予算委員会・水野ゆうき質疑内容2日目

こんばんは、今日で37歳最後の水野ゆうきです。

本日も千葉県議会予算委員会にて26分間にわたり、質疑を展開しました。

テーマは児童相談所の体制・機能強化と千葉県の自転車活用推進計画についてです。

 

では、要約して、本日の質疑内容をお伝えします。

 

 

≪児童相談所の体制強化≫

児童虐待相談対応件数は年々増加の一途をたどっており、令和元年度の速報値で、全国で約19万件、本県では、県所管の6児童相談所で、9,061件と、全国で4番目に多い件数となっています。児童虐待相談対応件数の増加に伴い、一時保護をされる児童も増えています。

一時保護所では、保護者からの虐待により心身に傷を受けているケースや、非行等により緊急に保護をされるケースなどがあります。そのため、一時保護される子どもは、不安や緊張の高い状態の場合もあり、一時保護所は子どもにとって安心でき、落ち着ける環境が 必要です。

しかし、本県の一時保護所では定員超過の状況があり、一時保護所の増設は、最も重要な取組の一つであると考えています。

一時保護所の定員超過に対し、どのように取り組んできたのか。

 

(県答弁概要)

・一時保護所は定員超過のため、増設を行うこととし、令和元年度に児童虐待緊急対策として補正予算により設計を行い、今年度に工事を進めてきた。

・昨年12月末までに、予定していた市川、柏、君津児童相談所の一時保護所の増設等の整備が完了し、定員は約1.5倍の171名となり、一時保護所の生活環境は、ある程度の改善が図られたと考えている。

 

私の地元我孫子市も管轄している柏児童相談所の一時保護所の増設については、具体的にどのように改善したのか。

 

(答弁概要)

・柏児童相談所の一時保護所の増設では、昨年10月1日に供用を開始し、定員が25名から6名増え、31名となっている。

・居室のほかにトイレ、浴室、手洗い場も設置している。

・工事のため撤去していた幼児用の遊具も、再度敷地内に設置し、一時保護児童の生活環境の改善を図ったところ。

 

果たしてそれで改善されたのか疑問なわけです。

私は、先日、柏児童相談所を視察して状況を確認してきました。

 

 

定員31名とはいえ、令和元年度の1日の平均保護人数は44.5人ということで、50名近くの子どもたちが保護されており、定員超過は解消されていないと認識しました。

一時保護所の定員を増やしてもなお、定員超過しているが、どのように対応しているのか。

 

(県答弁概要)

・一時保護所で定員超過の場合には、定員と比べ一時保護人数が多い児童相談所から、少ない児童相談所へと一時保護委託を行うことにより対応することとしている。

・里親委託の推進や児童養護施設の増設などの受皿の対策を行っていく。

 

入り口が増えればしっかりと出口も用意しなくてはなりません。

私はこれまで幾度となく里親の推進を議会で取り上げてきました。里親の普及に努めていただきたいですし、昨今の一時保護の状況を勘案すると、今後もこのような定員超過の状況は続いていくのではないかと思います。特に柏児童相談所は2年前の女児虐待死事件がありました。

緊急避難的な対応ではなく、この問題を根本的に解消していくためには、現在検討している児童相談所の新設は必須です。今後抜本的な改善として管轄区域の見直しや新設が予定されておりますが、県の土地だけを探すのではなく、児童福祉という観点で市町村と協力しながら最適な場所・形で取り組むことと同時に児童相談所の職員の雇用や育成にも力を入れていただきますよう要望しました。 

 

さて、一時保護所の入所児童数が増加してきた理由として、柏児童相談所管内でも児童虐待相談対応件数が増加していることが考えられます。

柏児童相談所の児童虐待相談対応件数はどうなっているのか。

 

(県答弁概要)

・柏児童相談所の児童虐待相談対応件数については、

平成29年度は、1,742件

平成30年度は、1,912件

令和元年度は、速報値で2,353件

 

平成29年度と比較して令和元年度は35パーセント増加しており、児童虐待相談対応件数が非常に増加しています。

これにしっかりと対応していくには、とかく児童相談所というのは市町村などの関係機関との連携が重要になることから市町村との連携強化も要望しました。

 

来年度は 職員の増員と併せ、柏児童相談所の組織の見直しを行うとのことです。

我孫子市を管轄する柏児童相談所調査課を「調査第一課」と「調査第二課」に分割するとのことだが、どのようになるのか。

 

(県答弁概要)

・現在の柏児童相談所は執務室が狭隘化していることから、その分室として柏市内の民間施設を借り上げ、執務室などを確保するとともに、児童やその家庭の調査支援などを行う調査課を分割し、その一部を移転する。

・現在の庁舎に残る調査第一課は柏市以外の区域を、移転する調査第二課は柏市を担当する。

 

 

柏市を担当する調査第二課が柏市の中心に移転されることで、児童の安全確認が迅速にできるようになると思いますが、一方、調査部門は執務室が2カ所に分かれることになります。

現状でも1階と2階で執務室が分かれており、1階と2階でも色々と情報共有がスムーズとは言い難いと聞いていますので、そもそも場所が離れるとなると、もより緊密に連携をすることが求められます。1課と2課が情報共有できる環境整備をしていくことも求めました。

 

≪自転車活用推進計画について≫

新型コロナウイルス感染症の影響により自転車の利用が増えています。また、自転車による観光振興や地域活性化などの効果や、災害時における貴重な交通 手段としての役割も期待されています。

このような中、国においては、「自転車活用推進法」を平成29年5月に施行するとともに、平成30年6月には「自転車活用推進計画」を策定。

この法律では、地方自治体においても、地方版自転車活用推進計画の策定に努めるよう規定されており、千葉県においても、自転車活用推進計画の素案を作成し、7月から8月にかけてパブリックコメントを行い、その結果を踏まえ、計画案をとりまとめ、11月に千葉県版の自転車活用推進計画を策定しました。

 

千葉県版の自転車活用推進計画では

・自転車の役割拡大に向けた人と環境にやさしい自転車環境づくり

・自転車利用の普及拡大による活力ある健康長寿社会の実現

・自転車を活用した観光の活性化と交流基盤の確立

・自転車事故のない安全・安心な社会の実現

の4つの目標を掲げ、これらの目標を実現するため、実施すべき17の施策を定めています。

 

県は自転車の活用推進に向けて、どのように取り組んでいくのか。

 

(県答弁概要)

・県では、自転車の安全で快適な通行空間を確保するため、市町村が策定する自転車ネットワーク計画に位置づけられた路線等について、矢羽根型路面標示の設置などを進めている。

・自転車を活用した観光振興を図るため、サイクルツーリズムの推進とともに、自転車の安全で適正な利用を図るため、交通安全教育などに努めており、健康の増進や環境負荷の低減等の観点からも自転車を活用できる環境整備に取り組んでいる。

 

 

 

自転車の活用を推進するためには、まずは、自転車の安全で快適な通行空間を確保することが重要です。

しかし、現在、県内の市町村において、「自転車ネットワーク計画」を策定しているのは、県内54市町村のうち19市町のみ

安全で快適な自転車通行空間を効果的・効率的に整備するためには、市町村における「自転車ネットワーク計画」の策定を促進させることが必要であると思っています。

市町村における自転車ネットワーク計画策定の促進に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。

 

(県答弁概要)

・県では、これまでも、自転車ネットワーク計画の策定方法等に関する説明会などを開催し、市町村に対して計画の策定を促しているが、現在、計画が未策定の市町村に対し、計画策定に際しての課題などについて、調査を進めているところ。

・今後は、市町村ごとの状況を踏まえ、個別にヒアリングを実施し、先行事例などの提供や、技術的な助言を行うなどにより、市町村における自転車ネットワーク計画の策定が進むよう積極的に取り組んでいく。

 

本計画に基づく自転車通行空間の整備が必要であると考えます。自転車ネットワーク計画に位置づけられている県管理道路の整備状況はどうか。

 

(県答弁概要)

・県内の19市町で策定している自転車ネットワーク計画に位置づけられた道路のうち、県管理道路は、361キロメートルとなっている。

・これまでに、104キロメートルについて、矢羽根型路面標示の設置などを行い、自転車通行空間を確保している。

・引き続き、市町村と連携を図りながら、自転車ネットワーク計画に位置づけられた路線から、順次、整備を進めていく。

 

計画の目標の一つである「自転車を活用した観光の活性化と交流基盤の確立」について。

なだらかな地形が広がり、温暖な気候にも恵まれている本県は、多くの地域に魅力的な 景色が満喫できるサイクリングロードがあり、サイクリングには絶好の環境にあります。

またコロナ禍において、ますます人気が高まっていくことが予想されるサイクリングで、より多くの方に千葉を楽しんでもらうためには、より一層、情報発信を含めた取組を進めていくべきであると考えます。

地域の魅力を活かしたサイクルツーリズムの情報発信について、県はどのように取り組んでいるのか。

 

(県答弁概要)

・県では、サイクルツーリズムについては、サイクルツーリズムの環境作りの支援、モデルコースやルートマップ等の情報について、ホームページ、ラジオ、観光情報誌など様々な手段を用いて発信しているところ。

・自転車イベントの情報などについても、時期をとらえてSNSを使って発信するなどし、より効果的な情報発信となるよう努めていく。

 

県では、サイクルツーリズムについて、様々な手段を用いて情報提供していると伺いました。SNSの活用についてですが、12月一般質問でも情報発信そのものについて言及しましたが、SNSの種類も的確に利用してほしいと思います。

SNSは手軽に旬な情報を得ることができます。例えば、サイクリストたちが地域のお店やサイクルステーション、自転車修理店を紹介したり、危険箇所の情報提供をすることができたり、サイクリストたち自身が千葉県の魅力を存分に情報発信できるようなコミュニケーションツールなども考えていただきたいと思います。この点は県が令和2年7月17日~8月13日の1か月弱の期間で行った「千葉県自転車活用推進計画案」に対するパブリックコメント(のべ27件)にも寄せられています。サイクリストたちにとって有益な情報をいかに発信できるか、もしくは情報をサイクリストたちが自由に発信したり受け取ったりできるようなプラットフォームをつくるなど、工夫を凝らしていただきたいと思います。

 

 

次に、計画の目標の中の「自転車事故のない安全・安心な社会に実現」について。

昨年は、交通事故死者数全国ワーストからの脱却と第10次千葉県交通安全計画で目標としていた年間交通事故死者数150人以下を達成しましたが、昨年の自転車が関係する交通事故の発生状況はどうか。

 

(県答弁概要)

・令和2年中における自転車が関係する交通事故の発生状況は

    発生件数 3,237件、前年比△838件

    死者数     22人、前年比△  2人

    負傷者数 3,205人、前年比△808人  

 

自転車が関係する交通事故における自転車乗用者の頭部へのダメージは、自転車用ヘルメットを着用することで相当軽減すると思われ、死傷者を減少させるためにも有効であると考えますが、自転車が関係する交通事故における自転車乗用中死傷者のヘルメット着用状況はどうか。

 

(答弁概要)

  ・令和2年中の自転車が関係する交通事故における自転車乗用中死傷者のヘルメット着用状況は

 死者は、22人中1人

 負傷者は、3,205人中270人であり、率にすると8.4%

 

ということで、まだ、自転車乗用者のヘルメット着用率は低い状況にあります。自転車乗用中死傷者を減少させるためにも、ヘルメットの着用率向上に向けた取組強化を要望しました。

 

更に交通事故死者数を減少させるためには、自転車が関係する交通事故の抑止対策は重要であると考えます。自転車が関係する交通事故を抑止する対策の取組状況はどうか。

 

(県答弁概要)

 ・令和2年中における取組状況

  自転車の違反取締り件数は

    868件、前年比+288件  

であり、指導警告を行った件数は

   6万6,878件、前年比+2万6,343件 

・自転車の交通安全教育については、新型コロナウイルス感染拡大を受け、人を集める集合型の交通安全教育等が出来ない状況にあったことから、交通安全教育に関する動画を作成し、県警の公式ツイッターやユーチューブ等のSNSを活用して配信。

・引き続き、新型コロナウイルス情勢を踏まえながら、自転車が関係する交通 事故の抑止対策を推進していく。

 

 自転車を安全に利用し、交通事故に遭わないようにするためには、県警だけではなく、知事部局においても、交通安全教育を推進していく必要があるとし、知事部局で行っている交通安全教育事業の充実を要望しました。

 

自転車事故の防止のため様々な講習や広報啓発をしっかりと進めてほしいと思います。

また、自転車を運転する者が事故の加害者になるケースも多々あります。この場合、高額な賠償責任を負うこともあることから、自転車保険への加入も重要になります。県のインターネットアンケート調査によると、保険加入率は、自転車条例施行前の平成27年度の30%から、令和元年度は51.7%と向上してきているとのことですが、更なる加入促進が必要です。

 

民間の大手保険会社の調べによると千葉県の自転車保険の加入状況は24位とまだまだ加入者が低い実情があります。

加入を義務化している都府県もあり、千葉県は努力義務という位置づけです。自転車に関してひとつ大きな課題として自転車マナーについての周知理解を深めることが重要だと考えます。「自転車は歩道を走るものだ」と思われている方々も大勢います。自転車が「車両」であるという認識も薄いことがあげられますが、自転車を利用する人のみならず自動車を運転する人も歩行者もすべての方々が自転車に対して正しい知識を持つことが重要だと思いますので、県として計画に基づいて、環境整備、観光、安全面等、さまざまな観点での推進を要望しました。

 

予算委員会は以下の写真でおわかりの通り、アクリル板を設置し、質疑者はマスク着用、議席も間隔をあけ、ドアも開けっ放しの状態での質疑となりました。

 

 

今回の質問は現場の声を反映したものが多くあります。

引き続き、様々な声を拾い上げて政策へと反映していきたいと思います。

 

※サイクリストの皆様方のご意見、大変参考になりました!