台風10号・大雨による影響と対応/『超孤独死社会』について考える

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

 

気象庁は千葉県内で竜巻や強風、土砂災害、浸水、落雷などに注意するよう呼び掛ける気象情報を発表しました。

県内一部で停電も発生しています。
昨日から我孫子市民はじめ、東葛地域の皆様から大雨によるマンホールからの噴き出しなどの被害の連絡などが届き始めていることから、本日、千葉県防災危機管理部に台風・大雨による県の対応の確認などを行いました。被害状況を伝えるようにします。

県としてはすでに月曜日の段階で準備はしているものの、台風のスピードが遅く、台風自体よりも大雨の影響が大きくなっています。
総務防災常任委員会メンバーとして、密に千葉県担当課と連絡を取り合っておりますが、千葉県では安全確保に努めるように県民の皆様にお願いしておりますので、安全第一の行動を心掛けてください。

 

本日は『孤独死』についてお伝えしていきます。

 

菅野久美子さん著『超孤独死社会』

 

未婚である私にとって身近な問題でもあります。

これまでは漠然とした不安程度だったのですが、6月議会の代表質問にて松戸市選出の松戸県議が『県営住宅における孤独死対策について』を提案され、勉強会を重ねるごとに、真剣に取り組まなくてはならない課題だと認識し、自分でも調査を始めました。

 

会派の代表質問では、千葉県の県営住宅における65歳以上の孤独死の状況は、ここ数年は年間40件台で推移しており、高齢化を背景に、今後もこうした状況が続くことが予想され、自治会等との連携が重要であるとの答弁がありました(以下参照)。

 

 

我が会派から見守りロボットやセンサー等を活用した見守りシステムの導入などの取組を提案しており、菅野さんの書籍の中でもAIやITを応用した見守りが提唱されています。

 

日本では現在、およそ1000万人が孤立状態にあります。つまり日本人の10人に1人は孤立しているのです。

孤独死は年間約3万人と言われていますが、現実はその数倍は発生していると言う特殊清掃の業者もいます。

その約8割に見られるのがゴミ屋敷などのセルフネグレクトです。

行政も対策に乗り出し、東京都足立区では「足立区生活環境の保全に関する条例」を制定し、専門部署を設けて住民に指導・監督を行い、家主に支払い能力がない場合は100万円まで区がゴミ撤去費用を負担するというものです。

 

特殊清掃の数は孤独死の増加に比例しており、5年間で15倍にも膨らんでいるとのことです。

特に暑い夏は熱中症等による孤独死が増えるとの結果も出ています。

コロナ禍の影響も少なくなく、人と人の繋がりが希薄になり、孤独死問題は日本の大問題となってきます。

 

この本を読んで納得したのが、高齢者よりも現役世代の方が見落とされてしまうということです。

65歳以下の方ですと行政の福祉の網にひっかかりにくく、ご近所も高齢者や障がいがある方でない場合、そこまで見守りが必要ないと思いがちです。

しかし、実際は失恋や離婚、家族やペットとの死別、会社でのハラスメント等で誰もが閉じこもりがちになってしまいます。

 

行政の取り組みとしては神奈川県横須賀市の設置した人センサーが部屋に動きがないことを察知すると自動的に緊急通報を行うシステム(月額負担200円)や東京都中野区の「中野区あんしんすまいパック」が本の中で紹介されています。

 

こちらの本では孤独死の現場から背景を探っていくのですが、その中の課題として「引き取り拒否」があります。

そもそも何故孤独死となってしまったかと言えば、家族や親戚等と疎遠になってしまっているからです。

拒否された場合、対応するのは行政となります。

中野区の「中野区あんしんすまいパック」では、見守りと孤独死した際の事後処理がパックになっており、全国発の取り組みとして注目を浴びています。

孤独死が起きると事後に多大な費用がかかり、親族とのトラブルに発展する場合もあるため、仮に孤独死して親族から相続拒否にあった場合でも区から原状回復費用が出るというものです。

 

コロナ禍を経て、地域ではお祭りや各種イベント、自治会活動も復活していますが、いつも見かける方があまり顔を出さなくなったら、少しでも気にかけてほしいと思います。