第1075号 3万円と言うけれど…

 物価高が止まらない中、政府は住民税非課税世帯に3万円を給付することを閣議決定しましたが、またしても莫大な事務経費がかかったあげく、届くのは夏以降となりそうです。

◆繰り返される単発給付
 物価高で苦しい生活を強いられる世帯に給付を行うこと自体は必要です。しかし、コロナ禍で繰り返されてきた給付は、いつも面倒な申請や確認が必要で、しかも手元に届くのが遅すぎるという欠陥がありました。それは今回も変わっていません。

 今回、政府は5000億円の予算を確保し、低所得の世帯に3万円を配ろうとしていますが、そのための事務経費は、最大384億円と見積もっています。384億円もあればあと128万世帯に3万円を配ることが出来ます。
 
 また、昨年同じく5万円を給付する際に見積もられた事務経費は510億円でした。お金を配るたびに莫大な事務経費が消えていくのは無駄でしかありません。
 
 また、今回の3万円給付は、今まで国が先導して給付していた仕組みから、地方自治体が実施計画を作り、国がそれを審査する形へと変更されましたが、そのため自治体が混乱していると聞きます。

 そのため、今までも給付には時間がかかっていたのに、今回もまた給付は遅れ、多くの給付は夏以降になるとされています。

 今までの給付経験が生かされておらず、目の前の生活が苦しい世帯に、3万円ばかりの給付金を配るのに半年近くもかけていたのでは全く話になりません。

◆財務省が阻止した5万円
 しかも、今回、3万円給付という中途半端な支援になってしまったのは、財務省が5万円給付に反発したからです。

 財務省は5万円給付を阻止するために、5000億円の給付予算とは別に自治体向けの7000億円の支援メニューを用意し、2万円分は自治体が任意に追加給付すれば良いとして与党を丸め込んだと言われています。

 しかし、国が給付は原則3万円と言っている以上、それ以上追加で自治体が給付することは考えにくく、結局よく分からない事業者支援などに使われてしまう恐れがあります。

 また、自治体の裁量に任されれば、仮に追加給付が行われるとしても、例えば奈良市と生駒市で給付金額に差が出てしまうという不公平が生じる可能性があります。

◆再分配の仕組みは国で
 このように非効率で遅すぎる給付になってしまうのは、政府に継続的な給付システムを構築しようという姿勢が無いからです。

 すでに自治体は例年の住民税非課税世帯の情報を持っていますし、徴税の逆回しで給付を行う仕組みを作り上げれば迅速かつ継続的な給付が可能です。

 また、効率の点でも、例えば給付金相談のためのコールセンターの設置は各自治体ごとに行われていますが、これをまとめて経費を節減するなどの措置はすぐにでも取れます。

 こうした再分配の仕組みは、自治体任せにするのではなく、国が前面に立って作り上げる責任があります。しかし、内閣府・内閣官房内で継続的な給付システムの具体化の議論は行われていません。

 いつまでも数万円の現金をその都度単発で配る仕組みから脱却し、困っている方には迅速に当座をしのぐ給付が行える仕組みを作り上げることこそ急務だと考えます。それが社会のセーフティネットとなり、国民が安心できる生活へとつながっていくのです。

 

スタッフ日記「桜味って何の味?」

 スーパーで売っているかき氷シロップは、色が違うだけで味は全部同じ、という話を聞いたときは衝撃でした。同じ味なのに、緑はメロン、赤はイチゴの味がするのはどうしてなのでしょうか?

 さて、春先によく目にするのは桜味。日本人が好きな桜に春のワクワク感があいまって毎年のようにたくさんの「春限定・桜味○○」が登場します。でも、昔から気になっていました。

「“桜味”って何の味?」

 桜の花びらを食す機会は饅頭のアタマに練りこんだり、湯に浮かべて飲む「桜漬け」くらいしか私には思いつきません。

 しかし、桜漬けの製法を見ると、塩と梅酢で漬け込む、とあり、少し塩味が感じられるものの、全体的には甘みの強い桜味とはかけ離れているように見えます。

 同じことを考える人は少なくないようで、ネットにはたくさんの解説がありました。

 大まかに要約すると、桜味の正体は桜の葉に含まれる「クマリン」という風味の成分なのだそうです。

 つまり、桜味は桜味、というよりも「桜の葉っぱ味」ということになり、桜餅に関しても、味のメインは葉っぱということになります。

 巷に出回る桜味の食品のほとんどはほんのりかわいらしいピンク色をしていますが、味の本体に合わせるならば、桜味の食品はすべて緑色になってしまいます。

 ただ、かき氷シロップの例に倣えば、緑色にしたら桜餅の味が変わってしまう気がしますが、どうなのでしょう?

 また新たな疑問が生まれてしまいました。(シズ)
 

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