こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日も衆参で予算委員会・集中審議が行われ、コロナウイルス対策などについて活発な議論が行われています。維新からは浦野代議士と柳ケ瀬議員が質問に立ちました。
6月まで続く国会論戦はまだまだ始まったばかり。ぜひ引き続きご注目ください。
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さて、今日から私が予算委員会で取り上げたテーマについて1つずつ解説していきたいのですが、まずは冒頭で取り上げた「コロナウイルス対策(WHOへの台湾加盟)」についてです。
台湾のWHO参加 首相が必要性強調 参院予算委で: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55025500Q0A130C2PP8000/正直、これほどストレートに前向きな答弁が来ると私自身が思っていなかったのですが(汗)、この答弁は国際ニュースにもなり、台湾総統が謝辞を表明。
I want to thank the #US, #Japan, #Canada, & #StLucia, as well as our friends in the international community, for publicly supporting #Taiwan’s inclusion in the @WHO. Full statement: https://t.co/nldFphaeZv pic.twitter.com/diUwKg3K1n
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) January 30, 2020
その影響力はすさまじく、私のもとにも多くの台湾人・関係者から連絡が入り、なんと台北駐日経済文化代表処(いわゆる台湾の大使館)の副代表から「御礼に伺いたい」との申し出が。
蔡副代表、向部長、蘇課長補佐らが議員会館まで足を運んでくださり、
「音喜多さんの提言と安倍首相の答弁が、他国にも影響を与えて動かした」
と過分なお言葉をいただきました。
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なぜ台湾は大使館ではなく、「台北駐日経済文化代表処」なんて難しい名前がついているかと言うと、台湾は中国からの圧力により、「国」として認められていないためですね。
通常の二国間の関係で言えば、「代表処」が大使館、「弁事処」が総領事館ということになります。
このように中国からの様々なプレッシャーに晒されている台湾は、国連を筆頭にWHOなど様々な国際機関への参加が許されていません。
新型肺炎対応の協議から台湾を排除 WHOやICAOに国際社会から批判
https://mainichi.jp/articles/20200130/k00/00m/030/227000c私はそもそも台湾は独立した「国」として認めるべきだという立場ですし、ましてや今回の新型コロナウイルスの発生源は中国であり、周辺国に影響を及ぼした当事者です。
その中国がWHOなどにプレッシャーかけて、台湾のオブザーバー参加すら認めないなどということは、到底容認することはできません。
安倍総理が答弁したように、こうした防疫は地域全体でやらなければ、封じ込めをすることは困難です。
政府には引き続き台湾を後押しする力強い対応を期待するとともに、私も台湾がそもそも「国」として認められ、国際社会の一員となるよう働きかけていきたいと思います。
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そしてなぜ今回、私の質問が注目されたかというと、与党である自民党が取り上げづらい話題だからでしょう。
今春の中国・習近平主席の来日に向けて、政府と与党は「波風を立てたくない」モードに入っています。自民党内にも台湾側に立つ議員が存在しますが、対中関係を気にして表向きには少数派です。
部会レベルでは香港や台湾などの問題に触れられても、本会議や予算委員会など目立つ舞台で「党を代表して」堂々と中国を刺激する発言・提案をすることは困難な状況と言えます。
こうしたパワーバランスによりWHO・台湾問題がこぼれ落ちる中、安倍首相としても「自分から積極的には言いづらいが、質問に対する答弁なら答えやすい」という面があったのではないでしょうか。
あくまで推察ですが。。
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なお、安倍首相は親台派組織である「自民党青年局」の局長を歴任していたこともあり、元々は完全に親台派の議員です。
与党が触れづらい話題を取り上げ、敢えて「火中の栗」を拾うことも野党の役割。
敵対するばかりではなく、建設的な提案を投げ込むことで、少しでも国際社会に貢献できる方法を探していく所存です。
質疑の議事録はまだ出ておりませんが、まだ未視聴の方はぜひ御覧ください。
それでは、また明日。