、相手の作戦をどう無効化して、こちらの主張を届けるか。これに尽きます。相手が何も仕掛けていないのであれば、そのまま自分の政策を語るだけで勝てるかもしれませんが、今回はさまざまな仕掛けをされているにもかかわらず、まったく対応できていませんので、斎藤元彦陣営の作戦だけが有効となり、その差はどんどん縮んで、いずれ逆転される運命になります。
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