核兵器禁止条約が発効 核保有国や日本など参加せず

NHK(2021.1.22)を転載します。記事URLはコチラ⇒https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210122/k10012827231000.html↓↓↓核兵器の開発、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が22日、発効しました。条約には核保有国や核抑止力に依存する日本などが参加しておらず、核軍縮への弾みになるかどうかは今後、条約への支持がどこまで広がるかにかかっています。核兵器禁止条約は、核兵器の使用は非人道的で国際法に反するとして開発、製造、保有、使用を禁じるもので122の国と地域が賛成して2017年に国連で採択されました。去年10月までに批准した50の国と地域で、それぞれ現地時間の22日午前0時を迎えたところから発効しています。22日現在、▽批准を済ませた国と地域は51、▽条約に加わる意思を示した署名は86で、いずれも核兵器を保有していません。一方、すべての核保有国と核抑止力に依存するNATO=北大西洋条約機構の加盟国や日本、韓国などは参加していないため、核兵器が直ちに減るわけではありません。ただ条約の推進国などは、核兵器は違法だという新たな国際規範が確立されれば、将来的に核保有国への圧力になると期待しています。この条約が核軍縮への弾みになるかどうかは今後、条約への支持がどこまで広がるかにかかっています。◎ICAN事務局長「歴史的な瞬間」核兵器禁止条約の採択に貢献し2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長はNHKのインタビューで「核兵器そのものが国際法で初めて禁止される歴史的な瞬間だ」と述べ、条約が発効する意義を強調しました。そのうえで「条約は国際的な規範となり、影響を持つ。より多くの国が批准すれば規範は確固なものになるので、すべての国が参加すべきだ。核の傘の下にある国々が批准すればより大きな影響があるだろう」と述べ、今後は核の傘に頼る安全保障政策を取っている日本やNATO=北大西洋条約機構の加盟国を巻き込んでいく必要があると強調しました。また、現段階で核保有国や核抑止力に依存する国々が1か国も署名・批准していないことについては「NPT=核拡散防止条約でも中国、フランスのような核保有国が参加するのに20年余りかかった。条約の批准には時間がかかるものだ。現段階で禁止条約に核保有国が参加していなくても強力な法律文書であることに変わりはない」と述べました。また、1年以内に開かれる1回目の締約国会議については「条約に参加していない国々にもオブザーバーとして参加してほしい。会議で核兵器による被害者への支援などに関する議論があれば、被爆者支援の経験と知識がある日本は、議論に貢献できる」と述べ、日本もオブザーバーとして参加すべきだという考えを示しました。◎国連 中満事務次長「日本もオブザーバー参加できれば」核兵器禁止条約の発効について、国連で軍縮を担当する中満泉事務次長は発効の前にNHKのインタビューに対して「22日を楽しみにしている。発効と同時に責任と役割が出てくる。きちんと実施するために準備している」と述べ、核廃絶を最優先課題の1つと位置づける国連として条約の発効を歓迎し、今後の手続きを支援していく考えを示しました。条約では、締約国は発効から30日以内に核兵器を保有していたかどうかや核兵器計画を廃棄したかどうかを国連の事務総長に申告するとなっていて、国連はこの手続きを支援することになります。また、条約は、発効後1年以内に締約国による会議を開催すると定めていて、中満事務次長は会合の時期や優先する議題について、すでに関係国との協議に入っているとしています。条約では、締約国会議には、条約に参加していない国もオブザーバーとして参加するよう招請するとしていて、中満事務次長はすでに数か国から参加の意向が示されていることを明らかにしました。そして「日本国内からもオブザーバー参加すべきとの意見が出ているが、ぜひそうなればいいと思う。これから条約に関する議論が始まる過程で、機会を逃さずにとらえていくことは、唯一の戦争被爆国の役割かもしれないと思う」と述べて、日本の参加を重ねて呼びかけました。◎サーロー節子さん「やっと獲得した核廃絶への第1歩」核兵器禁止条約が発効したことについて、13歳の時、広島で被爆し、長年、世界各国で自身の被爆体続きをみる

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