患者数を低く見せかけているという主張は事実か?

「コロナの新規陽性患者数が少ないのは、実施検査数を低く抑え、患者数を意図的に小さく見せかけているだけじゃないのか。」こんなご意見をいただいた。理由をお尋ねすると、ネットに氾濫する情報のよう。

そこで、検査実施人数と新規陽性患者数の推移を調べてみた。

■ 検査実施人数と新規陽性患者数の推移(過去10日間)
10月11日(月) 検査実施人数 302人・新規陽性患者数 6人(陽性率 2.0%)
10月12日(火) 検査実施人数 1,001人・新規陽性患者数 14人(陽性率 1.4%)
10月13日(水) 検査実施人数 892人・新規陽性患者数 15人(陽性率 1.7%)
10月14日(木) 検査実施人数 699人・新規陽性患者数 12人(陽性率 1.7%)
10月15日(金) 検査実施人数 752人・新規陽性患者数 17人(陽性率 2.3%)
10月16日(土) 検査実施人数 852人・新規陽性患者数 18人(陽性率 2.1%)
10月17日(日) 検査実施人数 419人・新規陽性患者数 10人(陽性率 2.3%)
10月18日(月) 検査実施人数 204人・新規陽性患者数 5人(陽性率 2.5%)
10月19日(火) 検査実施人数 863人・新規陽性患者数 3人(陽性率 0.3%)
10月20日(水) 検査実施人数 782人・新規陽性患者数 4人(陽性率 0.5%)

一般的には、検査陽性率が高ければ高いほど感染者を見逃している症例が多く、低ければ低いほど捕捉率が高い。なお、現在の名古屋市の陽性率約2%というのは「現在、名古屋市民の2.0%が感染している」というわけではない。濃厚接触者や風邪症状のある方など一般の人よりも「新型コロナの可能性が高い」方を検査した結果であり、こうした蓋然性の高い人のうちの陽性率が2.0%ということになる。

「国民全員にPCR検査をすべきだ」という主張もしばしば散見するが、予算の手当て、作業効率、実現可能性のいずれの視点から見ても非現実的。ましてや、濃厚接触者でもなく風邪症状のない方までたくさん検査をして見かけ上の検査陽性率が下げても、流行が抑制できているとは言い難い。

いずれにしても、現在の名古屋市における陽性率約2%というのは陽性患者をかなり補足している状態だといっていいだろう。「検査実施件数を意図的に低く抑え、患者数を低く見せかけている」というのは、陽性率から判断する限り正しい情報とは言えないだろう。
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横井利明
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