こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
今日は約二ヶ月ぶりに委員会質疑に立ちました。閉会中審査が行われている災害対策特別委員会にて、先輩議員の代打登板です。
やはり国会審議は身が引き締まりますね…早急に臨時国会を開いてほしいという想いが強くなるばかりです。
さて、メインのテーマはやはり今夏の水害対策が中心となりましたが、私が重点的に取り上げたのは災害対策の「備蓄燃料」についてです。
災害時に一定時間の発電などが要求される行政施設・医療機関・高層マンションなどには非常用電源用の燃料が備蓄されており、これを促進するために経産省から補助金が出されています。
それで備蓄燃料が増えてきたのは前向きなことですが、問題はその管理・入れ替えについて。
備蓄燃料に使われる軽油とA重油の使用推奨期限はそれぞれ6ヶ月、3ヶ月間(短い!)とされており、定期的な入れ替えを行わなければいざという時に発電機が動かないという事態が生じかねません。
ところが、備蓄を推奨して補助金を出す一方、この管理・入れ替えについて国は無頓着と言って良い状態で、非常用電源が稼働するかどうかのチェックは消防法で義務付けられているものの、燃料そのものに関する行政機関からの確認はありません。
その結果、72時間分の燃料備蓄・非常用電源稼働が求められている災害拠点病院ですら、ほとんどのところで定期的な入れ替えは行われていないのではないかと指摘されており、これは大きな課題の一つとなっています。
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燃料は劣化する。
言われてみれば当たり前のことですが、普段使わないものであればあるほど、そこから注意が逸れがちです。
そして72時間分となればその量は膨大で、頻繁な燃料の入れ替えには莫大なコストがかかります。
ある民間団体の調査によると、港区本庁舎及び防災拠点のみなとパーク芝浦は合計約18万リットルのA重油が備蓄されており、購入費用は約2,000万円(1lあたり税抜100円計算)。
これを劣化基準に則り三ヶ月ごとに入れ替えると、燃料代だけで年間で約8千万円かかることになります。加えて廃油処理やタンクのメンテナンスなども生じることから、さらに費用は膨らむでしょう。
こうした備蓄燃料について、政府は答弁にもあったように「まずは自助努力」という立場ですが、とりわけ民間事業者が放っておいて対応できるものでしょうか。
最初の備蓄に対して助成金を出しているのであれば、継続的な支援や促進施策が必要です。もちろんずっと補助金を出し続けるということではなく、災害備蓄燃料に使われる軽油については軽油取引税を減免するなどのインセンティブ設計などが考えられます。
一方で消防法には「備蓄燃料の交換」についても厳格な規定を設け、特に行政施設・医療機関などについては行政が定期的にチェックをする仕組みづくりも必要ではないでしょうか。
同時に、期限切れ直前の備蓄燃料をしかるべき専門業者が引き取り、有効利用していくビジネスモデルを構築していくことも重要でしょう。
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こうした提案に対して、担当官僚からの答弁は現状の説明にとどまりましたが、武田防災大臣からは
「ご指摘の点については、我々も勉強をさせていただく」
とやや前向きなコメントもありました。
政府・行政というのは往々にして「何か大事が起こってから」急速に動き始めるものですが、災害時に燃料劣化が原因で非常用電源が動かず、多くの人命が失われてからでは手遅れになります。
備蓄燃料の入れ替えが頻繁に行われるためのインセンティブ設計や、行政による適切な監査が行われるよう、引き続き提言を続けて参ります。
全質疑はぜひ動画でも御覧くださいませ。それでは、また明日。