今日、伊勢湾台風60年

「突然、畳が浮いてきたかと思うと、一気に水が天井まで上がってきた。家の外に出ることもできなかったため、天井を破って何とか屋根の上にのぼり命をつないだ。」「自宅周辺は一面の海。近所の貯木場から流れ出た大量の材木が縦に転がりながら家々を破壊していた。」「人がたくさん流されていたが、助けることもできなかった。」「翌日は澄み渡るような青空だった。」

父から聞いた伊勢湾台風の恐怖。伊勢湾台風から2年後に生を受けた私は、父から毎日のように伊勢湾台風の恐ろしさを聞かされて育った。だからこそ、2度とこのような惨禍を招かない安心安全な街をつくりたい、わが故郷を守りたい、災害でひとりも命を落とすことがないような街にしたい、政治を目指した時からずっと心に誓っていた。

その伊勢湾台風から今日で60年を迎える。私たち伊勢湾台風被災地に住む者にとっては特別な日。亡くなられた方々に対し黙とうをささげるとともに、防災対策の強化をあらためて誓う日でもある。また、伊勢湾台風による被害の様子を後世に語り継ぐことも大切な役目。

日本最大のゼロメートル地帯を抱える濃尾平野。その中でも南区西部地域はほぼすべてがゼロメートル地帯となっている。私の自宅も海抜マイナス0.9メートル。元来、水害に対して極めて脆弱な低平地が広がる地域にもかかわらず、まちづくりの中で、防災対策をほとんど考慮しないまま市街化され、そこに観測史上最大の高潮が暴風・暴浪とともに来襲したことが大災害を招いた原因であることは言うまでもない。ましてや、伊勢湾台風襲来時に堤防の工事をおこなっていた箇所が決壊したという近隣の方々の指摘もある。

災害をおこさないことはできないが、災害による犠牲者をひとりも出さないチャレンジを進めることは可能だ。防災への警戒や防災意識の向上を防災訓練等を通してどこまで高めることができるのか、また、河川等の安全対策をどこまで徹底できるのか、今日を契機に新たな挑戦が始まる。
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横井利明
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