財政福祉委員会に付議された「財政調整基金の繰入から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金への財源更正等の減額補正42億7,600万円」の委員会審査にあたり、減税日本ナゴヤ団長の佐藤ゆうこ参考人に出席していただき、当該議案に対する質疑をおこなった。なお、今回の参考人招致は、減税日本ナゴヤ所属委員に対し、ヨコイから質問したところ「答えられない。佐藤団長に直接確認していただきたい。」とのことで、参考人招致が実現したもの。団長が参考人招致されるのは、過去、私の記憶にはない。
■ 佐藤団長に対する質疑の主な内容
1. 名古屋市会議員の報酬を800万円とする条例案の根拠となっている財政調整基金の取り崩し
6月26日におこなわれた本会議において、議員報酬を年額800万円とする条例案を提出した際、鈴木孝之議員から「財政調整基金が年度末には5000万円にまで激減する見込みの本市の財政状況」として、本市の財政状況があたかも貯金を使い果たし破綻寸前であるかのように必要以上に悪く見せ、市民の不安をあおるような提案理由説明をされている。なお、現時点での財政調整基金の残高見込みは133億円。5,000万円との提案理由説明は適切だったのか。
2. 田山議員が「財政調整基金が5,000万円まで激減するのは市民に誤解を与える」と発言したこと。
佐藤団長は総務環境委員会で、「財政調整基金が5,000万円まで激減するという減税日本の提案理由説明は、市民をあおったと本人が思ったものでありまして」として、あれは田山議員の個人的見解に過ぎないと一刀両断。さらに、減税日本ナゴヤの中川議員も田山議員に同調。「会派の意見としては、あれは誤解を生じるという形になっておりますので、佐藤団長が言われた、田山議員の個人的な見解ということ自体が間違っております。」と団長の発言真っ向から否定。佐藤団長の考えは。
3. 減税日本が党議拘束
減税日本議員には、党首である河村市長が三大公約以外はかけるべきでないと主張している党議拘束が「財政調整基金のありかた」「委員間討論の廃止」などについても、かかってしまっているのではないかと感じる。昨年にはこのようなことは感じなかった。今年の体制になってから、とりわけ今議会から減税日本所属議員が全く自らの発言を封じ込めるようになってしまった。党議拘束をかけることにしたのか。
4. 佐藤団長名で出された委員間討議に関する申し入れ
佐藤団長名で出された委員間討議に関する申し入れの中でも「7月1日に開かれた財政福祉委員会での委員間討議」を受けて、「公正な議会運営」「内容通告」などの提案がなされている。7月1日に開かれた財政福祉委員会は公正な運営ではなかったように説明されているが、どの部分をして佐藤参考人は公正ではないと考えているのか。
5. 財政福祉委員長から佐藤団長に厳重注意したこと
7月3日の委員会の意思決定の日、財政福祉委員長から委員会の冒頭「財政福祉委員会でなされた減税日本所属議員の発言に対し、減税日本ナゴヤ市議団団長の佐藤ゆうこ議員から、個人的な発言に過ぎないとの発言がなされましたが、当該委員会としては極めて遺憾であります。後ほど委員長から、佐藤議員に対して厳重に注意させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。」と厳重注意し、佐藤団長からは「すいませんでした」というお詫びの言葉があったと聞いているが、一体、佐藤団長はどのような反省に基づいて「すみませんでした」と発言をされたのか。
これらの質問に対し、佐藤団長はまともな回答をすることはなく、無駄な時間が費やされるばかり。減税日本所属議員の中でも意見はバラバラ。一方で、名古屋市会の議会改革の目玉とされる委員間討論に対しては、自らの条件をのまなければ「廃止する」といって他人の声を聞こうともしない。コロナ対策の議論が待ったなしの中、これ以上大切な時間を無駄に費やさないでほしい。