第1050号 ミサイルからの避難?

 北朝鮮のミサイル発射が9月25日から10月9日にかけて7回に及び、「連射状態」の中、日本の安全保障は大丈夫か?という声が高まっています。

◆なぜ撃ってくる?
 北朝鮮の意図は、ウクライナに気を取られるアメリカの隙をついた威嚇、日米韓共同訓練への反発など様々な意見がありますが、要は長期的なミサイル整備計画に沿ったもので、アメリカとの交渉道具を確保しておこうとするものであって、特に目新しい動きではありません。

 北朝鮮にとっては、今は中国との貿易などでコロナ以降落ち込んだ経済を立て直さなければならない時です。

 彼らは万が一アメリカと戦争になれば滅びるのは自分たちということを良く理解しています。よって、北朝鮮がここからさらに戦争の瀬戸際まで挑発をエスカレートさせることは無いと考えます。

◆中国が台湾に攻め込む、か?
 北朝鮮の動きと連動して、「中国が今にも台湾に攻め込むぞ!」と煽る一部の政治家や自称専門家もいますが、これも現実的ではありません。

 本当に台湾、そしてその裏に構えるアメリカと「やる気」なら、中国は1兆ドル近く保有しているアメリカ国債を、紙くずになりかねない、と真っ先に大幅処分するはずです。そうしないと中国国内の経済が大混乱をするからです。しかし、そのような動きは見られません。

 また、人口2000万人を超える離島の台湾に攻め入るためには途方もない規模の上陸艇や兵員が必要となりますが、現時点で中国にその能力はありません。

 だからと言って放置は出来ませんが、東アジアで今にも戦争、というのは単なる煽りで、冷静に聞き流しておかなければならないでしょう。

◆日本の軍備増強は?
 北のミサイルへの対処として、「敵基地攻撃能力を保有せよ」、「防衛費倍増」などの鼻息の荒い主張がありますが、今必要なのは、まずはミサイルから国民を守るための冷静な検証です。

 北のミサイル発射台は移動式で、今回は貯水池の水中から発射されたものもありました。単純に基地を殲滅すれば済むというものではありません。

 また、4日のミサイル飛来の際には、政府が肝いりで進めてきたJアラートが、誤って東京都の島嶼部に発令されるミスが発生しました。この時、東京の大島町でミサイルからの避難施設に逃げ込んだ人は1人もいませんでした。

 朝の出勤時に、ミサイル警報が鳴ったので避難施設に逃げ込んで下さいなどというのは非現実的ですし、そもそもミサイルからの避難施設ってどこにあるの?という人がほとんどでしょう。突如警報だけ鳴らして避難は国民の自己責任で、というなら茶番に過ぎません。

 また、消費税減税を主張すると決まって財源は?という反論が返ってきますが、なぜか防衛費だけは財源は示さずに倍増を前提とする議論が進んでいます。

 防衛費のために生活の質を落とさざるを得なくなる可能性を示さないのは無責任な議論です。

◆野党の有事政策
 一方、野党は安全保障に反対してばかりではないかというお叱りは根強くあります。それは重く受け止めていますし、勇ましいばかりではなく、また、非現実的な平和主義ではない「リアルな」防衛政策を打ち出さねば国民の支持は得られないと自覚しています。

 今、私は元自衛隊の制服組の方や有識者との勉強会を重ね、自衛隊の指揮命令系統や情報収集能力、装備の現状、有事の際の避難等について検証を進めています。

 挑発に乗って力を誇示することだけが国土や国民生活を守ることにつながるわけではありません。真の意味で国民を守ることのできる「リアルな」政策を練っていきます。

 

スタッフ日記「わがふるさとの四季」

 初めまして。私はこの度ご縁を頂き、事務所でお世話になります。

 この馬淵NEWSをお読み頂いている皆様と時間を共有したいと願っています。

 では、私が生まれ育った「ふるさと」を紹介します。

 子供の頃は交通の便も悪く、田舎暮らしはそんなに好きではありませんでした。

 でも、歳のせいか最近は懐かしく思い訪ねる事があります。今や、田畑は休耕田となり、思い出の景色も無く、鹿が戯れるのどかな雰囲気ですが、ここにも過疎化が進んでいます。

 皆様も山里の四季の移り変わりを暫し、目に浮かべて下さい。

 春、高い山からの湧き水が一つになって流れ落ちる川の音、小鳥の囀り、山桜、道にはタンポポ、蓮華、すみれと色彩豊かにお出迎え。

 夏、緑豊かな針葉樹、川には小魚が泳いでいて涼しげ。

 秋、山全体が紅葉、欅、楓などの落葉樹・広葉樹のグラデーションが素敵。山柿も晩秋から初冬にかけ鳥たちの餌に。風流で自然の恵みに感謝。
 冬、幼少の頃は一面銀世界、山を眺め降る雪を子供心に心配。近頃は雪の量も減少、地球温暖化の影響かな?
私の癒しの場所
 山の中腹に鎌倉時代に造られ、1200年の時を刻む長い石段が見えます。その石段を登りきると佛隆寺(ぶつりゅうじ)です。
 佛隆寺は嘉祥3年(西暦850年)空海の高弟、堅恵が創建した真言宗室生寺派の寺院。大和茶発祥の地としても、伝えられています。
 春は千年桜、秋には曼珠沙華が咲きみだれ、時間が止まった様な心地がします。この頃はハイカーが多数訪れます。皆様も癒しの時を持ちませんか?(みや)

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