「予算委員会」って何種類あるの?出席を強制される大臣の命運は…?国会7不思議に迫る!

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

衆議院では連日、予算委員会が続いています。維新から昨日は足立康史議員、本日は藤田文武議員が登壇し、批判すべきを批判しながら必ず「対案・提案」をセットで出すという質疑が行われました。

見逃した方は、ぜひYouTube動画で御覧くださいませ。

そして本日で予算委員会の「基本的質疑」が終わり、来週からは集中審議・一般質疑へと移っていくようです。

…ん、ちょっと待て。予算委員会って種類があるの??

そうなんです、約一ヶ月に渡って審議が行われる予算委員会ですが、実は複数の種類が入り乱れています。

もはや一般国民目線が画面で見ているだけでは違いがさっぱりわからず、国会七不思議の1つと言っても過言ではありません。あと6つが何かは知りませんが

閑話休題。予算委員会には、大きく分けて4つの種類があります。

①基本的質疑 ☆
②一般質疑
③集中審議
④締めくくり質疑 ☆

どう違いを説明したらわかりやすいのかと悩ましいのですが、出席者とそれによって「格」が異なります。

☆印をつけた「基本的質疑」「締めくくり質疑」は総理&全閣僚がマスト出席です。質問通告(出番)があろうがなかろうが、原則としてずっと委員会中は座って待機している必要があります。

よって質疑の「格」や「注目度」がもっとも高く、NHKのテレビ中継が入るのもこの質疑です。

そこから1つ格落ちするのが「一般質疑」「集中審議」です。一般質疑は財務大臣+答弁要求大臣、集中審議は総理+「集中」テーマの大臣という座組になっています。

「質疑」と「審議」と名称が異なっているように、集中審議はテーマに応じて開催されるものなので、ちょっと毛色が違うものと分類しても良いのかもしれません。

そして予算は財務省の管轄のため、財務大臣だけは何があってもずっと出席しなければならないわけですね。

本日まで行われていたのが、もっとも格式が高い「基本的質疑」で、インターバルを置いて来週からは一般質疑・集中審議へとステージが移っていきます。

その後に2月末~3月頭の終盤に締めくくり質疑が行われ、採決に至るという運びのようです。

※この他、公聴会・分科会なども予算審議のプロセスで行われますが、細かくなるので省きました。詳細は吉良代議士などが過去にブログで詳述されていましたので、こちらもご参照下さい。

参考:予算審議の流れ
http://kirashuji.com/s/activity_report/?p=227

予算はまさに国家の骨格ですから、一定の品格を保たなければいけないのはわかります。質疑の応酬の中で、イレギュラーな質問が関係分野・関係大臣に飛んでいくかもしれませんし。

一方で、明らかに出番がないとわかりきっている大臣までずっと着席していなければいけないのは、明らかに非効率的ではないでしょうか。

●質問通告(河野太郎大臣のブログ)

私が国務大臣在任中に受けた答弁通告回数は、合計で587回になります。この回数の中には通告はあったものの実際は空振りになったものもあります。

中には柿沢未途代議士からの質問通告で、「原発再稼働について河野国務大臣はどのように考えているのか」という問いがありました。

事前に、原子力発電所は所管していないので、答弁する立場にありませんとしか答えられないとお伝えをしましたが、それならばそう答えてくれればよいという返事でした。

その日、羽田空港のテロ対策に関して、警察、入管、税関、検疫など関係者を羽田空港に集めていましたが、ちょうどその時間帯のど真ん中に、この質問が一問入りました。

そのため、「答弁する立場にありません」という答えをするためだけに当日の朝、羽田空港行きをキャンセルし、委員会に出席しました。

しかし、他の質問が続き、時間切れで、結局、この質問はありませんでした!!
(上記ブログより抜粋、強調筆者)

↑さらに通告していても、こういう「空振り」自体が発生したりもします…。

今回、全閣僚の出席がマストである「基本的質疑」においても、新型肺炎対策に負われる厚労大臣の離席が認められましたが、そもそもすべての予算委員会において出番のある大臣以外は離席・欠席可に改めることも検討・議論されて良いと個人的には思います。

そして質問する側も、「空振り」がなるべく発生しないよう、理性的な対応が求められます。これは「往復方式」ではなかなか難しいところではあるのですが…。

2月中は引き続き、予算委員会質疑が活発に続いていきます。参議員の出番は、衆院が終了した後の3月です。この仕組についても、また改めて解説したいと思いますので、合わせてご注目下さいませ。

それでは、また明日。

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