長年の懸案であった今後の安定的な皇位継承確保について、17日に衆議院議長公邸において全党全会派が参加する会議が開催され、いよいよ議論が本格的に始まります。
◆各党の思惑
皇位継承に関しては、政府有識者会議が2021年12月に報告書を提出しました。報告書では、安定的な皇位継承の具体策は先送りして、当面の皇族数の確保が打ち出され、具体的には女性皇族が婚姻後も皇室に残る(ただし、配偶者や子は一般国民とする)案と、かつて皇族であった旧宮家の子孫の男系男子の方々に養子に入っていただく案が示されました。これらの制度は、皇統に属する男系男子が皇位を継承する現状の制度を前提としています。
自民党や維新の会など多くの党は、この政府有識者会議が出した案をほぼそのまま追認する考えを表明しています。
もちろん男系男子による世襲しか認めないことを前提とするのも一つの考え方ですが、本質は、どうすれば安定的な皇位継承の確保につながるかという問題であり、最初から他の意見を排除して議論を進めるべきではないと考えています。
◆幅広な議論が必要
立憲民主党としては、頭ごなしに政府有識者会議報告書案を否定するわけではありませんが、それをそのまま追認するのではなく、様々な可能性を模索した幅広な議論が必要と考えています。例えば、以前、皇族数の確保について野田政権下で検討された報告書では、女性皇族が婚姻後も皇室に残る案が示されていましたが、その際、その配偶者と子も皇族としての地位を付与する案が併記されていました。
一般的には、この形がいわゆる家族としての「女性宮家」と考えられますが、岸田政権下の報告書では、この案は削除されています。
夫婦が皇族と一般国民に分かれることは、政治活動の自由などの権利や財産関係に問題が生じかねないことが指摘されており、立憲民主党としては、配偶者と子を皇族とする案も含めた幅広な議論を求めています。
また、養子案と簡単に言いますが、対象となり得る旧宮家男系男子が何人存在し、養子になっても良いと思っておられるかについては全く不明であり、何の調査も意思確認も行われていません。このような状況で、とりあえず養子案を実現化する法律を作っておけば良いなどというのは無責任な姿勢です。
一般国民である旧宮家の子孫の方を皇族の養子とするのは憲法の平等原則違反との指摘もあり、あらゆる可能性を模索しながら、政府案の追認ではない、国会としての主体的な議論が求められています。
◆「国民の意思」に基づく天皇
天皇・皇室を議論する上で重要な要素は国民の意思です。憲法のいの一番である第1条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と規定されています。よって、世論と全く乖離したところで議論が進められることがあってはなりません。
例えば最近の共同通信社の世論調査では、皇位継承に危機感を感じるが72%、女性天皇を容認するが90%に上っています。世論を全く顧みずに、歴史・伝統論だけを説いてみても、それは空論に過ぎません。世論の動向を踏まえて議論に反映していくことが必要です。
17日の全体会議には、立憲民主党を代表して私も参加します。国会議員だけの閉じられた意見ではなく、国民の声が届くような会議にしたいと考えています。
スタッフ日記「色のチカラとは?」
洋服や雑貨、自然の彩りなど、私たちの日常は様々な色があふれています。でもこの豊かな色彩も光がなければ見る事は出来ません。また、暗闇は同じ色でも同色と見分ける事ができない、全く色のない世界になります。それは光の中に様々な色の波長が存在しているからで、光=色と専門家は説いています。
ところで、あなたの好きな色は?と聞かれれば好みの色を答えますが、好きな色と自分が似合う色とは違っている事もよくある話です。自分好みではない色の服を着た時、この色は自分に不向きだなあ、と落ち着かない気持ちになったことはないでしょうか?それは自然に自分好みの色を決めているからでしょうね。
統計によると例えば、赤はエネルギーや生命力、青は冷静で平和的といった感じで色にも役割分担があるそうで、それを効果的に使えば心身共にハッピーになれるといいます。
また、視覚や声など、人の印象は5秒ほどで決まるというデータもあるので、そこに色の力がマッチすれば好印象になるでしょう。
色の世界はまだ未知なところがあるため、まだまだこれから新色の発見も期待出来るかもしれません。
余談ですが、私は色の代表は虹だと思っています。以前遭遇した時、突如現れた雄大で綺麗な赤、橙、黄、緑…の七色のアーチにしばし見惚れ、幸せな気分になりました。
光は希望をもたらし、七色の虹も人の心を豊かにしてくれます。色彩とは不思議な力を持っているものだと今更ながらに痛感しています。(ムーミンママ)
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