昨日の政府交渉の続きを。結論を示す「要請」とは異なり、政府の考えを聞きながら現状を伝える「レクチャー」での報告です。
昨日も書きましたが、レクチャーとしたのは▼北海道新幹線の残土問題と、札幌延伸にともなうJR北海道の経営について、▼国立八雲病院の機能移転について、▼総理への「ヤジ排除」における道警の状況について、▼IR実施の手続きについて、です。
北海道新幹線の札幌延伸は、路線の約8割がトンネルとの計画です。膨大な量の土が出るわけで、とりわけ法の基準を超える自然由来の重金属等を含む「要対策土」の処分地確保が課題になっていました。北斗市や札幌市の金山地域・山本地域では、受け入れに慎重や反対を訴える住民の会もできています。一方的な押しつけなどは、当然あってはなりません。
このまま確保できない場合の対応を国交省に確認すると「今はていねいに説明するに尽きます」。工事主体は鉄道・運輸機構ですが、国交省としての責任も逃れることはできません。そもそも膨大すぎるほどの量の土が出ることが根本の問題であって、工事全体の内容や時期の見直しは避けられなくなるのではないか。そもそも札幌延伸が必要なのか、との議論にもなってきます。
もう1つの角度の心配は、札幌延伸でJR北海道の収支は黒字化していくというのですが、その根拠が明らかでないこと。経営が改善するなら、道内の路線を半分もなくすようなことはしないで済むのではないのか。国交省は「40億円の収支改善が見込まれます」との回答ですが、その内訳は並行在来線の函館本線などを切り離すことで得られる改善効果が含まれています。新函館北斗-札幌の乗客運賃による収入については、「内訳としてあるが今は持ってきていない」。出してもらうよう要請しましたが、これでは根拠は薄いのです。
国立八雲病院に関しては、来年8月末をめどに筋ジス患者と重度心身障害児(者)が札幌と函館へ分かれて移送される予定ですが、その移送計画が今だ具体化されていません。何より八雲病院の医療に従事したいと家まで買って住んでいるのに、後医療や雇用維持などの責任も果たされないでいいのか。そして厚労省が再編統合として名指しした病院の1つに移送先の国立函館病院が含まれていて、一体どうする気なのか--など、まずは事実や展望を国立病院機構に聞かなければいけないのです。
患者や職員への説明会は準備していること、その時には移送などの内容も示すこと、後医療は難しいが雇用確保には努めたいと、ひとまずの説明は受けました。退職した方が出た場合は、当然「自己都合」にはならないですよねと私から確認したところ「ハローワークの判断です」と よもやの回答! 函館病院を維持することも含めて、患者や職員の立場に立っているのか疑わしい説明もありました。こうやって1つ1つ中身を詰めて釘はさしたものの、引き続き注視しなければなりません。
まったく中身が詰まっていかなかったのが警察庁。安倍首相への「ヤジ排除」を道警がおこなって3ヵ月以上も経つのに、排除の根拠などは道民の前に明らかにできないまま。この中身自体も問題だし、これだけ正当性を明らかにできないのでは警察としての信用にもかかわる問題です。警察庁としての認識をただしたのですが、「道警において事実を確認中」「告発されている身として話せない」をくり返すばかり。本当に腹立たしくなりました。
警備主体は都道府県(この場合は道警)だと責任逃れのような態度だったので、総理の身辺警護(SP)にも異変があれば伝わるはずだと詰めると、情報は関係者なら無線で聞くことができることを認めました。私も議員になる前には党としての身辺警備担当をしたことがありますが、いつも身辺警備は無線イヤホンを耳にしています。だから道警のみならず、国の関係するところでも承知している情報があるはずなんです。道警も含めて、しっかりこれも注視していきたい。
最後に観光庁から、IR実施に向けた段取りの説明を受けました。中心はカジノで、今の国会でカジノ管理委員会の同意人事案件となるはずですが、まだ出されていません。カジノ利権がからむことで難儀してるのかわかりませんが、国や関係自治体での基本計画・実施計画などの流れを確認して、北海道での運動が大事だと再確認。予算をともなうので、道議会など地方議会でも議決が必要になるからです。
パブコメも含めてかなり面倒くさいほどの段取りに一応しているのは、それだけカジノ解禁に問題がある証拠。それなら初めから解禁などしないで、この労力と予算を違う観光振興に使えばいいのではないのか。国民多数だって反対多数のなか、ごり押しして立法化した政党と議員の責任が問われます。実施させないことで、その目論見も断念させたい。
昨日と合わせて、このブログに書いた数倍の議論をしているので、まとめるだけでも一苦労。しっかり関係するところとは情報も共有して、今後の活動にも生かしていきたいです。
【今日の句】多すぎる 課題も矛盾も 悪政も