高市政権が決定した総合経済対策は総額21兆円超となり、積極財政として額は膨らみましたが、内容的には従来の自民党政権の経済対策の枠を出るものではないという印象です。
◆心もとない緊急物価対策
経済対策は3つの柱から成っています。第1の柱は物価高対策です。この中では、所得制限無しの子育て世帯への支援として子ども一人当たり2万円の給付金支給が掲げられました。給付は行わないと啖呵を切った高市総理ですが、われわれが掲げた物価高・食卓緊急支援金と同じ子ども一人当たり2万円を入れたことは歓迎いたします。ただし、生活が苦しいのは子どもを持たない中低所得世帯も同じであり、我々が加えて掲げた中低所得者世帯一人当たり3万円も給付を行うべきです。
冬の間の電気・ガス代支援も掲げられました。3か月で世帯平均7千円程度の補助が想定されていますが、これは岸田・石破政権下の支援を引き継ぐものであり、必要な援助だと思いますが、総額21兆円の巨額さに比して、7千円程度とは渋い支援と言わざるを得ません。
その他、食料品高騰化対策として、3000円程度の「お米券」配布なども含まれますが、事務負担が重く、配布は来年以降と想定されます。その他の補助金等も、物入りの年末にかけて国民の手元にダイレクトに届く支援とは言えず、何に使われているのかはっきりしない、どこかの業者が中抜きして儲けているだけではないかという疑念は消えず、今までの自民党政権の流れを引き継ぐ対策でしかありません。
◆投資強化を打ち出すが
第2の柱として、投資による強い経済の実現が掲げられました。ここでは、AIや半導体産業への官民連携投資や、農林水産業の構造転換等が示されていますが、これらは今までさんざん目標に挙げられつつ、ことごとく失敗に終わってきた経緯があります。
例えば、官民ファンドにより巨額の投資を行った「日の丸液晶」は赤字を出して人員削減を余儀なくされていますし、農業改革は一向に進まずに食料自給率は低迷を続け、コメを増産するのか減産するのかで政策がぶれ続ける中で価格は高止まりし、結局「お米券配布」などという迷走を見せる始末です。
威勢よく巨額の予算を確保してみたが、内容は従来の補助金漬け、既得権保護を引き継ぐ形ならば、一般国民に恩恵はありません。ここは予算審議で厳しく追及しなければなりません。
◆本丸の防衛外交力強化と財源
第3の柱として防衛力と外交力の強化が挙げられました。具体的には、防衛関連費対GDP比2%の前倒しとともに、同盟国との関係基盤強化、トランプ関税への対応などが列記されています。
総合経済対策の柱として、一見関連性の薄い防衛・外交力の強化を掲げること自体、高市政権が最も取り組みたい分野であると推測できます。
今後、安保3文書の改定や、非核三原則の在り方の議論までもが想定され得ますが、トランプと約束した80兆円以上に上る投資の実施や、日中関係冷却化によるGDPへの悪影響の問題もあります。こうした中で、防衛・外交力強化の議論に避けられないのは財源の確保で、何らかの増税が打ち出されるのかが今国会、そして来年の通常国会の焦点となります。総論として防衛力強化は必要だとしても、増税により国民生活をさらに苦しめては本末転倒です。
防衛・外交力の何の強化が、どれほどの額必要なのか、国民負担増加をどう考えるのかについて明確な方向性が示されるよう、厳しく追及していきたいと考えています。
スタッフ日記「子ども社会」
みなさんは人にものを伝えたいとき、分かってもらいたいとき、どんな工夫をされていますか?
学童保育の指導員として、さまざまな年齢や個性をもつ子どもたちと向き合っています。学童には、1年生から6年生までが、集団で安全に、楽しく放課後を過ごすためのルールがありますが、「注意」というやり方では、なかなか聞き入れてもらえません。子どもたちは、成長のスピードも、得意なこと・苦手なことも違い、受け取り方・表し方もさまざまです。日によって、体調も心の調子も違います。
子どもたちと目線を合わせ、「なにが嫌だったのか」「どうしてそんなことをしたの
か」「どうやったらみんなで気持ちよくすごせるか」をみなで一緒に考える。その子の
ペースに寄り添い、苦手を受け入れる。苦手に対する見方を変える。声に出して褒める。我慢をしてくれた子がいれば、お礼を言って、次は、その子の希望に沿えるよう考える。
保護者に、今日あったこと、今日見つかったいいところを伝える。そんなことを地道に繰り返しています。
子どもたちは、大人を見ています。コミュニティの中で、社会性を少しずつ獲得しています。
バッタを見つけると飛び出していた子も、今では、小さな子に注意を向けてくれるようになりました。
苦手を持った子を自然にフォローしてくれているのを見た時は、ちゃんと伝わって
いたんだと思い、嬉しくなります。利己主義が目立つ時代だけに、多角的な視点で、沢山褒めて、自分と相手への思いやりの心を伝えていきたいです。
(グッとのび太)
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第1203号 21兆円の使い道
馬淵澄夫高市政権が決定した総合経済対策は総額21兆円超となり、積極財政として額は膨らみましたが、内容的には従来の自民党政権の経済対策の枠を出るものではないという印象です。 ◆心もとない緊急物価対策 経
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