いざという時の備えとなる貯金(財政調整基金)が少ない群馬県〜県民の方々に知っておいて欲しい現実。

2021年2月23日 13時過ぎ。武藤健康福祉部長から電話。本日の県内の新規感染者は21名。目標の「20人未満」をやや上回った。伊勢崎地区が4人。大泉町は今日もゼロ人だった。以前に発生したクラスターから新たに判明した陽性者もいるようだ。 前回のブログでも触れたが、予想どおりの展開だ。こうして「一進一退」のプロセスを繰り返しながら、感染をコンロールしていくしかない。武藤部長に、こう指示した。 「武藤さん、冷静に対処していきましょう。3月上旬までに確保出来るはずの400床、医療機関関係者の皆さんにもよくお願いして、少しでも前倒ししてもらえると助かります」と。 さて、現実的な新型コロナ向けの病床数、入院待ちの感染者の数、経済活動が再開すれば感染者が増えるという事実に加えて、もう1つ、県民の皆さんに(正直に)伝えておかなければならないことがある。それは、群馬県の(自治体の貯金とも言える)「財政調整基金」のレベルが(全国的に見ても)低い水準にあるということだ。 このことは、財政調整基金を最大限に活用しなければならないコロナ禍にあって、群馬県が様々な政策を実施するに際しての大きな制約要因になっている。率直に言って、これまで県が財政改革を怠っていたことの「ツケ」としか言いようがない。 財政調整基金とは、自治体が財源不足や緊急の支出が生じた場合に備えて「貯金」として積み立てるもの。財源に余裕のある年度に積んでおき、大規模災害の発生や大幅な税収減に直面した年度に取り崩して使う仕組みになっている。 実は今、全国の自治体が新型コロナ対策のために、この財政調整基金を大きく取り崩さざる得ない状況に陥っている。すなわち、どの都道府県でも、財政に余裕がなくなって来ているということだ。もちろん、群馬県も深刻な状態にある。 17ヶ月前、自分が知事に就任した際、群馬県の財政調整基金は15億円しか残っていなかった。この問題は、知事選への出馬を表明した後のブログ連載でも取り上げた。ご興味のある方は、ぜひ、ご一読いただきたい。あの時の不安が的中した形になっている。 山本一太『財政に関する県民の素朴な疑問に答える①〜基金残高11億円で突然の災害にどこまで対応出来るの続きをみる

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