農産物輸入などの貿易協定、対韓国関係の悪化と北朝鮮、そして中東への自衛隊派遣問題と、日本にとってアメリカとの関係が重大な局面を迎えています。
◆貿易では大幅な譲歩
参院選後に先送りされていた日米貿易協定締結のための交渉内容が先日明らかになりました。アメリカが日本に輸出する牛肉、豚肉などの農畜産物について、関税を段階的に引き下げていく方針が示されました。また、中国への輸出が困難となったトウモロコシを追加で250万トンも日本に買い取らせることを約束するなど、農業関係者の支持を取り付けたいトランプ大統領にとっては、大きな成果でした。また、日本車の関税撤廃は見送られました。
逆に、アメリカは日本車の輸入について、追加の関税を発動しない予定となり、日本側にとっての「成果」とされています。しかし、あくまで継続協議になっただけであり、将来にわたって追加されない保障は何もなく、今後もトランプ大統領の都合によって利用できる「カード」として温存されただけに過ぎません。
総じて、アメリカの要求には具体的に承諾し、日本の要求については先送りという、実質的に大幅な譲歩を余儀なくされた交渉だったと言えます。
◆進む対米依存
譲歩を余儀なくされているのが、アメリカに頼らざるを得ない日本の現状です。ロシア外交は暗礁に乗り上げ、韓国とは過去最悪の関係で、北朝鮮に対する安全保障も依然厳しい状況です。韓国関係の悪化は、主に韓国側の過剰とも言える挑発や、不透明な輸入品の処理などに原因があり、日本側の輸出管理強化などの措置は正当です。しかし、過度に韓国を追い詰めると、先日の日本との軍事情報包括保護協定破棄など、国際秩序を壊しかねないさらに過激な対抗措置を取る恐れがあります。毅然とした対応を維持しつつも、冷静な対応も同時に求められます。
いずれにせよ、依存が進む中で、アメリカの要求がさらにエスカレートしていくことが予想されます。
◆自衛隊派遣は明確に断れ
今後、アメリカの強硬な要求が予想されるのが、対イランでアメリカが提唱する「有志連合」への日本の参加です。イラン付近のペルシャ湾周辺地域では、タンカー襲撃などが起きており、自国船の安全を確保するための自衛隊派遣が必要だという意見もあります。しかし、ここで重要なポイントは、自国船の安全を確保する名目であっても、実質的にはアメリカ軍の指揮下で活動を行わなければならない事態が生じ、それがイランとの武力衝突へと発展する可能性は十分にあるということです。私は、4年前に成立した安保法制の本質は、アメリカ軍の指揮の下に、自衛隊が世界中で活動できる体制を構築することにあると指摘していましたが、それが現実のものになる恐れが出てきているのです。
現在、アメリカが提唱した有志連合は、イランに対するオーバーアクションであり、国際的に広がりを見せていません。日本の連合への参加は法令上も疑義があり、政治的にも中東の混乱を深めかねません。真の国益は何かを真摯に考え、時には拒否することも辞さない国家主権の提示も必要です。外交とはディールそのものであることを肝に銘じ、臆することなく交渉をする姿勢を示さない限り対米追従外交が永遠に続きます。私は日米関係の岐路にあると思っています。
スタッフ日記「焼けていく肌」
はじめまして。私はこの夏にインターン生として活動している立命館大学3回生の学生です。インターン生ながら、早朝から夜遅くまで政治の現場というものを体感させていただいています。
夏休み前、友人に議員インターンへ行く事を話すと「何それ。国会とか見に行くん?」と、テレビで見る“政治”をイメージした反応が返ってきました。確かに、私自身も政治というものはどこか遠い存在で、選挙期間に街頭演説を見かけることはあるものの、政治家が普段どの様な活動をし、テレビで見るような表舞台に立っているのかは恥ずかしながら全く知りませんでした。
ですが、実際にインターンに参加してみてビックリ。事務所でニュースを刷って朝から駅前で配り、昼からは自分の足で地域へ出て汗だくになりながら現場のリアルな声を、一軒一軒聞き歩くという、一見すると地味に思える活動がそのほとんどでした。
インターンを始めて約1ヵ月、連日の外での活動で自慢の色白肌がこんがりと焼けて小麦色になってきました。友人に「おっ!夏楽しんでるな!」と言われ、思わぬ誤解を生んでしまいそうだったので、その友人にこの1ヵ月で小麦色の肌に至った経緯を力説しました。やはり、友人も政治家の地元活動の意外さに驚き、関心していました。私たちが普段暮らす中で、政治というものがどの様に地域や生活との繋がりを作っているのかをもっと多くの人に知ってもらう必要があるなぁ、と改めて感じました。
最近は一時の猛暑日に比べると、少し暑さも和らいできた気がします。最終的には肌の色を小麦色から褐色にするくらいの意気込みで、残りの期間を駆け抜けたいと思います!(Qちゃん)