第1098号 その柱はボロボロです

 25日、岸田総理は新たな経済対策を発表しましたが、率直に言って、物価高に苦しむ国民にとっては期待外れの内容と言わざるを得ません。

◆目玉は「偽減税」
 経済対策は物価高対策・持続的な賃上げ・投資促進など5本の柱からなりますが、特に目新しさを欠く中、増税一辺倒だった総理が「減税」というキーワードを持ち出したことは意外に思われたかもしれません。

 しかし、総理がやっとまともな政策に取り組むのかというと、必ずしもそういうわけではありません。総理が胸を張る減税のターゲットは法人であり、中小企業の賃上げ税制の強化や、国内投資を長期的に支援する減税制度の創設などが中心となっています。

 投資を対象とした減税の恩恵を受けるのは主に大企業であり、賃上げ税制にしても、中小企業の多くは業績そのものがなかなか回復しない中、税制を利用してまで無い袖は振れないのが現状です。

 賃上げが物価上昇に全く追い付いていない中、庶民としてはすぐに手元の使えるお金を増やしてほしいというのが切実な思いでしょう。

 そのためには企業をターゲットにした減税よりも、個人が日々の生活で恩恵を受ける減税を真っ先に断行すべきであり、それは消費税やガソリン税といった身近な税です。

 庶民の生活と要望に思いが至らないことが、今回の岸田経済対策の限界を示しています。

 しかも、今回の減税表明によって、今後見込まれる様々なサラリーマン増税のメニューは取り下げられたわけではありません。

 一時的な企業減税と引き換えに、そのツケが将来的なサラリーマン増税として返ってくるというのでは、「偽減税」と言われても仕方がありません。

◆年収の壁を撤去しない
 経済対策の中で、106万円、130万円など一定の額を超えて収入を得れば、逆に社会保険料負担で手取りが減るため、労働時間をセーブして働く人が発生している「年収の壁」問題に対しては、企業への補助金や、壁を越えても2年間扶養にとどまれることで対応するとされました。

 要は、専業主婦世帯が主だった昭和の名残と言われる、崩れかけている壁を撤去せずに、木の棒で当面支えるような先送りの対応です。既に朽ちた制度は撤去して新しいものを創ればよいのに、根本的な課題をとりあえず先送りというのは、岸田総理のみならず自民党政権の特徴であり、政権が変わらない限り変化はないでしょう。

◆解散含みの経済対策か
 その他、経済対策には投資の言葉が多く躍りますが、正直、資産家・投資家でもない一般国民からすれば、多額の資金を投資するわけでもないし、どんな恩恵があるのかも分からないというのが本音でしょう。総じて、柱を立ててもすでに中身がボロボロ、家を支える強さも無く、朽ち果てていると言わざるを得ません。

 また、総理が経済対策を具体化する補正予算の提出時期を表明しなかったことから、経済対策はポーズで、先に解散を行うのではないかとの観測も流れています。

 総理のあいまいな姿勢からは、「減税」という偽キーワードだけをぶち上げて増税を論点から外し、経済対策の中身を具体化しないまま、11月頭に即衆議院を解散、11月中に総選挙という意図が透けて見えます。隠された増税案が具体化するのは、選挙が終わった12月になるでしょう。

 この経済対策を受けて、ますます選挙の可能性が高まってきましたが、偽減税の裏にあるのは大衆増税ということを、投票を行う際の判断材料にして頂きたいと思います。

 

スタッフ日記「六甲おろしに颯爽と!」

 9月14日、巨人に4対3で勝利し、阪神タイガースが優勝しました。2005年以来18年ぶり6度目のリーグ優勝です。

 阪神ファンの私はこれまでも何度もタイガースのネタをこのスタッフ日記に書いてきましたが、そのたびに順位を下げてしまい、悔しい思いの連続でした。

 今年は岡田監督が優勝とは言わず「アレ」と表現していたので、私も何もいわず最後まで見守り続けようと心に決めていました。

 そして14日の朝、優勝へのマジックが1となり、さぁいよいよ今夜だと新聞を見ていると、大変なことに気づいてしまいました。中継放送がないのです。

 これでは18年間じっと我慢してきた歓喜の瞬間をどのように味わえばよいのやら、テンションが大きく下がってゆくのを感じました。よく見ると、兵庫県をカバーしているテレビ局のみが中継しているのを見つけました。

 普段なら京都、奈良、滋賀、和歌山の放送局もネットワークで同時放送しているのに、それもナシ。だんだん怒りが湧いてきました。せめて関西圏の誰もが見ることができるようにして欲しかった。私のみならず多くの阪神ファンの偽らざる思いではなかったでしょうか。

 その夜はラジオで中継を聞き、決まった瞬間、缶ビールをもう1本空け、そのまま寝てしまいました。 

 15日の朝からはテレビに釘付けになり、試合のダイジェスト、監督の胴上げ、祝勝会のビールかけなどを見つめては微笑む私がそこにいました。

 10月18日からのCSファイナルは広島?10月28日からの日本シリーズはオリックス?まだわかりませんが、とにかく地上波でのテレビ放送を期待して!(スギ)

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