「本質とはなにか」 迷走する桜を見る会➡サクラを呼ぶ会➡総理を見る会➡桜が散る会「主催権」を行使しない「誤送船団・記者クラブ」

「VERDAD」連載「田中康夫の新ニッポン論」Vol.77
「本質とはなにか」

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「ただ有りの儘(まま)に物事を見詰めるのではなく、それが如何(いか)にしてそうなったかを見抜く力」の大切さを説いたのがパレスチナ系米国人のエドワード・サイード。

キリスト教徒のパレスチナ人としてエルサレムで生誕。コロンビア大学で比較文学の教鞭を執った彼は、主体的に社会と向き合う“Engagement(アンガージュマン)”としての人生を全(まっと)うした人物です。その「勘性(かんせい)」は我々に、「コンテンツ(ほんしつ)」とはなにか、を問い掛けます。

電気やガスは偉大な発明です。が、そのまま道端に置かれていたなら我々は殺傷されます。電気やガスを用いて如何なる「利便性(アコモデーション)」を生み出すか。その段階で初めて素材(マテリアル)は中身(コンテンツ)たり得るのです。

閑話休題。参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会の答弁で11月20日、「総理を見る会」と一億総活躍担当の内閣府特命担当大臣が、ジークムント・フロイト的深層心理を開陳した「桜を見る会」。

「サクラを呼ぶ会」「サクラが散る会」との異名も喧(かまびす)しき歴代内閣総理大臣主催の行事を巡って喧喧諤諤(けんけんがくがく)。前夜祭の会費の多寡(たか)にも飛び火して、百家争鳴(ひゃっかそうめい)な一億総活躍です。

とは言え、「希望小売価格」の有名無実化は白物家電に留まらず。「一物一価(いちぶついっか)の法則」の究極たる着地点「経済的新自由主義=完全競争」を現政権が掲げるにも拘らず、「B to C」のIT時代を反映して航空運賃も宿泊料金も百花繚乱(ひゃっかりょうらん)な「一物多価(いちぶつたか)」状態。

「李下(りか)に冠を正す」営為と糾弾する側、「李下に冠を整(ただ)さぬ」営為と弁明する側、双方共に戦略と戦術が稚拙なのです。

弁明する側は、「駕籠(かご)に乗る人担(かつ)ぐ人、そのまた草履(わらじ)を作る人」の往時から融通無碍(ゆうずうむげ)な存在たる旅行代理店に飛行機・部屋・飲食etc.込み込み価格を設定させず、宴会のみ別立て価額とした不明を恥ずべき。

よもやM資金が「財源」ではないにせよ、A資金(アーシキン)かN資金(ニューシキン)か将又(はたまた)、K資金(キミシキン)か、前夜祭を巡る「噂の眞相」は永遠に「藪の中」ならば、全ての公文書・公用文書・公的文書を容量無限大な電子媒体で永年保存を義務付ける超党派の緊急議員立法を呼び掛けてこそ、多勢に無勢な野党の面目躍如。

然(さ)しもの与党も反対し得ず、清和政策研究会出身・福田康夫氏が心血を注いだ公文書管理法を真のコンテンツたらしめる千載一遇の好機でしょ。

戦略と戦術が、稚拙以前に稚拙なのは、島国ニッポン「誤送船団」記者クラブの面々。販売部数激減に直面する新聞メディアの“ジャンヌ・ダルク”と礼賛される御仁(いそこ)はドヤ顔で悲憤慷慨(ひふんこうがい)ツイート。

「番記者が必至(原文まま)に(ぶら下がりで)質問重ねる中、『すみません、時間がありませんので最後の質問にして』を首相連発。韓国の元法相のように11時間記者の質問に答える気力も反論できる材料もないのだろう」。

呵々(かか)。豈図(あにはか)らんや、内閣総理大臣官邸内での会見の主催権は「内閣記者会」に帰属。「国家的重大事・国民的関心事の首相会見をクラブ側が緊急開催可能なのに出席も求めぬチキン仲良し記者クラブ」。

コメント付リツイート後、19年前の知事就任直後に携帯電話番号とメールアドレスを公開。日々のぶら下がりにもエンドレスに応じていた僕は、主催権の県側への移行は「言論弾圧」と長野県政記者クラブが翌春に猛反発した「脱・記者クラブ」宣言を想起。

賃料・光熱費・通信費無料で庁舎内を「占有」の既得権者(けんせいクラブ)は、在京・在阪「記者クラブ」メディアすら事前出席申請書を求め、宗教団体や政党の「聖教新聞」「赤旗」等の出席は罷(まか)り成(な)らぬと高言。

その一方で「お貸し下げ情報」に頼る警察本部長と検事正の会見主催権は未だに山国のみならず全国で端(はな)から「返上」。ダメ駄目な「呆痴(ほうち)国家」ニッポンの縮図です。

今回のYa‘ssy指摘を紹介する「日刊スポーツ」連載「政界地獄耳」2019年11月28日
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911280000083.html
「モリカケ」失敗を教訓に責任追及を

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Vol.76「おもてなし」の「眠度」
http://tanakayasuo.me/archives/25870
Vol.63「誤送船団」記者クラブ
http://tanakayasuo.me/archives/23516
「田中康夫の新ニッポン論」アーカイヴ➡ http://tanakayasuo.me/archives/category/verdad
「VERDAD」HP➡ http://www.bestbookweb.com/verdad/


YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」
2019年11月26日 Vol.621 電子媒体「公文書」永年保存義務の緊急議員立法も出来ないヘタレ野党を嗤うVol.615続篇w
「主催権」を内閣記者会が有するのに首相会見すら求めぬヘタレ誤送船団・記者クラブを嗤いまくるの巻w
https://www.youtube.com/watch?v=ILLmbrhEVgk
11月13日 Vol.615 『「桜を見る会」を見る会』号外w
戦略も戦術も稚拙な野党、与党、官邸の皆さんへ!
公文書を電子媒体で永年保存義務の緊急議員立法で全て解決!
日本特有「Yes But」論法wではお先真っ暗だぁ!
https://www.youtube.com/watch?v=GaSMvfIc2js
YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」アーカイヴ
http://tanakayasuo.me/youtube

「脱・記者クラブ」宣言 2001年5月15日
http://yassy.system-a.org/hisyo/press/kisya.htm
「脱・記者クラブ」宣言発表時の「長野県政記者クラブ」皆さまとの質疑応答@2001年5月15日
http://yassy.system-a.org/hisyo/press/20010515.htm
2001年~2006年 信州・長野県知事会見一覧
http://yassy.system-a.org/hisyo/press/press_h.htm

畏友・プチ鹿島(鹿島智広)さんの卓見
桜の木の下には何が埋まっている?
https://bunshun.jp/articles/-/15837
桜の木の下には屍体が埋まっていると言うが、桜を見る会にはここ数年の「あったものがなかった」がすべて埋まっている。総決算なのである。決して小さなことではないと思う。

畏兄・菅義偉さんのブログ
議事録も作成しない「誤った政治主導」2012年1月28日
https://ameblo.jp/suga-yoshihide/entry-11148791469.html?fbclid=IwAR0xGZq-z7BdQymy4WP4_vnWVDujNPRE7JChVg2SrLqxfa0Nyw0EYp3s40I
公文書の作成は、政党の主義主張とは全く関係のない、国家運営の基本です。
総務大臣を務めた私の経験からしても、官僚は法令順守意識が高く、政治家に聞きもせずにこのように基本的な事柄を放置するとは到底考えられません。
民主党は野党時代に政府の文書管理の不備を責め、情報公開を声高に叫んでいました。
しかし政権交代後、政治主導の象徴とした政務三役会議など、政策決定過程の多くは非公開で議事録も作成されず、「密室政治」となっています。
明らかな法律違反であるとともに、国民への背信行為です。
 


「ニッポン凄いゾ論」が横溢する日本の「彼は誰(かわたれ)」と「誰そ彼(たそがれ)」は
「ルビンの壺」的な表裏一体だと述べた『33年後のなんとなく、クリスタル』
http://tanakayasuo.me/crystal/footnote

「平成ニッポンの宿痾」まとめサイト
http://tanakayasuo.me/heisei

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