第1096号 給食破綻から見えるもの

 広島の食堂運営会社ホーユーの経営破たんにより、給食が提供されない学校が続出し、教育現場に混乱が起こっています。この問題は、単に一企業の経営上の失敗にとどまらず、衰退が続く日本の構造的問題の縮図と捉えるべきです。

◆安く、なるべく安く
 ホーユーの破たんは、食材費や光熱費などの急激な物価高に対応できず、経営環境が悪化したことが理由とされています。入札制度を採っている給食供給契約では、一定期間入札価格での提供が原則で、物価高による値上げを自治体に要求しても返答まで時間がかかり、さらに雀の涙ほどの値上げにしか応じてくれないという実態があります。

 これは、日本の多くの中小企業の実態と似通っています。長年にわたり、大手の取引先から出来るだけ安い値段で契約に応じることを要求され、原材料費や人件費などを削って事業規模を縮小していく中で、満足な投資や人材確保が行えず、経営が行き詰まるという構図です。

 ギリギリまで切り詰めてとにかく安くするため、無理にでも人件費などを削っていくという経営は、結局労働者にしわ寄せが行き、人出不足として跳ね返ってきます。そして、人出不足の企業は外国人技能実習生を極めて安く雇ったりしてしのごうとします。

 結果、安い賃金での労働が当たり前になり、消費は低迷、経済は成長できないという、日本の負のスパイラルが出来上がったのです。

◆学校の自治体間格差
 特に、学校のような子どもが利用する施設において、かけるべきところにお金をかけず、コストカットばかりを優先させるのは大きな問題です。

 子育て世帯に給付を行うことも必要ですが、その給付が必ずしも全て子どものために使われるとは限りません。ならば、真っ先に取り組むべきは、全ての子どもが恩恵を受ける給食のようなベーシックサービスの充実に、優先的に予算を配分することでしょう。

 また、給食のような自治体業務の場合、格差が発生してしまうことが問題です。奈良市では国の支援金を利用し、今年度の市立小中学校の2、3学期の給食費を無償化しますし、生駒市でも月によっては給食費が無償化されています。しかし、なかなか無償化を続けるというまでは、財政上、難しいのが現状です。

 東京都港区では区立中学校が修学旅行でシンガポールに行くことを決めたことが話題になっていますが、公教育において、自治体間で教育に大きな格差が生じることは避けるべきです。

 すべて国民はひとしく教育を受ける権利を有するというのは、憲法の規定です。給食も含め、充実した教育を受けられるように、国が一定の水準を保つための補助を行うのが筋です。

◆教育への支出が減っている
 教育に十分お金がかけられていないのは、行政のみならず家庭も同じです。

 物価高は家計を直撃し、今年7月の家計調査では、教育に関する費用が前年同月比で19.8%減となっています。

 子育て世帯が教育費を大幅に減らしているということは、相当家計が傷んでいることを意味します。家計の教育支出が苦しい時には、国が支援を行い、教育水準を維持しなければなりません。

 給食のみならず、国として、子どもたちの平等な学びの機会を保障するような施策を講じなければならないのです。しかし、そのために増税をしていては家計が更に傷み、元も子もありません。教育への投資のため、年数兆円単位の教育国債を発行すべきであり、それに対して国の借金云々の話は、全く当てはまらないと考えます。

 

スタッフ日記「真夏のBBQ」

 3年ぶりに沖縄から親戚の子達(と言っても40過ぎのオジさんとオバさん)が奈良に遊びに来ました。

 ホテルで会って彼らからの一言が、お久しぶり、とかご無沙汰です、ではなく、「なんで奈良が沖縄より暑いんですか」だったのは衝撃でした。

 しばらくは互いの近況を話していたのですが、せっかく沖縄から来てくれたので明日は何処かへ行こか?と尋ねると2人から、この暑い時期なのにBBQを提案されました。沖縄では友人が集まればビーチパーティー(海岸でのBBQ)で盛り上がるらしいのです。

 私はあまり乗り気ではなかったのですが、彼らの希望なのでやらなければと、近くでBBQのできる場所を探して予約しました。

 それからが大変!用意を今からするにも夜の9時過ぎ。どうしたものかと考えていると、親戚の子達が大丈夫です、夜中まで営業しているスーパーが近くにあるので行きましょう、と誰かに聞いたのかやる気満々。

 ニイニイ(沖縄方言で兄貴のこと)の友達も呼んでほしいなぁ、というので、こんな暑い時に来るかなぁ?と渋々ながら友人達に連絡すると、声をかけた6人全員がなぜかみんな大喜びで全員参加となりました。

 BBQの用意も各自それぞれが担当を決めてくれて、私が用意したのは結局BBQ場の手配だけでした。いやはや持つべきものは友です。皆さまありがとうございました。

 翌日は快晴、後はBBQお決まりのどんちゃん騒ぎで大盛り上がり。

 何歳になろうが猛暑であろうが大勢が集まるイベントは、お祭り気分になって楽しい時間を過ごせるものですね。
 …しかし暑かった(笑)(ブースカ)

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