ようやく「重大事態」認定。旭川14歳少女いじめ凍死事件で、真相究明(被害者救済)とネットリンチ防止を急げ

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

>旭川14歳少女いじめ凍死事件を問う。文科大臣「調査に時間がかかり過ぎている」「私を含めた政務三役の派遣も検討」
https://otokitashun.com/blog/daily/26020/

昨日の国会質疑とブログは多くの方にご注目をいただくことができましたが、先ほど早速、旭川いじめ事件について進展が発表されました。

旭川市の中学生死亡 市教委がいじめ疑いの「重大事態」と認定|NHK 北海道のニュース
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210427/7000033421.html

当初は「8月から調査」などという情報もありましたが、旭川市教育委員会は本事案を「重大事件」と認定し、来月にも調査に入る意向が示されました。

これは昨日26日の国会で萩生田文部科学大臣から、

「調査に時間がかかりすぎているという想いはある」
「状況によっては私を含めた政務三役など、文科省から人員派遣を検討」

という答弁・対応があったことも少なからず影響しているものと思います。

改めてまして対応をいただいた文科省と、ご注目いただいた皆さまに感謝を申し上げたいと思います。

本件で少々、懇意にしている別自治体の市長の意見を伺いましたが、とにかく教育委員会は「動かない」場合があると。

世間一般のイメージで言えば、市長が号令をかければ教育委員会・教育現場も動くと思われがちですが、「教育」というのは行政・市役所から(良くも悪くも)独立性が高く保たれています

教育委員会は独立した組織ですし、市長が人事権をもっているのは教育長に対してだけ。しかも議会同意人事なので、市長(政治家)が人事権を行使して指揮命令力を発揮することもしづらい構造になっているわけです。

「教育を世俗権力から独立させておく」というのは非常に尊く重要なことである反面、不祥事が起きた際に自己保身に走られてしまうと、外部から介入がしづらいという欠点もあります。

今回のようなケースが起きないために、法律で「いじめ防止対策推進法」第28条1項で「重大事態」を定め、そのためのガイドラインも政治行政が示してきました。

それがここまで不自然な形で踏みにじられると、政治側としてもさらに踏み込んだ対応を検討せざるを得なくなってしまうわけで、「教育の独立」とその尊厳を保つためにも、旭川市教育委員会には早急かつ適切な調査を行っていただくことを望むばかりです。

大変残念なことに、ネット上では加害者生徒を特定し情報を拡散するなど所謂「ネットリンチ・私刑」が行われており、ついにYouTuberが逮捕されてしまいました。

自称ユーチューバー 無理やり話聞こうした強要未遂疑いで逮捕|NHK 北海道のニュース
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210426/7000033388.html

こうした行為は許されることではなく、場合によっては逮捕されるのだという啓発も含めて防止策を考えていかなければなりません。

ただ、「私刑」の防止についてはもう一つの面も考えなければならないと思っています。

なぜ人々が義憤に駆られてSNSなどで情報発信に加担してしまうかというと、本来であれば行政によって与えられるはずの「裁き」が適切に機能していないと感じるからです。

法治国家が成り立つためには、「私たちの代わりに権力者・行政がきちんと罪人を裁いてくれるのだ」という信頼感が重要です。

それが今回のように、あきらかに行政(学校現場・教育委員会を含む)側に隠蔽・怠慢などの疑義が生じれば、法治国家が確立される前の「仇討ち」行為が生じてしまいます。

裁きが社会通念に応じて適切に下されるという点では、今般の国会で議論されている(18歳・19歳の少年を『特定少年』として扱いを厳格化する)少年法の改正議論とも通底するものがあります。

事案内容・年齢としては直接重なるわけではありませんが、下記の動画もご参考に。

もちろん、国民感情によって何でもかんでも法律が定められ、裁きが下されればよいというわけではありません。

ただ、行政による裁きが信頼感を保ち「私刑」を防止するためには、これらの観点も欠かすことはできないと思います。

厳格な調査を行い、しかるべき指導・裁きがなされることが、結局はネットリンチなどを防いで加害者を適切に厚生させることにもつながります。

本件、また本件以外にも教育現場や子どもたちの問題については引き続き、国会からも注力をしてまいります。

それでは、また明日。

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おときた駿
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