第1061号 2023年頭所感

 新年あけましておめでとうございます。

◆ポストグローバル資本主義
 国会対策委員長として迎えた昨年は、岸田総理が参院選を控え、争点化を恐れるがあまり重要法案を見送って通常の6割にも満たない法案の提出による通常国会で、幕を開けました。とにかく安全運転で国会を凌ぎ、争点を作らずに参院選で与党が多数を占めれば政権は安泰となり、その後国政選挙まで3年間あるというかつてない状況、いわゆる「黄金の3年間」が待っているというのが岸田総理の胸の内だったと言われています。

 しかし、2月24日、突然のロシアによるウクライナへの侵略によって、国際情勢は大きく転換し出しました。大国による直接的な戦争はイラク戦争以来19年ぶりであり、ロシアを中心としたアメリカに対抗する新たな枢軸が作られようとした瞬間でありました。

 これは、単にロシアにおける安全保障上の問題だけではなく、アメリカが主導してきた、富める者がより富み、持たざる者はより一層貧困に陥るといった、グローバル資本主義、「新世界秩序=New World Order」の終焉を示した事態でもあったのです。現実に、中国やサウジアラビア等中東諸国もロシアに追随し、非ドル決済システムを含めて、対抗軸を強めようとしています。

 世界一の超大国となったアメリカが主導してきた新世界秩序による自由主義、資本主義、民主主義の推進に対して、行き過ぎた姿になっているのではないかという疑問が、形となって現れだしました。

◆混沌(chaos)の時代へ
 このような国際情勢の変化、度重なるコロナ禍、などにより国民生活はより一層厳しい状況となっています。物価高、賃金水準の低下、防衛費の増強などによる増税圧力、様々な課題が迫り来る中で、国民生活の安定を心から願っている皆様に寄り添い、来るべき社会を示してリードしていく姿が政治家に求められているのだと思います。

 かつて、「想定外」という言葉がよく取り沙汰されました。災害や事故などにおいて、「想定外だった」という事が免罪符のように使われ、それに対して危機管理上、想定外は許されないのだという批判が向かうという構図でした。

 しかし、実際の社会生活では想定しうることばかりが起きるわけではありません。そして、そうした想定できない事への「不安と恐れ」が人間社会では、往々にして人々をパニックや集団暴徒化を招いたりします。これも、人間が動物である限り仕方ない「生存への希求」の姿なのだと思います。つまりは、我々は有史以来、常に想定できない事への不安や恐れを抱き続け彷徨ってきたとも言えるのです。

 そんな中で、リーダーたるものとは、その恐れを正面から見据え、時には混沌とした状態の中にこそ真実があると冷徹な目で見つめることが出来た人なのではないか、とさえ思います。

 多くの方は混沌に陥ってしまうと、為す術がないと思われるかもしれません。ただ、だからこそ敢えて申し上げたいのは、このような混沌=chaos(カオス)の時代だからこそ、混沌=chaosに向き合うべきなのだということなのです。
 混沌=chaosを愛せよ、それくらいの気概を持って取り組んで参ります。

 

スタッフ日記「お雑煮は何派?」
 2022年もあっという間に年末を迎えました。学生時代は、1日の授業さえとても長く、1年はさらに長く感じていましたが、年々時の流れが速くなり、気が付けば年末という有様です。

 毎年年末年始は実家に帰省をして家族で年を越し、お正月を迎えています。お正月の楽しみはなんといってもお節とお雑煮です。

 実家では、父が関西・母が関東出身だからなのか、1日に関西風の白みそのお雑煮を、2日に関東風のすまし汁のお雑煮を食べています。

 関西雑煮は少し甘い汁に煮た丸餅が絡んで甘い味付けが好きな私にはたまりません。関東雑煮も、焼いたお餅の香ばしさとシンプルなすまし汁に三つ葉の香りが最高です。どちらもそれぞれの良さがあって選べません。

 お雑煮は地域によって、味付けや具材が違います。奈良県で有名なお雑煮は、きな粉雑煮ですよね。関西雑煮のお餅を一旦取り出し、きな粉につけて食べます。

 その他にも、香川県や愛媛県などの四国地方の一部では、関西雑煮にあんこ入りのお餅。広島県では、特産品の牡蠣を。岩手県では、くるみをすりつぶして砂糖や醤油で味付けし、そのタレにお餅をつけるくるみ雑煮を食べるようです。お雑煮でその地域の食文化を知ることができますね。

 今年のお正月は、奈良県のきな粉雑煮にチャレンジしてみようと思います!(まゆつな)

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