嘘を重ねた末の暴走か。安倍首相の「障害者雇用」答弁は一線を超えた

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

私は「桜を見る会」問題について、ことさらスキャンダラスに追及することは避けながらも、公文書管理については根源的な問題である考え、厳しく指摘し改善を求めてきました。

重箱の隅をつつくような批判は本質的ではないと承知してはおりますが、参議院本会議での公文書破棄に関する安倍総理の答弁は一線を越えており、激烈に批判をする必要があると判断します。

「障害者職員」理由にするのは「最低最悪の言い訳」? シュレッダー問題、安倍首相答弁に批判も
https://www.j-cast.com/2019/12/03374227.html

「桜を見る会」招待者名簿の廃棄が恣意的なタイミングだったのではないか?との追及に対して、「担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った」との本会議答弁。

すでに多くの批判が巻き起こっている通り、障害者雇用の職員に責任転嫁するかのように受け取られ、また実際にしている見解を披瀝したことは極めて深刻な問題です。

「野党が些末な追及をするから、説明しただけ」
「事実関係を述べることの何が悪い」

という首相擁護の声もありますが、不祥事を追及されている文脈で障害者雇用を理由に出すことがどのような影響を持つかを考えれば、問題点は一目瞭然ではないでしょうか。

また「障害者雇用の短時間勤務職員」とまで言ってしまえば、それほど対象人数が多くない中で、少なくとも関係者の間では特定が可能となる恐れもあり、二重の問題を含んでいます。

招待者名簿については「個人情報なので一切出せない」と強弁する人たちが、職員の個人情報については蔑ろにする態度について、呆れかえる他ありません。

この安倍首相の答弁内容は、官房長官による説明や、先週のテレビ討論番組に出演した自民党議員の発言の中にも見られるとのことで、組織内でのコンセンサスとなっているようです。

政府にも自民党内にもこの発言内容に危機感を持つものがいないことを証明しており、事態はより深刻です。

官僚サイドは官僚サイドで、必死で理由を考えさせられた結果に行き着いた苦肉の策であろうことは想像に難くありませんが、組織内で自浄作用が働かなかったことは残念でなりません。

この名簿・公文書破棄問題で政権は迷走に迷走を重ね、嘘を嘘で塗り固め、どうにもならないところにまで追い詰められています。

始めから

「公文書管理ルールを悪用して、名簿は早期に廃棄してしまった。不適切だった」
「今後は公文書は破棄できないルールに抜本的に改める」

と早々に表明していれば、障害者雇用の方にあらぬ傷をつけることもありませんでした。


本発言や認識については撤回するなどのしかるべき対応を求めるとともに、公文書管理のあり方について、引き続き厳しくも建設的な提案を続けていきます。

それでは、また明日。

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