第1104号 給付金が届かない!

 物価高対策の緊急支援として、住民税非課税世帯への7万円給付が発表されました。しかし、この給付金には、様々な問題があります。15日、私は内閣委員会で給付金の実態を明らかにすべく質疑に臨みました。

◆まだ届いていないところも
 生活に困っている世帯への現金給付でもっとも大切なのはスピード感です。

 しかし、前回の3万円給付は、国が直接行うのではなく、まず自治体が計画を作り、それを国に提出、審査を経て、交付を決定。そこから自治体に戻り、自治体が各世帯に確認作業を行ってからようやく給付が始まるという複雑な方法が取られました。

 その結果、3月に閣議決定をしてから給付が始まったのは、5月に31、6月に97、7月に813、8月に400、9月に335の自治体です。自治体総数は数え方によって差があるものの、おおむね1700台とされているので、大多数の自治体で給付事業が始まったと言えるまでには約半年かかったことになります。そして、給付を開始した自治体でも、すべての世帯に配り終えたわけではありません。

 さらに、過疎地域を中心に、給付事業すら始まっていない自治体が、少数ながら存在する事実も明らかになりました。

 閣議決定から8か月が経つ今なお、3万円が手元に届かない世帯がある事実は、およそ物価高に対応する緊急的な支援の体を成していないということです。

◆進まないデジタル化
 今回の7万円給付も、前回と同じ方法を取ると政府は答弁しています。つまり、前回と同程度のスケジュール感だということです。

 このままだと多くの方に7万円が手元に届くのは半年後ということになるでしょう。緊急的な生活支援という目的には程遠く、またしても数百億円の事務経費の無駄遣いが発生してしまいます。

 こんなに遅く、無駄な経費が発生してしまう原因は、給付が各自治体任せとなり、計画と実行に統一的なフォームがなく、アナログな手作業が介入するなど非効率極まりない体制になっているところにあります。

 私はかねてより、時間がかかり無駄が多い単発給付の仕組みを改め、税務署や自治体が把握している納税情報などを活用し、さらに統一的なデジタルフォーマットを整えることで、継続的な迅速給付システムを作るべきだと提案してきました。

 4月の内閣委員会質疑では、その旨を当時の経済再生担当大臣に問い、手仕事でやるような方式ではなく、共通の方式で給付制度ができるように、検討していくとの答弁を得ました。

 ところが、その後デジタル庁は、2つの自治体でデジタルを活用した給付の実証実験を行っているにすぎず、今回の7万円給付にも実用化は間に合わないことが明らかになりました。この悠長さからは、本気でデジタル化を進めようとする姿勢は感じられません。

◆給付の司令塔を
 さらに給付に関する人員の整理も進んでいます。

 コロナ禍で一律給付金を担当した政府の部署はいったん閉鎖されてしまいました。今回、7万円給付以外の業務を担当するために復活しましたが、人員は減少し、7万円を担当する部署とはバラバラに対応しています。

 各セクションに分かれた縦割り構造では、給付作業が非効率で、迅速な給付はままなりません。むやみに複数の部署に給付業務を分けるのではなく、統一的な給付金の司令塔として、担当部署の人員を強化し、迅速な給付のスキーム構築を担当させるべきだと考えています。

 次の国会質問では、事務方の答弁で明らかになった給付の問題点を改善するため、大臣と一対一の論戦に臨みます。

 

スタッフ日記「名前は大事」

 私の名前は「禅」と書いて「しずか」と読みます。

 なかなか読んでもらえないのは当たり前、「弾」「蝉」「褌」などバリエーション豊かな書き間違いも日常茶飯事、口頭で説明しても伝わりづらい、と子どものころから何かと不便をしていました。

 これまで役に立ったといえば、実家にオレオレ詐欺の電話がかかってきた際、名前も性別も間違えていたため、母が即座にピンと来て「ウチにはそんな人いません!」とシャットアウトできたことくらいでしょうか。 

 ただ、一年前に奈良にきて、外回りなど、はじめましての方と接する機会が増えてくると、「珍しい名前ですね」と仰る方が多く、助かっています。

 奈良に地縁も血縁もない私にとっては、それだけで話が繋がるというのはとてもありがたいことです。

 ところで、ウェブで色々なサービスを使うときにユーザー名の登録を求められることがよくあります。

 本人だと特定しづらい方がいいかな?でも忘れちゃったらイヤだな、などなど、そのたびにあれこれと考えるのは結構煩わしいものです。

 ある時、やさぐれていたのか、面倒くさかったのか、適当に「くされ外道」と名前を設定した事がありました。

 すると、利用するたびに、パソコンの画面に「こんにちは!くされ外道さん」と歓迎されているのか、バカにされているのかわからない表示が出てくることになり、毎度毎度複雑な気持ちで画面を眺めることになってしまいました。

 本当に、名前って大事ですね。     (シズ)

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