第962号 師走の緊急経済対策

 私は濃厚接触者(2度のPCR検査で陰性)として自宅待機していましたが、5日をもって待機期間が終了し、公務に復帰しました。その間にもコロナ感染はますます拡大する一方で、師走の医療と経済を直撃しています。感染防止と一体化した緊急経済対策が最優先課題です。

◆「緊急性」欠く経済対策
 政府は8日に総合経済対策を閣議決定しましたが、その内容には首を傾けざるを得ません。今、真っ先に取り組まなければならないのは感染拡大防止と医療支援、そして庶民の日々の暮らしの支援であり、財政支出もそれらの点に思い切ってフォーカスすべきです。

 しかし、経済対策の財政支出の内訳を見てみると、コロナ感染防止策に5.9兆円に対し、国土強靭化の推進等に5.6兆円、マイナンバーカードの普及促進やGo To事業の継続など、ポストコロナに向けた経済構造の転換等に18.4兆円と、従来の事業を水増しさせたような予算が付けられ、短期集中で重点的に支援を行う配分とはなっていません。

 また、今夏の第2次補正予算で計上した10兆円の予備費のうち、約7兆円はまだ使われていない中で、来年度予算案にさらに予備費5兆円を追加計上する予定ともされています。使途を定めず、使われるか分からない予算を積み上げるだけでは、対策規模を巨額に見せるパフォーマンスと言われても仕方がありません。

◆バラバラな政府と専門家
 このように、政府の経済対策は一見手厚く、潤沢に予算を組んでいるように見えても、中身は本当に困っている方への支援を欠くものです。支援の目玉とされたGo To事業にしても、イートキャンペーンで、ネット予約によるポイント還元を導入した結果、飲食客は全国チェーンの店舗に殺到し、一部の企業に恩恵が集中する事態が生じました。高級旅館・ホテルと旅行費用に余裕のある層に恩恵が集中したとされるトラベルキャンペーンも同じです。

 また、経済対策は政府、自治体、専門家の間で、リスクについての考え方を共有し、コミュニケーションを密にして決定すべきところ、今ではそれぞれがバラバラの発信を行っているのも問題です。コロナ対策分科会の尾身会長や医師会は、再三Go To事業の一部停止を提言していますが、政府はむしろ期間を延長する方針です。

 すでに、東京や大阪を中心とした感染拡大から、全国各地への波状的拡大のフェイズに移行し、奈良県でも30人以上の新規感染者を出す日が相次ぐ状況下では、見直しはやむなしと考えますが、柔軟さを欠いた強権的な政権の本質が、それを阻んでいる様子が見て取れます。

◆代替案の提示
 私は、経済対策は感染防止と一体的に、自治体との連携を密にして、そして家計を温める現実的手段が何より必要と考えています。党としても、知事の権限強化を図るため、緊急事態宣言の発出を政府に要請できる特措法改正法案の提出や、休業支援金・給付金申請締切を延長する要望等を行っています。

 さらにもう一歩必要なのが、税制面の支援です。予備費として今後政府が見込む10兆円は、消費税の1年間の税収5%分に近い額です。使途未定の予算を形ばかり積み上げるよりも、まずは時限的な消費税減税を含めた税制改革による真水注入を、提言しなければならないと考えています。
  
 

スタッフ日記 「今だからできること」

 大学の秋学期が始まって3ヶ月が経過し、完全オンライン授業から、徐々に対面授業ができるようになってきたと思った矢先、新型コロナウイルス第三波によって対面授業は激減してしまい、今年4月からのオンライン生活に逆戻りしてしまいました。

 多くのテレビや新聞では、このコロナ禍の現状について悲観的に捉え、その悪影響について報道しています。私も、早くコロナが終息して普段通りの大学生活を送れることを願っていますが、この生活も決して悪いことだけではないと考えています。

 大学のオンライン授業化によって、通学時間など自由に使える時間が増え、普段は行うことができない事に時間を有効活用することができています。オンライン授業の形式は主に2つあり、決められた時間に行うリアルタイム型の授業と、教授から配信される動画や資料を好きな時間に見て学習するオンデマンド型授業があります。主流は後者のオンデマンド型であるため、まとまった時間を確保することが可能となります。

 オンライン授業の現状に満足している大学生は、この時間を有効活用しています。

 私も馬淵事務所でのインターン活動をはじめ、自分の趣味や興味があることに使い、半年間、満足のいく学生生活を送れていると感じております。コロナ禍の大学生にとって大切なことは、いまこの現状を受け入れ、その中でできることを若いからこそ精一杯やることではないでしょうか。メディアにはコロナによる大学生活のデメリットだけではなく、この状況下で大学生活を充実させる方法について報じてもらいたいです。(ちーばくん)

The post 第962号 師走の緊急経済対策 first appeared on 馬淵澄夫(まぶちすみお)奈良県第1区選出 衆議院議員.

PR
馬淵澄夫
PR
adminmasterをフォローする
政治家ブログまとめ