第110号 パレスチナと台湾有事

 パレスチナの武装組織ハマスによる攻撃に端を発したイスラエルとの間の武力衝突は、すでに双方の死者の数は5000人を超え、多数の民間人犠牲者が発生する悲惨な事態となっています。

◆欧米と日本は立場が違う
 この中東有事に対し、日本は、ハマスによるテロ行為には非難を表明しつつも、米英など欧米5か国による、イスラエルへの「揺るぎない結束した支持」を表明した共同声明には加わっていません。

 一部には、これはテロとの戦いであり、アメリカなどと歩調を揃えてイスラエル支持を明確にすべきだという声も聞かれます。

 しかし、ここで大事なのは、宗教・民族が複雑に入り組みあう長い歴史を持ったイスラエルとパレスチナ間の紛争において、分断と争いのタネを撒いてきたイギリスを始めとする欧米諸国と日本とでは、関わり合いも必然的に異なってくるということです。

 日本は今まで、イスラエルと友好関係を築きつつも、パレスチナに対しても多くの支援を行ってきました。イスラエルを攻撃したハマスを非難するのは当然ですが、それに対するイスラエルのパレスチナへの度を越えた反撃を、単にテロとの戦いに必要な対応と片づけてしまうことは出来ません。

 日本は日本で欧米諸国と一線を画し、人道支援を中心とし、事態の鎮静化に努めることに徹するべきでしょう。

◆台湾有事には波及しない
 ところで、今回のパレスチナ問題を、無理に日本の防衛に関連させて危機を煽る主張も一部に見られます。

 それは、ウクライナ、パレスチナと武力衝突が発生して世界が混乱する中、次は混乱に乗じて中国が台湾に侵攻するので、日本は防衛力強化を急ぐべきという主張です。現実には、絶えず武力衝突が続いてきたパレスチナと違い、近い将来に中国が台湾に対して武力行使する可能性は、軍備の状況から見てほぼありません。

 それにもかかわらず、増税してまでミサイルなどアメリカ製の兵器の大量購入を急ぎ、台湾有事に備えよという主張は、現実を冷静に見ようとしていないと感じます。

 今回、紛争の発生を踏まえた現実的な対応として、日本人のイスラエルからの避難が求められましたが、韓国が自国民を無料で迅速に本国にまで避難させ、さらに空席に日本人まで乗せてくれたのに対し、日本は有料チャーター機で近国まで運ぶだけという全くお粗末な対応でした。

 もし仮に台湾有事が発生した場合にも、台湾在留の2万人もの日本人をどうやって避難させるのか、沖縄の先島諸島からの住民避難と受け入れをどうするかは未知数なままです。増税してまで莫大な予算を確保し、最新の兵器を買う前に、まず住民避難など現実的な対応の整備に優先的に取り組むべきです。

◆雰囲気に流されない外交を
 「こうに違いない」、「こうあるべきである」という思い込みと、冷静な現状認識は明確に分けて考えなければなりません。

 例えば、日本の報道ではウクライナがロシアに対して最新の武器で連戦連勝を重ねているような内容が多く見られ、ロシアはもう終わりという意見が1年以上前からありますが、実際の戦況は膠着状態にあり、プーチンは権力を掌握したままです。そう簡単に戦争は終わらないというのが現実なのです。

 ウクライナ、パレスチナ、台湾と状況はそれぞれ全く異なります。雰囲気と思い込みだけで日本の危機を煽り立てるのではなく、冷静に現実を見た抑制的な外交防衛策が今こそ求められると考えます。

 

スタッフ日記 「スポーツの秋」

 今年は残暑が厳しかったですが、金木犀の香りに秋の訪れを感じます。

 秋といえば食欲の秋、芸術の秋、そしてスポーツの秋ですね。今年は、WBCの優勝から、ラグビー、サッカー、バスケットボール、バレーボールなど、様々なスポーツで日本チームの活躍が続いていて目が離せません。

 プロ野球では、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝、オリックス・バファローズがリーグ優勝3連覇しました。両リーグでの関西球団の優勝は59年ぶりだそうで、関西は盛り上がっていますね。

 そして、クライマックスシリーズ(CS)もはじまりました。レギュラーシーズンでセリーグは、阪神、パリーグは、オリックスが優勝しましたが、この試合に勝たなければ日本シリーズには出場できません。

 ファーストステージでは、セリーグは、2位広島と3位横浜が対戦して、広島が勝ち、パリーグは、2位ロッテと3位ソフトバンクが対戦してロッテが勝ちました。

 いよいよファイナルステージで、セリーグは阪神と広島、パリーグはオリックスとロッテが対戦します。果たしてどのチームが日本シリーズに勝ち上がるのか、楽しみです。

 また、兵庫と大阪が連携して、11月23日に2球団の優勝記念パレードが行われるそうです。日本シリーズでこの2チームが対戦したら、さらに盛大にみんながお祝いする1日になりそうですね。

 ちなみに、義父は京都生まれの京都育ちですが、熱狂的なロッテファン。その影響で我が家も密かにロッテを応援しています。 (まあちゃん)

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