名古屋市で新型コロナウイルス感染症の感染者が新たに44人確認され、前日の22人を上回り過去最多となった。また、愛知県でも20人の感染が確認され、名古屋市・愛知県全体では過去最多となる64人の感染が確認されている。また、感染経路不明が37人にのぼっている。
■ 第2波におけるクラスターの状況(7月22日午後11時時点)
カラオケバーA(錦三) 33人
高級クラブB(錦三) 27人
他にも錦周辺のホストクラブや会員制クラブ、バー等でクラスターの発生があり、夜の街は極めて厳しい状況となっている。
■ 夜の街で積極的なPCR検査
名古屋市は従来、陽性患者が確認された場合、その濃厚接触者や健康観察対象者に対し、自宅で2週間の待機を要請していたが、現在は濃厚接触者の解釈を柔軟にし、感染者が出た会員制クラブやカラオケバー、ホストクラブなどの従業員全員を対象にPCR検査を進めている。7月初めには1日当たり10~30件ぐらいだった本市のPCR検査数は、ここへきて急増。連日100件をこえる検査数に上っているのはこのためだ。市は夜の街からこれ以上感染が拡大しないよう関係のあった方の検査にやっきとなっている。
しかし、これ以上、夜の街で感染が拡大すると、夜のお店に対する休業要請といった議論が再燃する可能性がある。ただ、私は夜のお店に対する休業要請にはやや否定的。錦の街だけ休業要請した場合、従業員やお客さんは錦以外の歓楽街へ行動を広げる可能性もあり、さらに感染拡大のリスクをおう。今やるべきは接触のあった方すべてのPCR検査を徹底して行うこと、そして錦の夜のお店に対する感染拡大防止に向けた啓発活動だと考える。
■ 予防策と対応策の徹底
現在、名古屋市保健センターは、新規感染者が出ると、その濃厚接触者・健康観察対象者を特定し、自宅待機をお願いしたりお店の方にはPCR検査をおこなうなど感染経路の特定や感染拡大防止に取り組んでいる。しかし、夜の街における感染においては、感染経路をしゃべりたがらない方もおり、濃厚接触者にたどり着かない場合も多い。こうした場合、感染経路追跡が十分功を奏しない場合も少なくない。
また、新規感染者のうち、感染経路不明者が半数をこえた今、市民に対し、正確な予防策、り患した際の対応策を伝えることに多くの労力を使う方が、持続的な感染予防策と経済両立には有効ではないかとも思う。
■ 重症・中等症の割合(愛知県内)は
2月 感染者数27人(中・重症10人) 中重症割合 37%
3月 感染者数149人(中・重症70人) 中重症割合 47%
4月 感染者数305人(中・重症74人) 中重症割合 24%
5月 感染者数22人(中・重症6人) 中重症割合 27%
6月 感染者数16人(中・重症2人) 中重症割合 13%
7月 感染者数189人(中・重症8人) 中重症割合 4%
※ 7月は1~21日
東京型ともよばれる現在の新型コロナウイルス感染症の無症状・軽症者割合は96%(7月21日現在)と弱毒化されたようにも見える。しかし、7月22日に死亡した80歳男性から新型コロナウイルスが確認されたばかり。変異したとされる現在のウイルスは若い方々は大丈夫でも、ご高齢者においてはどのような影響があるのか未だ不明だ。市民の皆さま、県民の皆様には、歓楽街への感染拡大の状況を鑑み、当面の間、お出かけは自粛していただきたいと願う。