第961号 濃厚接触者として自宅待機

 私は、11月下旬、新型コロナウイルスの陽性反応が出た方との「濃厚接触者」と認定されました。2度のPCR検査結果は陰性でしたが、保健所の指示に従って5日まで自宅待機を行いました。

◆検査システムの非効率性
 一連の検査までの過程で、医療関係者や保健所職員の皆さまがコロナ対応に大変なご苦労をされていることを目の当たりにしましたが、一方で濃厚接触者に対する行政検査システムの非効率性にも気づかされました。

 保健所の指示と調整の下に行政検査を行うと、医療機関との連絡や結果報告等に手間がかかり、検査結果が判明するまで数日間、接触者も不安なまま待たされることになります。一方、民間検査は即日結果が判明するところもあります。

 私は、行政検査に時間がかかると言われたため、まずは民間のPCR検査を受け、即日陰性との結果を得ました。行政検査であれば検査費用は無料ですが民間検査は高額で、まだまだ手軽に利用できる体制にはなっていません。感染症対策の検査はあくまで、保健所が中心となった行政検査が主体となっています。

 私が従来主張しているように、行政が濃厚接触者の認定やPCR検査の実施の権限を握っているため、関連する機関に過度の負担がかかり、民間医療が活用できていない実態なのです。行政主導で検査を行うことの限界と、民間検査への公費支援による充実を訴えて参りましたが、今回当事者として改めて実感することになりました。
 
◆陰性確認で社会活動を
 さらに、当事者となって強く感じたのは、濃厚接触者への対応のあり方です。陽性判定者には、接触制限と療養要請もしくは入院措置は感染防止の観点から当然ですが、検査数を抑制し、陰性でも濃厚接触者に自宅待機を要請することは合理的とは言えません。「不要不急の外出を避ける」とされていますが、その判断は行政によってばらつきもあります。私の場合は、食料品の調達など買物は許容されていましたし、公共交通機関による移動は控えることとされ、運転手による車移動は制限されませんでした。もちろん、自宅待機を徹底しましたが、陰性証明あっての自宅待機に、矛盾だらけの実態を垣間見ることとなりました。

 やはり、民間検査など複数の検査によって陰性確認が取れているのならば、濃厚接触者に2週間に及ぶ自宅待機は必要ないと考えます。年初のウイルス上陸時の水際対策の延長で決められた濃厚接触者対策が、現在も見直しが図られていないことに疑問を感じます。現に2日にはアメリカ疾病予防管理センターは、接触者の待機期間を7日間に短縮するガイドラインを発表しました。

 さらに、濃厚接触者認定は、行政の裁量が大きく、微妙なラインで認定されない場合には、逆に行政検査が受けられず、感染しているのではないかという不安だけが募ることになります。

 このように時間がかかるばかりで、非効率かつ不安を招く行政検査中心主義を改め、公費支援で民間検査を充実させ、いつでもどこでも簡単に検査を受けられ、陰性確認が取れる体制を作り上げて、「濃厚接触者」への対応を改善し、安心して社会生活を送って頂くことが必要だと身を以て感じました。

 ご心配とご迷惑をおかけしましたが、当事者としての経験を生かし、新型コロナ対策の抜本的見直しを訴えて参ります。
  
 

スタッフ日記「コロナ禍における教育支援」

 新型コロナによる支援策が日常生活や企業向けへと進められる中、大学生の声が取り残されている、そんな話を聞きました。

 感染拡大が始まった4月、全国の小学校から大学までの教育機関が休校に追い込まれる中、教育現場では三密を避けるため教育のICT化、オンライン授業が進められてきました。奈良市では、子ども達に一人1台のタブレット端末の貸与を進めるGIGAスクール構想のもと、全国に先駆けての9月29日には全市立小・中学校への納品が完了し、授業再開への大きな一歩としてネットワーク環境が整備されました。

 しかし、県外の大学へ進学する大学生にとっては、入学して半年を迎えた10月にやっとの初登校。週に一度の対面授業以外は全てオンライン授業や課題のみという実態を聞き、学生側からの声として授業の質に対し学費が見合っているのか、そんな疑問の声があることも理解できます。

 生活費をアルバイトで稼ぐ学生にとって、深刻な影響を受けている飲食店の現状から、学費に関する相談や生活に困窮しているとの相談は急増し、ある私立大学の調査によると13人に1人の学生が大学を辞める事を検討しているとの結果が示されました。奈良市では、コロナの影響で経済的に困窮する市内の学生を対象に、約100人を市の臨時職員として6月から募集したところ、市内の大学に通う対象の学生から多くの問い合わせがあったこともわかっています。

 コロナによって変革する大学のあるべき姿が、多くの学生にとって目の前の課題として、その声に直接向き合うことができる地方が、国よりも先手に取り組む姿勢に注目していきたいです。(特命係長)

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