江南短期大学閉学の波紋

愛知江南短期大学(江南市)は昭和45年の設立以来、12,000名以上にものぼる保育士・幼稚園教諭など有為な人材を輩出してきた。しかし、令和4年度末をもって53年の歴史に幕を下ろすことが学校法人・愛知江南学園理事会で決定。長年にわたり幼稚園教諭・保育士の供給事業者としてこの地域の幼児教育を支えてきただけに、私たち保育関係者にとっても江南短大閉学はたいへんな衝撃だった。

報道によると、少子化や4年制大学志向の高まりなどで志願者が減り、令和元年度は定員300人に対して在学者は215人にとどまっていたという。

保育士の仕事は「きつい」「残業」「持ち帰り」「休みが少ない」「休暇がとりにくい」「給料が安い」「社会的な地位が低い」「保護者からのクレームが多い」などの理由から保育士養成大学を志望する学生が激減している。一方で、子育てしやすいまちの実現には保育士の養成は欠かせない。保育士や幼稚園教諭に対し、低賃金・長時間労働という負担を強いてきた長い間のツケが、「江南短期大学閉学」という形で顕在してきたとしか思えない。

保育士や幼稚園教諭、保育教諭の安定した供給が待機児童対策や子育て環境の充実に欠かせないことを考えるとき、なぜ今「江南短期大学閉学」に追い込まれたのか、社会全体で保育士の処遇改善を含めた保育士の地位向上を根本的に考え直さなければならない時に来ている。
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横井利明
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