第1040号 再分配の旗

 立憲民主党が参院選で議席を減らしたことに関し、有権者の皆さまから多数の厳しいご意見を頂いております。党としての参院選総括は、お盆前に発表する予定ですが、今は一人一人の議員が厳しい声に真摯に耳を傾け、自らの反省点を挙げながら、今後成すべきことを考えなければなりません。

◆定まらない党の方向
 立憲民主党は、議席数では野党第1党を維持したものの、比例得票数では維新の会に100万票以上の大差をつけられ野党第2党に甘んじました。得票数が昨年の衆院選の6割程度にとどまったことは、すなわち党自体が信頼を失っていることに他なりません。

 党に関して寄せられたご意見で多いのが、「立憲民主党は何がしたい党なのかが分からない」、「立憲民主党の目指す国家像が見えない」というものです。参院選で、党は国民の生活を第一に掲げ、物価高との戦いを前面に押し出し戦いました。物価高対策自体は国民にとって重要な課題であり、決して誤りではなかったと考えますが、立憲民主党が築こうとする社会との関係が見えなかったため、有権者には場当たり的な選挙向けのパフォーマンスに映り、支持にはつながらなかったように思えます。

◆公約に「芯」が無かった
 例えば消費税時限減税は、有権者に中途半端に映ってしまった党の公約の典型です。消費税減税は日々の消費の税負担が減る即効性を持ち、短期的な景気活性化策としてベストだと考えますが、参院選の公約では単に時限的に消費税を減税するという主張だけで、その先にどのような社会像をもった税体系を作るのかという具体策の提示が不十分でした。

 それゆえに、消費税を減税すれば社会保障は3割カットしなければならないなどという、自民党茂木幹事長の誤った発言が真実であるかのように取り上げられ、結局、消費税減税など口先だけのパフォーマンスに過ぎないとする風潮を打破する力が立憲民主党にはありませんでした。これも、党が目指すべき明確な方向を定めて議論してこなかったことが原因で、公約に「芯」がなかったのだと思います。

◆再分配の旗を掲げる
 明確な国家像に基いた現状改革案を出すことこそが、党としての独自の存在意義を高めることにつながります。自民とも維新とも違う立憲民主党が目指す国家像、私は、それは「再分配」を重視する社会だと考えています。既得権に捉われて格差が固定化され、ダイナミズムが失われた社会、もしくは弱肉強食で豊かな者だけがますます豊かになる社会ではなく、誰もが生活に安心と安定を感じ、自己の判断と努力で様々な人生が選び取れる社会です。

 そのためには、富裕層に一定の負担を求めなければなりません。そして、消費税減税や生活に困らない給付システムの整備など個々の政策を、再分配重視の社会の実現という大きな目的と関連付けて、その位置づけを明確に打ち出すことが、立憲民主党の進む道だと考えます。

 代表の責任を追及するだけでは何も変わらず、有権者からの厳しい声にまっすぐ向き合う党改革が必要です。そのために残された時間は少なく、今すぐにとりかからなければなりません。

 

スタッフ日記「政治と私のつながりって?」

 先日の参議院選挙では、10代の投票率が2021年衆議院選挙の約40%から30%へと減少しました。この結果から、高校三年生にあたる18歳や19歳の十代が政治に関心を持っているのかニュースで疑問視されていました。

 そんな中、私はいま高校二年生で17歳でありますがインターン生として、この夏休みを利用して政治の現場を体験しています。

 支持者の方からは、まだ選挙権も持っていない高校生がなぜ政治に関わっているのかと質問されることも多く、純粋になぜかと疑問に思う方も多いのではと感じています。

 私がインターンに参加しようと思ったのは、将来の夢がきっかけです。私は世界遺産を決定し、その文化を後世に伝えていくユネスコに携わることです。

 奈良には古都奈良の文化財をはじめ16件の文化遺産が存在します。幼いころには平城宮跡に凧をあげに行った思い出があります。また、東大寺や法隆寺などを目にした時のワクワクは今でも強く心に残っています。このような観光地としての文化遺産、そして日常に溶け込んだ人々と歴史が共存する場所を守る職業に就きたいと考えています。私の将来の夢と政治は「どうやったら現代の文化を守ることができるか」という点で結びつきました。

 先日代議士と地域のお祭りにご挨拶に伺った際、奈良の「地蔵盆」について教えていただきました。その様子に地域の文化や遺跡を守っていくことの大切さ実感しました。

 このインターン活動の中で少しでも多くの経験を重ね、10代の視点から政治を学んでいきたいです。(がんちゃん)

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