前回の県立学校休校延長の決定プロセスに関して反省すべき点とは?〜それでも市町村長の判断は尊重:③

2020年4月22日 学校の休校延長や再開に関して、群馬県全体で統一的な対応が取れるとすれば、それが最も望ましいと思っている。前回、県立学校の休校措置の延長を決めた際にも、そう申し上げた。 ただ、そのことを県内の市町村長に伝えるにあたっては、かなり気を遣った。強引な圧力(?)をかけたり、上から目線で方針の変更を迫るようなことは、やらないと決めていた。知事就任以来、県と市町村との関係を大切にして来たからだ。 個々の市町村長の権限や判断を尊重しつつ、知事の思いを伝える。これが、今回、副知事や幹部と手分けして、県内のほぼ全ての市町村を回った際のミッションだった。 地元紙(上毛新聞)や某大手紙の群馬版が、県内の学校の休校延長をめぐる動きを記事にしていた。その中で、「知事に会ったが、こうしてくれということは一切、言われなかった。地域の学校の休校は、(様々な事情を考えて)自らの判断で行った」という清水太田市長の発言が紹介されていた。まさに、市長の言葉どおりだ。 ある意味、当然だと思う。過去25年間、様々な実績を積み上げて来たベテラン市長に、知事が(いちいち)「こうして欲しい」なんて言うわけがない。代わりに、「なぜ、県が県立学校の休校措置延長を決めたのか?」を丁寧に説明した。 上述した記事の書きぶりには、「知事の曖昧な対応が不適切だった」みたいな批判的なニュアンスが感じられた。が、的外れの指摘だ。「県と足並みを揃えてもらいたい」とは言わなかったが、知事としての思いは十分、伝わったと確信している。 考えて見て欲しい。こちらから太田市役所まで足を運び、かつ学校再開という判断の再考を求める県の教育長から市の教育長宛の書簡まで持参したのだ。 事実、清水市長は、開口一番、「知事も毎日、大変だねえ。細かいことは言わなくても、よく分かっているから」と言ってくれた。合理的でドライに見えるが、実は、義理人情に厚い上州人なのだ。 高崎市長にも、前橋市長にも、館林市長にも、「ぜひ県と同じ歩調を取って欲しい」とは頼まなかった。太田市長の場合と同様、県の方針を伝えた上で、「同じ方向になるのが望ましいとは思いますが、どうするかは市長のご判断です」と伝えた。 結論か続きをみる

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