火力発電所を将来にわたりどうするか

 道原発連による苫東厚真発電所の見学ツアーに参加しました。昨年のブラックアウトもあり、見学者が大幅に増えているそうです。

 ここには「ほくでん火力なるほど館」をいう展示コーナーもありますが、事前に申し込めばタービン室や中央操作室などを見学することもできます。外からは何度も見た厚真発電所ですが、しっかり中まで見るのは私も初めて。いい機会と思って参加した次第です。

 初めに概要DVDを見た後に、安全確保のヘルメットをかぶり本館へ。館内はカメラ撮影もできますが「SNSなどでの拡散はご容赦ください」とのことで、ここにあげているのは「なるほど館」での写真だけになります。

 今日は4号機が定期点検中ということもあり、分解されたタービンを見ることもできました。配管などは入り組んでいますが、発電の理屈は難しいものではありません。石炭を貯めておくサイロや、石炭を細かくすりつぶすコーヒーミルのような微粉炭機など、なかなか見る機会がない隅々まで説明いただきました。

 見学後の質問時間は、やはり昨年のブラックアウト時への対応や原因、今後の対策などについてが多くを占めました。震度5相当の耐震設計だったため、定期点検とあわせて補強や改良をおこなっているとのこと。問題となった電源分散も、京極町にある揚水発電所の稼働や、石狩市にLNG発電を開始するなどして対応を進めています。

 地震によって送電線事故も発生したため道東地域まで停電となり、ブラックアウトという事態になったことから、鉄塔強化なども進めています。ともかく大規模一極集中の発電に頼ることでリスクは大きくなるのだと、あらためて実感しました。

 ちなみに原発とは違って防潮堤など津波への対応はしていないため、大津波の場合は発電を止めて職員も避難するか本館の3階以上へ上ることにしているとのこと。構内に積んである石炭なども流されますが、どうしようもありません。電源分散を進めているとはいえ、海の近くにある発電所のリスクも再認識しました。

 また、気候変動対策が国際的な問題となるなかで、火力発電所そのものの存在意義も問われてきています。実は3号機は高い熱効率や低環境負荷への研究も兼ねて稼働していましたが、多発するトラブルや修理コストの面から2005年に廃止とされています。

 原発とともに火力発電所の未来も、電力会社まかせにせず国家的な議論を(特に日本は)急がなければいけないと思います。基本に立ち返って学ぶことの大切さを実感した、見学となりました。

 【今日の句】停電の夜を 今宵は思い出し
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畠山和也
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