水月会研修会など

 石破 茂 です。
 9月1日に開催した「水月会」の研修会に関する報道は、いつもながら政局に関するものがすべてでしたが、講師としてお越しいただいた河合雅司・人口減少対策総合研究所理事長、岩田一政・元日銀副総裁の講演からは多くを学ぶことができ、本当に勉強になりました。
 政策集団、所謂「派閥」の存在意義は、自民党内でそれぞれのグループが政策を錬磨して党内における闊達な議論に資すること、国政選挙において同志を全力を挙げて支援し、党勢の維持拡大に資すること、にあると思っており、その本質は小選挙区制になっても変わるものではありません。
 ベストセラーとなった河合講師の著作「未来の年表」(講談社新書)はお読みになった方も多いと思いますが、「日本の少子化百年の迷走-人口をめぐる『静かなる戦争』」(新潮選書 平成29年)は、精緻な検証に基づく名著です。何故、戦後のベビーブームは昭和22年から24年までの3年で終わってしまったのか、優生保護法はいかなる背景で制定され、サンフランシスコ平和条約発効・日本独立直後に改正されたのか、深く得心すると同時に、明治維新後の日本の歩みを「人口」という観点から見ることの重要性を痛感致しました。私がくだくだとご紹介するよりも、お読みになれば衝撃的な事実に圧倒されることと思いますので、是非ともご一読くださいませ。
 岩田講師からは、「欧州中央銀行を見習い、『税としてのマイナス金利政策』を『補助金としてのマイナス金利政策』に改変してはどうか。現在のマイナス金利政策は、民間金融機関が日銀に一定額以上預金すると0.1%課税されるのに等しい。日銀が現在0%で行っている貸出支援基金や市場操作による資金供与にマイナス金利を適用すれば『税から補助金』への転換が可能で、利ざや圧縮に悩む民間金融機関の困難を緩和できる」「抜本的な処方箋はマイナスの実質中立金利をプラスに引き上げることだ。日本の場合、財政部門の投資超過幅をさらに拡大する余地は限定的だ。最善の方法は民間部門の生産的投資、特に人工知能(AI)やビッグデータ、人的資本など無形資産投資を拡大し、民間の貯蓄超過傾向を是正することだ」とのご所論をご教示いただきました。更によく理解し、研究すべきものと感じました。

 今週は、岩手県知事選挙・県議会議員選挙の応援等々、地方での用務が多く、落ち着いて本欄を記す暇(いとま)がありませんでした。ご容赦くださいませ。
 週末は地元での用務をこなします。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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石破茂
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