こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日は国会本会議・代表質問二日目です。衆議院では維新・馬場伸幸幹事長が登壇し、特措法・感染症法改正の不備などについて明快な指摘を行いました。
本日1/21、他党に先んじて、自民党、公明党に「新型インフル等特措法、感染症法等の改正について」の申し入れをおこなった。
以下の点に特に配慮をいただきたい。
1.罰則と補償との関係の明確化
2.医療提供体制の非常事態対応
3.政府と知事との役割分担の明確化 pic.twitter.com/mM7naTvleV
— 日本維新の会 (@osaka_ishin) January 21, 2021
終了後には、上記のような申し入れも。
質問15項目に菅首相答弁わずか10分 野党反発、与党も「さすがにまずい」
https://mainichi.jp/articles/20210121/k00/00m/010/211000c参議院では「答弁が短すぎる!」ということが異例の物議を醸し出しつつ、明日は参議院にて維新・片山虎之助共同代表が登壇します。ご注目ください。
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さて、本日の代表質問で取り上げたテーマの一つに、「特別委員会のスクラップ&ビルド」があります。
維新、衆院特別委の見直し要求 廃止や統合 開催実績を問題視(産経新聞)
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粘り強く合意形成を目指して何年も、何度も問題提起してきましたがどの政党も本気になりませんので次のステージに進みます。 https://t.co/M8YwiqzVIH— 馬場 伸幸(ばばのぶゆき 日本維新の会) (@baba_ishin) January 15, 2021
「特別委員会」とは、常設され会期中は定期的に開催・審議が行われている常任委員会とは別に、その名の通り特に集中して話し合うべきテーマについて「特別に」設けられる委員会です。
・災害対策
・倫理選挙
・沖縄北方
・拉致問題
・消費者問題
・科学技術
・震災復興
・原子力
・地方創生衆議院には以上の9つの特別委員会が設置されておりますが、開会日・閉会日の儀式的な手続きを除いてほとんど開催実績がない委員会が複数あります。
なぜ積極的に開いて質疑などを行わないのか。
建前的な理由としては、出席する国務大臣のスケジュールが多忙のため合わないからというものです。
例えば「拉致問題」特別委員会ですと、外務大臣・拉致問題担当大臣・公安委員長の3大臣が揃わないと開催できないとされています。
そんなの、副大臣や政務官の出席・答弁でいいじゃないか!と思うのですが、それにはなんと一部野党が反対するのです。
「大臣クラスが出席しないなんて、国会軽視だ!」
と。かくして、まったく議論も機能もしない特別委員会がいくつも漫然と残されているのが現状です。
参考:
北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/0142_l.htm#204■
普通に考えれば、開催実績がない特別委員会など終了するか、常任委員会に統合すれば良い話です。どうしてそうならないのか。
それは「特別委員会の委員長ポストが、政治家にとって美味しいから」です。それ以外に論理的な理由は考えられません。
特別委員会の委員長になると、なんと開催実績があろうがなかろうが1日6,000円の日当(月額18万円)が歳費に追加で支払われ、公用車もつきます。
加えて肩書や権威が第一である政界にとって、「◯◯委員長」という肩書・役職は多くの議員が喉から手が出るほど欲しいもの。
特に与党にとっては、大臣・副大臣のポストを回せなかった人材を処遇するためにも重要な役職となります。
こうした委員長ポストは、議席数に応じて野党にも振り分けられるため、野党も肩書・ポストがほしい事情は一緒です。
特別委員会を積極的に開催すると、仕事が増えるのでやりたくない。でもポストや追加手当、公用車はそのまま欲しい。
こうした与党と一部野党の思惑が一致し、特別委員会は開催させないまま多数存続させて置こうという歪んだインセンティブ・既得権益が発生しているわけですね。
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しかし前述のように、こうした委員会が存続しているだけで委員長手当や公用車などの税支出が発生するのは勿論のこと、儀礼的な継続のために発生する官僚の方々の業務負担も無視できません。
こうした特別委員会のスクラップ&ビルドについては、かねてから問題提起をしてきましたが改善されず、本定例会から維新は設置の議決にすべて「反対」することを決定いたしました。
衆議院より状況がややマシである参議院でも、開催実績に乏しい委員会は存在します。
多くの方が知らないこうした実情を発信していくとともに、世論の後押しを受けて不合理なシステムが改善されるよう、引き続き強く訴えかけて提案して参ります。
それでは、また明日。