それぞれの成人式

「娘がこうして成人を迎えられたのもお声がけがあったから。」

今日行われた成人式で、成人者のお母さんからお礼のお言葉をいただいた。

今から10年前...

小学校4年生の明子さん(仮名)が不登校で悩んでいるとお母さんからご相談をいただいた。お母さんは明子さんを連れて私の事務所に。明子さんとお話をすると「先生が怖いから学校にいけない」とのことだった。

私はその直後、小学校へ出向き、校長先生と相談。「明子さんが感じている先生が怖いという気持ちが解消できれば、学校に行けるかもしれない。明子さんの不登校は本人だけでなく、お母さんも追い込んでいる。校長先生、ぜひ明子さんに会って、怖いという気持ちの解消に協力していただけませんか。」

もちろん校長先生は快諾。「担任は明子さんの自宅に出向くなど努力してきたが、なかなか実現しなかった小学校への登校。この機会に明子さんに学校に来ていただけるよう精一杯とりくみたい。」

校長先生のご回答をいただいたうえで、明子さんのお母さんに、「明子さん交え、私の信頼する校長先生と一度お話しませんか」とお誘いしたところ、明子さんも含めてご了解をいただいた。

その後、小学校校長室で、校長先生、お母さん、明子さん、そして私が顔をそろえ雑談。校長先生は「学校は楽しいところ。もし何かあれば私のところのいつでも相談に来てほしい。」優しく話しかけていただいた。

その夜、お母さんからお電話をいただいた。「明子が学校に行くといっている」と。

ほっとした。本当にうれしかった。

明子さんはその後、小学校4年生、5年生、6年生と学校を休むことなく登校。中学校、高校にも休まず通い、現在は会計事務所で働いている。将来は税理士になりたいという。

成人式が終わってから明子さんと電話でお話させていただいた。10年前を思い出し今日の感動を明子さん親子と共有させていただいた。

成人の皆さんもそしてご家族の皆さんもきっとこの20年、いろいろなことがあったと思います。ひとりじゃない。そばにきっと支えてくれる人はいる。一歩一歩、夢に向かって歩んでください。おめでとうございます。
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横井利明
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