こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
衆院の任期満了まで半年を切りまして、現職議員・立候補予定者が「単独ポスター」を貼れるのも半年前まで。
本日は政治家ポスターを政党ポスターに張り替える作業をチームで行いつつ、地元・北区内でコロナ支援策などを配布する該当活動を行いました。
やはり街に出て様々な声を伺うと、多いのは「なぜワクチンがこんなに日本だけ(開発・確保・供給が)遅いのか?」という声です。
これについては様々な分析がなされており、一概には説明できない複雑な問題ではありますけど、間違いなく我が国で連綿と続いてきた「ワクチン忌避」の国民感情と、それに迎合して慎重になりすぎた政府・政治の姿勢があると思います。
参考記事:
過去の苦い記憶 日本のワクチン展開の影響を懸念
https://www.afpbb.com/articles/-/3328885>重要な転機となったのは集団訴訟における1992年の東京高裁判決だ。北里生命科学研究所の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)によると、科学的な根拠がないような現象も副反応と認めるという判決だった。
>「訴訟をいろいろ抱えた後、ワクチンを積極的にやろうとして何かがあったら訴えられる」と国は考えたのだろう、と中山教授は話す。
>「ワクチンを打つと、いろんなことが起きるのでは」と思われてきたと教授は付け加えた。日本のワクチン制度は「結果15年、20年、何も進まなかった」。
日本は1970年代から、ワクチン接種については事あるごとに集団訴訟を抱え、時に接種を勧めた国・政府に対して厳しい判決が出されてきました。
マスコミや一部野党による苛烈なネガティブキャンペーンの影響・効果もあり、政府内でこのトラウマは極めて大きく、ワクチン行政に関しては開発予算確保から規制内容まですべてが消極的とも言える状態になっています。
その最たる例が私も度々取り上げているHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)で、世界各国で安全なワクチンとして接種が進む中、厚労省が積極的勧奨をいまだに停止している影響で、日本での接種率はわずか1%に沈んでいます。
そしてこうした状態に業を煮やして、4月9日「子宮の日」には医療関係者などが中心となって民間から大きな声が上がっています。
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私もワクチン行政についてはたびたび国会で取り上げ、厚労省官僚ともやり取りをしてきましたが、個別に意見交換をすれば特に医系技官を中心に「政府・厚労省はあまりにもワクチンに対して慎重・消極的すぎる」という意見を何度も聞いてきました。
しかし、年間3000人もの女性が命を落とす子宮頸がん予防に極めて有効な、安全性が高いHPVワクチンですら接種促進ができない。
このような状態ですから、ワクチン競争に日本が破れたのは必然と申しますか、むしろ勝てる要素がなかったのではないかとすら絶望します。
残念ながら過去は変えることができませんが、未来は少しでも良いものにしていく他ありません。
コロナ対応も含めて、ワクチンに関するすべての施策は地続きです。
HPVワクチンの積極的勧奨を速やかに再開すること、科学的根拠に基づいた正確な情報を発信すること、ワクチンに関連する予算確保や緊急事態のルールづくりを進めること。
目下のコロナ対応と並行し、HPVワクチン接種の当事者として、私も引き続き国政の場で力を尽くしてまいります。
それでは、また明日。