安易な「ネット投票・ネット世論」には要注意?!問われる政治家たちのリテラシー

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

世間の話題は自民党総裁選一色ですが、本日8日より合流新党の代表戦がスタートしました。野党第一党の方向性が決まる大事な選挙ですから、ぜひこちらも盛り上がって欲しいところです。

ところがこの代表戦、「ボトムアップ」を標榜してきた立憲民主党の党是をスルーし、党員投票が行われないことに批判が集まっていたわけですが、

(良かれと思って?)立憲パートナー&国民サポーターアカウントがネット投票サイトを立ち上げる

合流新党に参加する国会議員たちも無邪気に拡散

泉健太候補に投票が殺到し、枝野幸男候補に10倍以上の差をつける

立憲公式アカウントが「ネット投票はやってません!」と緊急声明を出す←イマココ

と、初日からエクストリームな展開になっています。

色々と大丈夫でしょうか…。

投票サイトは「IPアドレスで判定して、複数回の投票はできないようになっている」という最低限の縛りはかけられているものの、まあこれが修羅の国・Twitterランドに投下されればこうなってしまいますよね、と。

難しいのは、これまでも一部野党の議員を中心に、ハッシュタグ祭りなどが起きた際に

「ネットではこんな声が数百万件も!これが世論だ!」
「安倍政権は、世論に耳を傾けろ!」

という声をずっとあげてきたわけです。じゃあ自分たちはこの「世論」をどう受け止めるのか。そもそも「ネット世論」ってなんだっけ…と。

こうした一例からもわかるように、ネット投票やネット世論調査って、相当綿密な制度設計をしないと明後日の方向に行ってしまうわけです。恣意的な操作も容易にされてしまう。

ところがそれがわからずに、支援者はまだしも国会議員自身が無邪気に投票サイトを「拡散」してしまう。ここに私は、政治家たちの絶望的なネットリテラシーを感じるのです。

ネットにより、これまで集められなかった声を集めたり、可視化できるようになったことは紛れもない事実です。

しかし、それを活用する側がリテラシーをもって向き合わなければ、我田引水な攻防が繰り返され、結局は政治離れを生み出してしまう。

昨日の石破茂氏による「あつ森」事件もそうですが、ネットリテラシーの向上はますます急務だと思うばかりです。自戒を込めて。

それでは、また明日。

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